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「つくねいも」ともいわれる「やまのいも」は、古くから京都府の北部、宮津市の栗田地域で栽培されてきた。
水はけが良く、かつ、常時適度の湿りがあるという「いも地」で育てられたやまのいも。
肉質が締まり、水分が少なく、粘りが大変強い宮津の「やまのいも」は、高級贈答品としても評価されている。やまのいもは、滋養強壮に役立つといわれる位
ヘルシ−野菜の代表格。
皮をむいて、摺り鉢で根気よく摺り、鰹だしで薄めると、きめの細かい最高の「とろろ」が出来上がる。とろろ汁に山かけ丼、京都では饅頭などお菓子の材料としても重宝されてきた食材だ。
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秀吉の時代、冬の切り花として伏見寒咲なたねが栽培されていたそうが、
何時しかその花が蕾だけ摘み取られて食用として供されるようになった。
心地よい歯応えと、独特の辛味を持ち、春ならではの胃袋だけでなく心まで満たしてくれる旬の食材。
もう一つ特記すべきは花菜の栄養価。緑黄色野菜の王様のようなブロッコリ−よりもβカロチンやカルシウムが約3倍多く含まれているという。
古くから伝わる花菜の漬物「菜の花漬け」も、春ならではの京漬物として一般
的になっている。 |
京良い芽が出ますように」との願いを込めて、
京都のおせち料理に欠かせないのが「くわい」。
漢字では慈姑と書く。かつて、くわいの産地は、京都市南区の東寺の周辺だった。この辺りは標高が低く、昔から井戸を掘ればすぐ水が湧きだす低湿地であったため、くわい作りに適していたという。
昔は染料の藍の裏作としてたくさん作られていたそうですが、 人造藍の出現や農地の減少により市内ではほとんど作られなくなった。
現代は京都府最南端の南山城村で細々と栽培が続けられているのが現状。
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大きく真ん丸な聖護院だいこんは、元は長大根だったとか。
170年位前に、尾張の国から奉納された大根を、 京都の篤農家が聖護院辺りで栽培するうちに、丸い大根になった。
苦みがなくほんのり甘味さえある聖護院だいこんは、長時間炊いても煮崩れせず、
とろけるような味わいになるのが特徴。 |
つぶが大きくて色艶が良く、独特の香があるのが京都の小豆「京都大納言小豆」。
京都府の中南部、口丹地域といわれる亀岡盆地から船井郡辺りが、
気象や土壌に恵まれ、古くから高品質の小豆を生み出す産地となってきた。
武士は腹を切ることがあるが、公家である大納言は切腹をしないことから、煮ても皮が切れない小豆のことを別
名・大納言とも呼んできた。
京菓子等、最高の品質を求められる京都の高級菓子づくりのなかで、さらに選抜され研かれ、京都大納言小豆は日本一の座を守り続けている。
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左京区鹿ヶ谷・安楽寺の「かぼちゃ供養」は、約300年前から続いているという。
江戸時代、東北旅行の土産に持ち帰られた菊かぼちゃが栽培されるうち、
突然変異でひょうたん型になったという鹿ヶ谷かぼちゃ。
明治時代中頃は、京都で食べられるかぼちゃのほとんどが鹿ヶ谷かぼちゃだったという。
現在では鹿ヶ谷付近でこのかぼちゃを栽培する人は少なく、京都府中部の綾部市が主産地。
「かぼちゃ供養」は中風封じのご利益があるとか。 |
「京にんじん」ともいわれ、京野菜の代表のように思われているが、正確には明治以前から京都が主産地で栽培していたという史実はなく、京の伝統野菜には含まれていない。
しかし、京料理に欠かせない彩りとして古くから用いられてきた。
特に京都で栽培された人参は同じ金時にんじんでも、軟らかくかつ芯まで真っ赤であることが特徴。
金時にんじんの紅は、リコピンを多く含み、最近特にガンを予防する効果
が高いことが評価されている。
金時人参は生えにくく、厚めに種をまいて間引くのが栽培の特徴だが、その間引き菜も「にんじん葉」として流通
し、多くの人に好まれている。 |
栗といえば丹波栗、日本一の栗の代名詞のようにいわれている。
丹波くりは、京の伝統野菜以上ともいえる歴史をもつ京都の秋を代表する味覚。
亀岡から、船井郡、綾部や福知山、夜久野辺りまでを丹波地方というが、
丹波の栗は古くから献上物として都に運ばれるとともに、江戸時代には年貢米の替わりとしても上納されてきた。
それゆえに、生産者の研究心も強く、時代時代に品種の選定や熱心な栽培技術の改良がなされてきたのだ。
丹波栗は一つの品種ではなく、農家の努力と丹波の風土・気象条件が生み出したものである。
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京都の黒豆・新丹波黒大豆は大粒でシワがなく、煮炊きしても形崩れしないのが特徴。
古い都々逸にも「丹波の丹波黒は色は黒でも味が良い」とうたわれ、
古くからその美味しさが全国に浸透していた。
栽培の起こりは定かではないが、 おそらく江戸時代頃からこの地で栽培されてきたのであろうといわれている。
夏の昼夜の温度差と、秋の霧が黒豆を大きくゆっくり熟成させているのだと推測されている。
日本一といわれる新丹波黒大豆はカルシウムやビタミン、蛋白質を多く含む健康食品だ。
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2000年に認定された一番新しい21番目の「京のブランド産品」。果
物の同ブランド認定は初めて。
「京たんご梨」は、丹後国営開発農地(久美浜町、網野町)で栽培された梨のうち、JA京都丹後の久美浜果
樹選果場で、光センサーを使い糖度が高いものを選別して出荷している。
甘くてみずみずしい味わいが特徴。 梨が収穫できる木は1991年前後に植えられたものが多く、
成長するに従い果実が増えるためこれから有名になると思われる。
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えびいもは、里芋の一種で、品種ではなく栽培方法の違いにより作り出されるもの。
安永年間(1772〜81)、平野屋「いもぼう」の祖先・平野権太夫が、青蓮院宮が長崎から持ち帰られた里芋の種を預かり、土入れをして丁寧に育てているうち、皮に縞がある大きなえびのような形をした芋が採れるようになり、
青蓮院宮が自ら「えびいも」と名付けられたとか。
肉質が緻密で煮込んでも形が崩れないのが特徴のえびいもは、 数ある伝統野菜の中でも最高のうま味を持つものの一つと言える。
棒だらと一緒に煮た「いもぼう」は、京都の料理店の名前だけでなく、古くから京都の代表的なおばんざいとして、各家庭で親しまれてきた。
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