社団法人 大日本水産会が主催する第11回ジャパン・インターナショナルシーフードショーが、7/22〜24に東京ビックサイトで開催された。大日本水産会は1882年に設立された日本で唯一の水産業の総合団体。水産業界の意見を国政に届けたり、世界の漁業団体との交流、漁船から食卓までの品質管理の向上などを行っている。シーフードショーは、水産業者約500社が出店する、流通のバイヤーなど約3万人を集めた見本市だ。
中でも、32年をかけて2002年にクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学がシンポジウムを開き注目を集めた。人工ふ化から出荷までという完全養殖を実現したのは世界で唯一。「近大マグロ」の商標で、近畿大学発のベンチャー企業、アーマリン近大から全国に発売されている。また、マルハニチロも1987年からクロマグロの完全養殖に取り組み、2010年には民間企業初の完全養殖達成を目指している。クロマグロは、世界的な健康志向で需要が急増し、世界最大の消費国である日本に対する風当たりが強い。安定的に生産するために完全養殖技術の開発が求められている。
株式会社アーマリン近大
近畿大学が完全養殖した「近大マグロ」のはく製。
近畿大学の完全養殖魚には、ユーモラスな「卒業証書」が付けられる。「養殖過程を優秀な成績で卒業され、お客様にご満足いただけるよう立派に成長したことをここに証します」と書かれている。
アーマリン近大では、和歌山県で17年間育てたチョウザメからキャビアを摂取し、「近大キャビア」として販売。30gで1万円と高額。
マルハニチロのブースでは、完全養殖へのチャレンジをアピール。
マルハニチロでは、クロマグロの稚魚を展示。
マルハニチロは、カンパチのシェアNo.1。