恵比寿のマンションの一室でひっそり営業している「中村玄」(会津地鶏・コラーゲン鍋)、「クラブ子羊」(ジンギスカン)。渋谷・百軒店のラブホテル街の一角で間口が広いにもかかわらず覆い隠した「月世界」(有機野菜中華、コラーゲン鍋)、祐天寺の古い2階建て工場跡を改装した「鴨丸祐天寺分校」(鴨料理)。これら4店舗を展開するのがイイコ。そして、鴨料理2店目を恵比寿に出店した。場所は恵比寿郵便局近くの人知れぬ路地。看板はない。フレンチレストランの居抜き物件で、和風の「鴨丸祐天寺分校」とは異なり、洋風鴨料理を提供する。料理は6300円と8925円の2コースで完全予約制。横山貴子社長は鴨料理の「鴨丸」ブランドを飲食店だけでなく、物販にも広げようとしている。同社で使う鴨は鹿児島県の契約農家で飼育されている。
イイコが展開するのは、全て看板のない店。「お客様の気持ちになったときに、看板がなければ受動的ではなく能動的に興味を持ってくれると考えました。こっちから来てくれというアピールではなく、自分から行きたいとお客様に思ってもらえる第一歩が看板のない店だと考えました。看板がないことで興味を持ち自分から行ってみる。行ってみた時に、お料理が美味しくて、サービスが良かったら、人に自慢したくなる。友達を誘う。友達も驚いてくれる。友達を喜ばせることにより優越感にひたれる。」と第63回フードリンクセミナーで横山社長が理由を説明してくれた。
「鴨丸上ル」
東京都渋谷区恵比寿4-24-4 キエイビル1F
電話:03-3449-9407 *完全予約制
営業時間:18:00〜 *月曜定休
有限会社イイコ
入口。看板は全くない。明かりが店内から漏れ、店だと分かる。
鴨丸ごと盛り(テリーヌ、生ハム、レバーパテ、鴨舌の味噌漬け焼、ロース燻製、砂肝の燻製、ハツの燻製、レバーの燻製)
人気の鴨シューマイ。
鴨しゃぶの具材。
鴨しゃぶ鍋。〆に鍋に残った出汁で、冷たい五島うどんを食べる。
鴨丸流のしゃぶしゃぶ道を記した紙が配られる。
店内。フレンチレストランの居抜き。
店長の中村薫氏。一流家電メーカーからの脱サラで飲食店経営を目指し、イイコで修行中。元イイコのお客だった。