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 今月の特集焼酎ブーム来る!』(3/3)面
-本格焼酎の魅力と将来性を探る-
今月の特集キーワード  
  安酒のイメージを払拭した第1次焼酎ブーム 1面
  ホワイトリカーと本格焼酎&泡盛の違い 1面
  業態を問わず本格焼酎の充実したお店が続々出現 2面
  多種多彩な品ぞろえで良心的なメーカーを世に送り出し、焼酎ファンを育てたい 2面
  造り手の意欲と創意工夫がダイレクトに反映し今の焼酎ブームを呼んだ 3面
  本格焼酎は食前・食中・食後酒としても楽しめる数少ない酒 3面

鹿児島産本格焼酎の情報通、さつまいもの館主任の椨 昌治さん
かごしま遊楽館
●東京都千代田区有楽町1-6-4 千代田ビル レストラン遊食菜彩いちにいさん
●03(3501)7035
●営業11時〜22時30分(平日)
   11時〜21時30分(日祝) 休日:年中無休
さつまいもの館(特産物販売コーナー)
●03(3580)8821
●営業10時〜20時(平日)
   10時〜19時(土日祝) 休日:年中無休
ドリンクプライス
芋 島美人300円 芋 村尾600円
芋 伊佐美600円 芋 森伊蔵800円
麦 おつだね300円 麦 神の河350円
黒 奄美350円 利き焼酎セット680円
幻の焼酎コース;森伊蔵,伊佐美,村尾1500円
造り手の意欲と創意工夫がダイレクトに反映し今の焼酎ブームを呼んだ
 「蔵元の世代交代が進み、若い当主が消費者の嗜好にあった焼酎づくりに取り組んできたことが、今の本格焼酎ブームを呼んだ」と言うのは、鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」にある特産物販売コーナー「さつまいもの館」主任の椨昌治さんだ。
鹿児島産の100種類以上の本格焼酎が並ぶさつまいもの館
 店内には県の特産品が所狭しと並ぶが、最も広いスペースをさいて陳列しているのは、やはり鹿児島本格焼酎。鹿児島県の96市町村にはそれぞれ焼酎メーカーがあり、全体数で106社。焼酎コーナーではそれらのメーカーの主要な焼酎のほとんどを取り扱っている。

「『富乃宝山』を筆頭に、『吉兆宝山』『天使の誘惑』など、次々にヒット商品を出してきた(株)西酒造の専務は若干29歳の若さ。原料の風味を残しながら、清酒の吟醸酒に近い味わいの焼酎は、業界全体に大きな影響を与えました。各メーカーが全国マーケットを視野に入れ、酒づくりに創意工夫を凝らすようになったのは7、8年ほど前からです」
 九州地方の焼酎の中でも、鹿児島県のいも焼酎は、独得の雑味と強い風味があり、県外の消費者からは敬遠されがちな存在だった。当然、各メーカーも地元志向の体質が強い。これに対して、若く意欲的な当主たちは、積極的なマーケティングを行って既存の製造法を改め、ボトルやラベルのデザインにも工夫を凝らし、積極的な販路拡大に努めてきた。こういった動きが九州地方のメーカー全体を牽引し、ブームを呼ぶ要因になったのである。
「かごしま遊楽館」は有楽町駅に近いビジネス街にあり、焼酎を買い求めるのは休憩時間を利用したり、勤め帰りに立ち寄るサラリーマンやOLが多い。「森伊蔵」や「伊佐美」の限定品発売日には、開店前から行列ができる。
酒販店ではなかなか手に入りにくい「島美人」「伊佐錦」も
「この頃は入門編として購入される飲食店経営のお客様が多くなりました。お店で出す焼酎は、ご自身が納得されることがいちばんですから、好みをお聞きして、色々と飲み比べてみるようにお勧めしています」
さつまいもの館推奨の「いも焼酎」1580円。関東をターゲットにした古甕仕込みの上品な味わい
 平成7年の開店以来、焼酎の売り上げは順調に右上がり。またその好調ぶりを端的に映しているのが、館内2階にあるレストラン「いちにいさん」だろう。同店のフードは鹿児島産黒豚のロースステーキやしゃぶしゃぶ、生姜焼き、角煮などがメイン。

 本格焼酎は約60種類を用意し、「伊佐錦」「島美人」クラスがグラス300円、「富乃宝山」500円、「森伊蔵」800円とリーズナブルに提供している。この手頃なドリンク価格と黒豚料理が楽しめるとあって、平日でも予約なしでは席を確保できないほどの盛況ぶり。
 経営母体の鹿児島県では同店の成功を弾みに、平成10年に、地元・鹿児島市に同じスタイルの店を逆上陸。今年4月には2号店を銀座にオープンさせた。鹿児島県観光物産課長の西井上誠さんは、「県が経営している安心感や、産地直送の食材が高く評価されたこともあるが、やはり本格焼酎人気が後押しとなった」と語る。


3階の工芸品ギャラリーでは黒ぢょかの販売も行っている
本格焼酎は食前・食中・食後酒としても楽しめる数少ない酒
 現在の本格焼酎ブームは一過性のものではなく、いずれはビールや清酒と肩を並べて定着するという意見が多く聞かれた。その理由としては、ウイスキーやバーボンと同類の蒸留酒でありながら、食前・食中・食後を通して楽しめる酒であること。また、蔵元全体が消費者に焦点を当てた酒づくりに切磋琢磨しており、さらに質の高い本格焼酎が登場する可能性があること。さらに最近の研究では、ワインの約1・5倍の血栓溶解酵素が含まれていることが分かっており、健康面からの訴求もしやすい。

これもブームの一つの裏付け
本格焼酎&泡盛の専門誌『焼酎楽園』発刊!
昨年の春、本格焼酎&泡盛の情報を網羅した『焼酎楽園』が(有)金羊社から発刊。
古今の焼酎のうんちくから、蔵元探訪、焼酎に合う料理のレシピ、取次ぎ酒販店、限定蔵出し情報などが満載。
お近くの書店で手に入りにくい場合は定期講読をオススメ。年2回発行。

 お問い合わせ
 〒162−0825
 東京都新宿区神楽坂5-8
 恵比寿亭ビル302
 03(3268)9808
 日本酒と言えば清酒を指すように、これまで陰に隠れて来た本格焼酎が、いよいよ本領発揮の時代が来たのかもしれない。多種多彩な主原料の中から、あるいは関心のある蔵元の本格焼酎を1、2種セレクトし、自分自身が深く味わってみることから始めてみたらいかがだろうか。
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