今月の特集『再発見! 塩を考える』(2/3)面
--「塩」を見直し繁盛店の仲間入り、人気の全貌に迫る--
--ヒートアップする塩ブーム多種多様な中から最適な塩を探し出そう--
今月の特集キーワード  
  規制緩和で始まった輸入塩・国産塩の競演潜在的な需要を掘り起こす 1面
  変遷をたどった塩の製造法海のミネラル分を凝縮させた日本古来の塩に 1面
  塩=Naclの誤解 塩の旨味は塩化ナトリウムとニガリ分のバランスが決め手 2面
  塩は産地・原料・製法で分けることができる 2面
  製法の背景には原料の性質や産地の気候風土がある 3面
  調理は塩で始まり、塩で終わる微妙な差異を感じられるのは調理人の舌 3面



 中世後半からは、潮の干満差を利用して海水を塩田に引き込む「入り浜式塩田」(イラスト2)が登場する。潮汲みの労働が軽減された入り浜式は、江戸時代から盛んに取り入れられるようになり、海岸に近い藩はこぞって製塩に力を入れた。塩は戦国時代の大切な兵糧であり、武具に使う毛皮をなめす材料としても不可欠。
  平釜の材質や煎ごう技術も発達し、赤穂流といわれる立体式の画期的なかまどが出現したのもこのころである。入り浜式で塩が作られていた時代は約300年と長く、昭和27年ごろまで続いている。
  昭和20年代に入ると、傾斜をつけた流下盤と粗朶や竹を吊るした枝条架で塩分を濃縮、乾燥させる「流下式枝条架式塩田」(イラスト3)に取って変わるようになる。この方法は太陽熱と風による蒸発が効果的に得られる上、24時間体制の操業が可能。従来の10分の1の労働力で3倍の生産量を上げることができた。流下式は主に瀬戸内地方で発達した。

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