今月の特集『再発見!
塩を考える』(3/3)面
--「塩」を見直し繁盛店の仲間入り、人気の自然塩の全貌に迫る--
--ヒートアップする自然塩ブーム多種多様な中から最適な塩を探し出そう--
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製法の背景には原料の性質や産地の気候風土がある
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天麩羅福島
東京都港区六本木4−10−12
狸ビルB1
03(3403)5507
11時〜14時
17時〜23時土曜日 |
↑天ぷらに供されるのは出汁とヨネマースからつくった特性塩
沖縄でつくられる天然塩ヨネマース→ |
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商品につく”完全天日塩“のネーミングからは、広大な塩田に降り注ぐ太陽、乾燥した爽やかな風というイメージが漂う。自然志向の強い昨今、いかにも消費者が好みそうな付加価値の一つだが、その製法は一律ではない。
たとえば、外国産の完全天日干しの商品は、文字どおり太陽熱と風力によって時間をかけて乾燥させたものがほとんど。一方、国内初の完全天日塩といわれる「海の精」(青ラベル)の製法を見てみると、かん水を温室内の結晶箱に入れ、太陽の力で蒸発濃縮し塩の結晶を析出する方法だ。この手法でやれば、確かに人工的な火力は加わっておらず、天日(太陽熱)だけで乾燥させたことになる。「小さな海」(青プリント)や「粟国の塩」(天日干し)なども、温室や結晶ハウス内でつくられた”天日塩“である。これら国産の天日塩は、多雨多湿という不利な条件下で人工的なエネルギーを使わずに、天日干しを実現するために開発されたものだ。
塩は商品の数だけ製法があり、味があり、その背景には原料の性質や産地の気候風土がある。このごろは、原料や製法を基準にしたオーガニックランキングも出ているが、機械化を否定した自然偏重の選択も考えものだ。プリミティブな製法で作られた塩が必ずしもベストとは言えず、手間や時間がかかる分だけ、価格も必然的に高くなっていく。肝心なのは塩の味であり、自店の料理にはどのような性質の塩が合うかを見極めることに尽きる。もし、原料・産地・製法にこだわるなら、直接メーカーに問い合わせてみることをおすすめする。現在出回っている中で一番多いマヤカシが、輸入原塩を溶解して煎ごうした塩を天日塩としている商品である。メーカー側の理屈としては、輸入した原塩が天日干しということなのだろうが、こちらは再製加工塩の部類に入る。
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