フードリンクレポート


<サポーターレポート>
サッポロが他社に先駆け、人財育成ツールを発売。
サッポロビール株式会社

2008.9.12
ドリンクメニューだけでなく店舗運営全般について飲食店経営者を支援するため、約10年前にサッポロビールが設けた専任部隊「フードビジネスサポートグループ」。そのノウハウを集めて人財育成のための様々なツールを開発し、8月から発売している。手を挙げて責任者となった荒井良彦氏(マーケティング゛本部 外食戦略部 課長代理)を取材した。


「サッポロ・ヒューマン・サポーターズ」のパンフを手に、荒井良彦氏(マーケティング゛本部 外食戦略部 課長代理)

人財定着率をアップで、キャッシュフローが潤沢に

 同社「フードビジネスサポートグループ」は、飲食店経営運営のノウハウを身につけた専門部隊として、そのメンバーが各地区本部に配置されている。メンバーは全て飲食店での現場研修や、有名コンサルタントから指導を受け、育てられた専門職だ。現在は、酒類を売る営業担当者と同行し、飲食店チェーンの出店支援や個人店の経営指導などを行ない、良き相談相手として経営者から厚い信頼を得ている。

 経営者からの相談で最も多いのが、「物件紹介」と「人財育成」だと言う。今回、この「人材財育成」の悩みを解決するツールを、サッポロビールは開発し販売する。

「パート・アルバイトを採用するのに30〜40万円かけたというお話を耳にすることがあります。人材の定着率がアップすれば、こんな費用はかからずキャッシュフローが良くなります。現在、残念ながら働く先として外食は一番には選ばれていないようです。求人に悩んでいる経営者は沢山います。私たちが提供するのは、今働いているスタッフの定着率を上げるためのツールです。今、飲食店で働いている方々にこのツールを使っていただき、外食産業を元気にしたい」と荒井氏は抱負を語ってくれた。

 荒井氏が考えたのは、同社の酒類営業担当者でも販売できるツール。人財育成のためのツボを19のプログラムに細分化し、目的や企業規模に応じてミックスできるように設計されている。

 ポイントは、問題を抽出する「見える化プログラム」と、それに即効性のある処方箋となる「簡単解決プログラム」の2種に分けたことだ。


「やる気分析システム」で見える化、「接客の法則」で30分解決

 同社が提供する19のプログラムの内、主なものを紹介する。

① MSQ(やる気分析システム)
見える化プログラム。ウェブ上で146問に答えると、スタッフ個人の「やる気のもと」を分析。離職などのリスクを未然に防げる。費用は、1名4500円
*詳細ダウンロード(PDF)

② ロームセキュリティー
見える化プログラム。タイムカードのデータからリアルタイムに、荷重労働やメリハリのない働き方をしているスタッフを抽出し、スタッフのやる気を出させるよう店長のシフト管理をサポート。スタッフのやめ時が事前に見え、ケアが可能になる。すると求人費用が浮く訳だ。費用は、月2万円から。初期費用20万円。

③ 接客の法則
簡単解決プログラム。電話対応、お声掛けなどよくあるシーン毎に接客セミナーを細分化し、1プログラム当たり30分でポイントが分かる。5分で説明し、残りの25分はひたすらロールプレイング。外食コンサルのアンドワークスとの共同開発。費用は、1プログラム当たり5万円。講師の宿泊交通費は別途。

④ SHS通信講座
簡単解決プログラム。店長もしくは店長候補向けの通信教育。1回に5つの事例が出され、それにどう対処するのかを回答させる。これを3回(3ヶ月)続けると修了。費用は、1名9800円。

⑤ 店検
簡単解決プログラム。顧客として店を覆面調査するのとは逆に、スタッフとして店に入り現場で働き、生の現場を調査する。翌日の朝礼までにレポートが提出されるというスピーディーなサービス。費用は、1回10万円。

 まずは、「MSQ(やる気分析システム)」などで問題を見える化し、問題に応じて処方箋となる「接客の法則」などで簡単解決を行ってもらうという仕組みだ。

「デキる店長なら感覚として分かっていることを、理論を踏まえて分かりやすく提供しています。8月から営業活動を始めたばかりですが、若手の経営者の方々に興味を持っていただいており、手ごたえを感じています」と荒井氏。

 当面、10件の受注が目標。今では各社で開催されている、外食企業向け展示会の先駆けも同社であった。このサービスも他社が追随するくらいのビジネスに育つよう期待したい。



サッポロビール株式会社 開業サポートセンター 電話03-6681-1616
*問い合わせは、電話で。

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年8月26日取材