今月の特集 海外飲食店事情日本食ブームのタイ!(2/3)面
-タイの料理店から繁盛を学べ-
-バンコクからのレポート-
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**タイ料理レストランも健在!**
外国人に絶賛される店から地元タイ人で賑わう店まで |
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人気のバイキング。スープからデザートまで約20種類のタイ料理が並ぶ。スタッフはほとんどがタイ語しか使えないので、このスタイルは旅行者にはうれしい |
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旅行者はほとんど来ないという地元民の憩いの場。料理の味も気取ったところがなく豪快で大衆的な感じ |
タイ料理のレストランももちろん健在だ。 まろやかな味付けが外国人にも若いタイ人にも好評な『バーン・クン・ポー』。
アンティーク調の家具でまとめられた落ちついた店内は、機能別に3つのフロアに分かれている。
1階がタイクラシックレストラン。2階が生演奏やカラオケも楽しめるパーティルーム。 3階がタイ舞踏を鑑賞しながら食事ができるステージフロア。
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2階のパーティルーム。生演奏やカラオケも楽しめる団体客用の部屋 |
ディナーショー価格は350バーツ。レストランの客単価は250〜500バーツだ。全250席で一日平均300名を集客する。
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『BAN KHUN PHOR』はバンコク市内に3店舗ある。写真はサイアムスクエアの店。1〜3階まで各フロアがそれぞれ、レストラン、パーティルーム、ステージフロアとなっている |
「タイ料理の素晴らしさを実感した」と日本人客に言わしめた人気メニューは、「トム・ヤム・クン・90バーツ」、「ココナッツミルクの黄緑カレー・150バーツ」、「ブン菜(香葉)の強火炒め・65バーツ」など。
メニューには英語と日本語も併記し、日本食も少し導入。
バン コクに3店舗をチェーン展開している。また、上品な味付けでは物足りないという地元民に絶大なる人気なのが『ヨックヨー』
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多くの日本人に絶品と賞賛された「トム・ヤム・クン・90バーツ」と「フライド・ミックスベジタブル・75バーツ」 |
一日平均100名を集客するが、日本人客の姿はほとんどない。
それでもメニューにはいくつかの日本食が。だがもちろん、人気はタイ料理。特に食べ放題のバイキングだ。
スープからデザートまで約20種類が並び、昼109バーツ、夜129バーツの価格。アラカルトも好評で、シーフード料理のオーダーが多いという。
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1階のタイクラシックレストラン。客席80席。アンティーク調のインテリアがとても落ち着いた雰囲気を醸し出している。BGMのタイの古典音楽も。雰囲気にマッチ。若いタイ人カップルから日本人の旅行者、ビジネスマンまで幅広い客層に親しまれている |
『BAN KHUN PHOR(バン・クン・ポー)』
468-478 siam square soi 7 Raina IRd. Pathumwan 10330
250−1252、250−1258
11時〜24時 休日:年中無休
『Yokyor(ヨックヨー)』
4 Wisutkasat Rd. 280−1418、282 −7383
11時〜24時 休日:年中無休 |
世界中のバックパッカーが集うカオサンロード周辺の「おかゆ」の屋台は、夜8時〜深夜1時までの5時間営業。卵入りと卵なしの2種類のおかゆのみで、常にすさまじい賑わいを見せている。同じく、朝9時〜昼1時半までの短時間営業で休みも不定期という「ラーメン」の屋台も。麺を3種類の中から選べる以外、ワンタンを入れるかどうかだけのメニュー選択。にもかかわらず、いつも路地裏のスペースは満席状態だ。
安くて旨いは必須条件。プラス、期間限定、時間限定、メニュー限定、品数限定など、限定ものに弱い客の心理をうまく捉えたことが、名もない小さな屋台の勝因かもしれない。があり、屋台文化があるのだ。
日本食ブームの再来!「焼きそば」
「餃子」に続き「サバ・ステーキ」が流行
