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今月の特集 大人気カフェの業態の実態を探る (3/3)面
人気のカフェに学ぶ!最新飲食業態スタイル
今月の特集キーワード  
  20世紀の初め、銀座に出現した「カフェ」は文化人の溜まり場だった 1面
  そこは情報&流行発信基地。カフェが街の空気を創り次代のトレンドを生む? 1面
  広々としてくつろげる居間、ハーブの香り漂う庭。自宅では実現できぬ 空間をカフェで「持つ」幸せ 1面
  きどってもいない、だけど庶民的でもない。無国籍の「カフェめし」 1面
  メタリックな近未来空間で味わうアジアンテイスト「抹茶」vs「チーズケーキ」というミスマッチの楽しさ 2面
  目的は一つではない……デザイナー・建築家・雑貨ショッププロデュースの「インショップカフェ」 2面
  求めるライフスタイルを擬似生活体験の場「カフェ」に求める人々 2面
  客のあり方はいろいろ。何をしても絵になる。「人」もカフェを創る一要素だ 2面
  「五感を刺激する」ために現代人はカフェに集う 3面
  カジュアルでスタイリッシュな「非日常空間」をプロデュースしてみよう 3面

青山のデザイナーズショップが建ち並ぶ、落ち着いた街並みの中で小さな看板を発見。引き込まれるようにビルに足を踏み入れると、ガーデンの入口が……
フレッシュハーブでれた「ハーブティー・800円」をガーデンで楽しむ贅沢を味わえるのもカフェならでは
 「五感を刺激する」ために現代人はカフェに集う
 現在のカフェ事情であるが、「時代の先端を行く人々が好む・集う場所」という観点からすれば、草創期のカフェと本質的に変わりはない。人々は、五感を刺激してくれる、こだわりのあるカフェに、自分が「ありたい」「いたい」空間を求めてやって来るのだ。
 そんな、トレンド・キャッチャーたちに敏感に反応し、また新たなフード、空間を生み出していっているのが現代のカフェなのである。
 店内では、こだわりのインテリアや絵、器を眺め、ジャズや、ヒーリング音楽、人々が語らうざわめきを聴き、かぐわしいコーヒーやベーカリーカフェから漂ってくる香ばしいパンの香りを嗅ぎ、肌でその店の「空気」を感じ、こだわりの「カフェめし」を味わい、家では実現できない「憧れの生活」を五感で体験するのである。

 カジュアルでスタイリッシュな「非日常空間」をプロデュースしてみよう 
 忙しい毎日を送る現代人が求めているのは、職場や世情から離れ、くつろいで、しかもできるだけ安価に飲食を楽しめる「プライベート空間」。
 安価に家で、となれば中食産業の出番だ。コンビニやデパ地下のお弁当などで代替えすることはできる。だが21世紀の、個を大切にし、ライフスタイルや、ファッションなどすべてにこだわりのある「質の高い消費者」はプラスアルファを追求するものなのだ。
「ピッツァ・マルゲリータ・1200円」。バジルの香り高い一品。英国風ガーデンで味わうイタリアンテイスト。こんなミスマッチな喜びを味わえるのも、カフェのメリットだ
 そこで、飲食店に理想の空間を求めたくなる。だが、既存の業態の飲食店は、彼らの五感を満足させない。喫茶店はフードメニューが貧弱、きちんとしたレストランは値段が高くつくし、蕎麦屋や寿司屋はアイドルタイムが長すぎる。
 居酒屋やスナックは、アルコールに重点が置かれすぎているし、ファミリーレストランやファストフード店では、マニュアル化されすぎていて心が満たされない。
 カフェが集客できている理由はそれらの業態のメリットを吸収し、デメリットを排除しているところにある。
「ベリージェリー・800円」。ベリーがおいしい季節に合わせた、季節感あふれるデザート
 緑を眺めながら飲む淹れたてのコーヒー、栄養のバランスが取れたフードメニュー、ソファでくつろぐ居間、心和ませる雑貨や食器類、強制されない時間帯。感性と行動力に健けた現代人の求めるすべてのアイテムを用意し、五感に直接働きかけるのがカフェの戦略。その「こだわり」は客を選ばず、「本物感」、「高級感」はあるが、スノッブで形式ばった感じはない。
ドレスアップして肩肘張って出かけて行かなくても、受け入れてくれるカジュアルでスタイリッシュな空間。そんな懐の深さがカフェにはある。
 カフェを称賛しているわけではないが、流行業態としての「カフェ」を見る限り、学ぶべきところはある。ランチタイム、ディナータイムの間にカフェタイムを設けるなど、レストランでも導入しているところは多い。しかし、その時間に軽食を提供したり、夜間をバータイムにしてみたりと工夫の仕方はいくらでもある。
 コーヒーや紅茶も味を見直し、フレーバーを加えるだけで、ワンランク上のラインナップができるはず。カフェの持つアイテムを取り入れ、あなたの店を「カフェを超える店」にリ・プロデュースしてみてはどうだろう。
晴れた日の午後にはさんさんと降り注ぐ自然光の下で、ティーを楽しめる
「ハウエル・ガーデン」に入ると秘密の花園を発見したような喜びが味わえる。春から夏は、特にハーブが元気な季節。ふと足もとを見るとカタツムリやアリがいる。蜂や蝶も飛び交い、時にカエルが顔を見せることも。
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