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●売れる店を具現化するポイントはココ!
その店独自のテーマ性をもった美味しさを訴求
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レストラン業態でのテイクアウトニーズの最大のものはオフィス街などにおけるランチタイムの需要。限られた時間内に集中する昼食需要に対し、飲食店の提供する席数は相当に不足しているのが実状。その分がテイクアウトニーズとして期待できる。ただ、競争も激しく、同業だけでなくさまざまな異業態とも取り合いを演じることになる。
そこで、テイクアウトを始める前に、商圏内の競合状況を観察し、客層、売れ筋の価値、商品の傾向と対策、販売状況、売上規模などを調査したい。そのうえで、自店の商品戦略を構築することがテイクアウト商戦に勝ち抜くための第一歩だ。
自店はどんなタイプ? その存在意義を判断しよう
テイクアウト市場も大きく分けて2つがある。一つは来店頻度の高い日常食をターゲットにした市場で、もう一つはレストランの味を持ち帰る市場だ。その店のタイプでどちらに参入するかが決まってくる。日常食の店は立地条件が大きくものを言う。オフィス街でランチ需要に対応できるもの、近郊の駅から徒歩圏にある生活道路沿いだ。
また、レストランの味を持ち帰る市場に参入するには顧客の店舗へのロイヤルティが必要になってくる。ここの料理を友人に食べさせたいという思いや、ちょっとしたぜいたくという心理がこの市場を支えている。日常食市場は競争が激化しているだけに、ロイヤルティを感じさせる商品づくりをすれば、効果
は大きい。ニューズデリも、ミクニズカフェもこの2つの市場を意識した展開となっている。
ランチ商戦は調理人がワゴン販売に立とう
ランチ商戦は瞬発力が勝負。短時間に売りまくるためには店頭でのワゴン販売が最強の手段となる。そのときのポイントは陳列量
を多くすること。極端に言えば、下のほうはダミーでもいいから大量陳列をしよう。これだけ並んでいるのだから売れている。売れているからなにか魅力があるはず、という連想を誘うことが売り上げにつながる。
また、販売係は必ず白衣などを着て、調理人の姿で対応すること。調理人が作ったお弁当というイメージを打ち出そう。
ランチタイムは少品種大量陳列で売りまくろう
ランチタイムはテイクアウト商品が散発的に紛れ込むとオペレーションを混乱させる原因になる。品数 食事を充実させるためにサイド商品を揃えるのも効果
的だ。メインのお弁当は少品種でもサイド商品が充実していれば、バラエティ豊か。時間がない客にはあちこちと買い回りをせずに、ワンストップですべて調達できるという利便性もプラスアルファの要素になるだろう。
調理30分後にもおいしいか試作でチェック
料理にはそれを楽しむベストコンディションがある。テイクアウトでは味の変化、物性の変化による味・食感の低下、品質劣化が考えられる。どのような商品でも必ず試作を行い、きちんとパッケージングをし、少なくとも製造から30分常温に置いた状態での試食評価が大切だ。試食してみれば、冷めたら味が濃いとか、食感がよくないとか、生野菜がぱりっとしていないとか、さまざまな問題が発見できる。
どんなパッケージを選ぶか?
美味しさも使いやすさも大きく違う
パッケージ機能も重要なポイント。たとえば、カレーライスのテイクアウトなら、イートインと同じように、ライスの上にカレーがかかっていたのでは美味しさは望めない。ライスとカレーソースは別
盛りの方がよく、ポケット(小間取り)の設計もそれに合わせる。同様に考えれば、スパゲティや中華あんかけ焼きそばなども麺と具材を別
盛り設計すれば客席での状態にかなり近づけることができる。
また、テイクアウトパッケージは、ポケットの設計によって、使い勝手が左右される。避けて欲しいのは大きなポケットに多種類の料理を盛り込むスタイル。これは盛り付ける人によって量
に差が出るし、テイクアウトの場合は移動中にポケット内のものが動き、片寄ってしまうことも少なくない。
なお、新しい売り方として単品売りを提案するのも一考だ。主菜、副菜など食事を構成するパーツをすべてバラ売りする方式だ。バラで売った方がパッケージコストも浮くし、選択の自由度も格段に高くなる。ライスも大・中・小と量
目を変えることで、さらに顧客ニーズにフィットする。
パートオーダー調理で出来立てのよさをアピールする
調理システムは、事前製造による方法と、オーダー製造をする場合、およびその混合方式がある。
ランチ商戦の場合、ピークが短時間だから事前製造を選びたいところだが、リピート率を高くしたいならあまり勧められない。
一方、オーダー製造の場合は、利用客にとって出来たてが手に入る満足感があるため、商品価値が高くなる。ただ、注文が殺到したときの処理能力が不足し、混乱をきたす可能性も考えられる。
これらを解消する方法として考えられるのがパートオーダー製造の方式だ。商品の大部分は事前製造をしておき、オーダー後に最後のパートを調理する。弁当タイプのものなら、メインディッシュだけをオーダー調理し、用意されたパッケージに盛り込む。ユーザーにとって満足度の高いシステムだ。
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