もちろん、屋台だけがバンコクの〈食〉のすべてではない。軒先にテーブルを並べただけのオープン・エアの飯屋から、屋内の大衆食堂、中級・高級のレストランまで、かなり店のスタイルは豊富だ。また、国際都市にふさわしく、タイ料理以外にも、中華に和食にインド料理、イタリアンやフレンチのレストランもあれば、アメリカン・バーもある。そして、さすが外食中心の国だけあって、それぞれに味のレベルも高い。まさに、食のパラダイス! そんなバンコクで今、日本食が静かなブームだという。
実は、日本企業がこぞってバンコクに進出し始めた15年程前にも日本食ブームは起こった。その中心は日本人ビジネスマンだったが、タイ人にもわずかに浸透。これを日本食と呼ぶには抵抗があるが「焼きそば」や「餃子」が流行ったという。タイ料理の中にも似たようなものがあるので受け入れ易かったのだろう。
その後、日本のデパート乱立の時期に、またまた日本料理レストランが急増。5年前からは日本人旅行者の数も一段と増え、それに対応してさらに日本食の店が増え……今回の日本食ブームとなったわけだ。
確かに、日本人のためのナイトスポット〈タニア通り〉以外でも、街のあちこちで日本語の看板を見かけるようになった。高級料亭にそば屋、ラーメン屋、とんかつ屋、ステーキハウスに居酒屋もあれば回転寿司もある。またタイ料理店の中にも、寿司や天ぷらといった日本料理をメニューに取り入れる店が現れ出した。
毎年100万人もの日本人が訪れ、在住者数もすでに3万人以上。この状況を考えれば無理からぬ話ではある。日本人が増えて日本食の店も増えれば、タイ人だって日本食に興味をもつだろう。折しも世界的なヘルシーブーム。欧米でも日本食の人気は急上昇なのだ。国際都市バンコクにその情報が入らないはずはない。かくして、今回の日本食ブームは、地元タイ人をも巻き込んだ本格的ブームとなりそうな気配なのである。ちなみに、日本料理『花屋』の店長によると、今回、地元タイ人にウケているのは「サバ・ステーキ」。文字どおり、サバを鉄板で焼いたものだ。日本人にとっての庶民の味が、ここバンコクではちょっとお洒落な料理に変身している。
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今日は屋台で50バーツの食事明日は200バーツの日本食外食好きなタイ人パワー
ランチタイムともなればいつもタイ人の行列ができるという『Fuji
Restaurant』。バンコク市内の各ファッションビルにすでに10店舗をチェーン展開する人気の日本料理店だが、この店での「サバ・ステーキ・セット」の価格は200バーツ。「Fuji弁当セット・150バーツ」、「寿司セット・120バーツ」。屋台なら、麺類で20バーツ前後、ご飯物なら20〜50バーツ。大衆食堂でも30〜50バーツといったところだ。だが何もこのレストランが特別に高いわけではない。ランチで100バーツ以上、ディナーで200バーツ以上は、ごく普通のレストラン価格。1バーツ 3・5円(今年1月現在)だから、日本円に換算すると、200バーツは約700円。日本でならかなりリーズナブルな客単価なのだが、果たしてバンコクではどうなのだろう。
外務省に問い合わせても「格差があり過ぎて平均収入は不明」とのことだが、法定最低日給が162バーツ。大学進学率が1割という中での大卒公務員の月給でさえ、6000〜7000バーツ程度。おそらく一般のタイ人にとって200バーツという値段は、決して”リーズナブル“ではないはずだ。
それでも『Fuji—』の前には、裕福そうなビジネスマンや家族連れから、ごく普通のOLや女子高生まで多くのタイ人が詰めかけている。さすが、3食外食も当たり前の外食天国。ブームの底力とともに、食に対するパワーを感じる
9、カオサンロードそばの人気屋台。通称「20バーツラーメンのおばちゃんとこ」。世界中の旅行者が出会い、情報交換する場のひとつだ 10、日本企業が多い地区の、タニア通りというナイトスホット裏の屋台。夜は怪しげな日本語のネオンがきらめく 11、タイ名物ドリアン。シーズンは暑期〜雨期にかけての一時期。数種類あり値段もそれぞれ違う 12、スープヌードルとオムレツ。共に20バーツ13、カオサンロードそばの大衆食堂。欧米人バックパッカーの利用が多い。洒落っ気も何もない気さくな姉さんたちだが、驚くほど英語がペラペラだ 14、フライドベジタブル&スープ。具はほどんど変わらない。野菜の種類と肉(牛肉か鶏肉)が違うだけだが、けっこうイケる。共に20バーツ 15、地元タイ人も行列を作るほど人気屋台の「おかゆ」。具は、肉だんご、豚レバー、鶏のモツ肝。卵入りが25バーツで卵なしが20バーツ 16、通称「10バーツバミー」。日本のラーメンと同じ黄色い麺のバミー、白い米の麺のセンミーから麺を選んで作ってもらう。自家製ワンタンもあり、すべて10バーツ(35円)! 氷入り水が1バーツ、ソフトドリンク6バーツ。驚きの格安屋台だ |
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