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葉に深い切れ込みがあるのが特徴のみず菜は、
江戸時代の書物「雍州府誌」に東寺や九条辺りで栽培されていた記録があり、
江戸時代以前から京都を中心に栽培されてきたものと考えられている。
京都のみず菜は千筋京みず菜ともいわれ、葉柄が繊細で細く白く、
葉の緑とのコントラストが実に美しい野菜。 一株で4Kgを超えるような大きなものが多かったが、
最近では小株のうちに早取りされた小袋みず菜が人気を呼んでいる。
軟らかく、かつシャキシャキとした歯ざわりのみず菜は、鍋ものはもちろん、
サラダ感覚で周年味わえる現在の京野菜の代表である。 |
1800年代にみず菜の自然交雑で出来たといわれる壬生菜は、
現在の中京区・壬生寺付近で多く作られていた。 葉が細長くヘラのような形をしているのが特徴。
元は大株だったが、みず菜同様最近では、小株での周年出荷が多くなってきている。
ほんのり辛子の香があって、昔から京漬物の中でも千枚漬けに添えられ、高級品として扱われてきた。
油揚げとの煮物はもちろん、サッとゆがいての和物、サラダなど用途が豊富な京野菜。
ビタミンCや食物繊維が豊富なことも壬生菜の特徴だ。 |
葉の内部のぬめりが、ネギ本来の甘味と軟らかさの秘密である九条ねぎ。
京都でのネギ栽培の歴史はきわめて古く、約1300年前の和銅年間に導入されたとの記録がある。九条ねぎは日本の葉ねぎ(青葱)の代表品種で、関東には根深ねぎ(白葱)がある。古くから、京都市南区の九条辺りで栽培されていたのが命名の由来。
白葱と違い、緑の葉にはカロチンやビタミンBを多く含んでいる。九条ねぎをふんだんに入れた温かい味噌汁は、風の妙薬といわれる。
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伏見とうがらしは、1684年の「雍州府誌」に 「山城の国、伏見辺りで作られたものが有名」と記載されており、
かなり古くから伏見付近を中心に栽培されてきたものと思われる。
別名「ひもとう」ともいわれるように、とうがらしの中では最も細長い品種で20cm位
になるものも。
京都では家庭菜園で作っている農家も多く、焼き物、炒め物、煮物など実だけではなく葉まで
「きごしょう」といって佃煮にして食べるという重宝な野菜だった。
食物繊維、カルシウム、ビタミンCなど豊富な夏バテ解消野菜。 |
舞鶴生まれの京野菜「万願寺とうがらし」は、 大正末期、伏見とうがらしとカリフォルニア・ワンダーという大型とうがらしが交雑してできたのではないかといわれている。
とうがらしの王様ともいえる大きさを持ちながら、 果肉は軟らかく甘味があり、かつ、種が少なく食べやすいことが特徴。
これほど美味しいとうがらしが、京都市場に出回るようになったのはまだ15年位前。
味の良さと形の面白さが次第に浸透して、人気急上昇中の新しい京野菜だ。 |
日本一の品質を誇る「丹波黒大豆」から生まれた黒大豆のえだまめ「紫ずきん」。
豆の薄皮が薄紫色をしていることや、豆の形が頭巾のようであることから名付けられ、
平成7年から京都の特産品としてデビュ−した新進気鋭の京のブランド産品だ。
丹波地方の農家の間では、「祭りのえだまめ」として、昔から親しまれてきた。
粒が大きく、コクがあって甘味たっぷりの抜群に美味しい秋のえだまめ「紫ずきん」。
えだまめとしてだけでなく、えだまめごはん、サラダ、天ぷらなどに調理できる。 |
茄子は昔から縁起の良いものとされてきました。
それは、ナスは成すと同音で、物事を成し遂げるという願いにつながると考えられたからとか。
京都の賀茂なすは、江戸時代、「ナスには紫茄、黄茄、白茄色々あるが紫茄が良い。
形は又、細長い長茄などあるが、風味円大な洛東河原(現在の左京区吉田、田中辺り)のものが最高である」
と書物に記されている。その種が上賀茂の人たちによって 、大切に育てられたのが現在の賀茂なす。
ガクの下が真っ白で、ずっしりと重いことも京の賀茂なすの特徴。
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1865年ごろ山科で誕生し、明治時代には特産として数多く栽培されていたという京山科なす。
しかし、果皮が薄いため傷つきやすく、栽培が難しいことから、最近ではほとんど姿を消していた。
府農業総合研究所などが収穫量アップに向けて栽培技術を開発し、ブランド品として再デビューさせた。
すでに、京ブランドとして定着している大型の「賀茂なす」よりも小さく、
一般に広く流通している「千両なす」に比べると首が太いポッチャリ型。
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1654年、宇治黄檗山万福寺に明国の僧・隠元が孟宗竹の母竹を携えて来日し、
これが西山の麓一帯に定着したという説と、唐に渡っていた禅僧が持ち帰り、
長岡京市の奥海印寺辺りに植えたのが広まったとの2説がある。 えぐみがなく、軟らかく甘味がある日本一の誉れ高い京たけのこは、
並々ならぬ栽培農家のたけのこ畑管理から生まれる。
施肥、土入れ、親竹の間伐など、すべて農家の手作業で行われる。 |
京の伝統野菜にはユニ−クなものが多いが、堀川ごぼうはその最たるものの一つ。
松の根っこのような、このゴボウを見てこれが野菜と気付く人は少ない。
豊臣政権が崩壊して、秀吉の贅を尽くした聚楽第が取り壊され、周りの堀が住民たちのゴミで埋められていくうち、ゴミの一つとして捨てられたゴボウが巨大なゴボウに生長し、今日に受け継がれてきたという堀川ごぼう。ゴミと言っても昔のことなのでビニ−ルや化学物質はなく、有機栽培と考えれば納得がいく。
繊維が軟らかく、味が芯まで沁みわたる堀川ごぼうは、ビタミンCやミネラルが豊富で、
血液を浄化する作用も持つ。 |
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