フードリンクレポート

株式会社くふ楽 代表取締役 福原裕一
「心の大富豪」になって夢を叶えよう

04.06
3月21日に『「心の大富豪」になれば夢は叶う』を出版された、居酒屋「くふ楽」「福みみ」などを展開する株式会社くふ楽の福原社長にインタビュー。当初からアマゾンのビジネス書ランキングで第1位を獲得。福原氏の人財育成に熱中する生き方が共感を呼んでいる。

株式会社くふ楽 代表取締役 福原裕一
『「心の大富豪」になれば夢はかなう』を出版。

・全店が黒字経営。

33才で焼鳥屋を開き独立。6年で国内14店舗、カナダ1店舗を展開するまでになりました。しかも全店、本部費を除いて、約20%の営業利益を出しています。これまで人財育成に力を注いできた結果だと思います。

 

・きっかけは、ラーメン屋のバイト。

高校で野球に熱中していました。一時はプロを目指していたんですよ。ラーメン屋でバイトをしていました。そこでお客さまから「ありがとう」「おいしかった」と感謝される喜びを知りました。高校を卒業する時、母親に「ラーメン屋で働き続けたい」と言ったら、大反対。大手企業で正社員の道を選びました。花王の石鹸工場でラインオペレーターの仕事に就きました。

 

・藤田田にあこがれてマクドナルドへ。

花王で働いていた時に、藤田田さんの本を読みました。自分の力を試したい、いつか自分の会社を興したいと思っていた時です。意を決して、花王を辞め、日本マクドナルドに入社。ノウハウを学んで、独立しようと始めから考えてました。店舗でアシスタントマネージャーとして働きました。チームで1つの店を作り上げる楽しさを学びました。アルバイトを育て、チーム全体で1つの目標に向かう。人の成長にかかわることの楽しさを知りました。マクドナルドで学んだ仕組みは今も活用しています。

 

・25才で貿易の仕事に。しかし、借金だけが残る。

店舗で働いていたバングラディシュからの留学生と、「何かやりたい」と意気投合。バングラディシュの様々な商品を日本に輸入しようと考えたんです。しかし、世の中は甘くない。借金が5百万円に達し、2年間で止めました。昼間は、三井海上の保険外交員をしながら、夜はカラオケで働いて借金を返す毎日です。

 

・人生を変えた「地下鉄サリン事件」

30才直前でスノーボードで遊んでいた時に、骨折し入院してしまいました。入院中は暇なんで、あれこれ自分の人生を振り返る毎日。ある日、テレビのニュースで地下鉄サリン事件が流れてきました。「自分もいつ死ぬか分らない。でも、このままじゃ終わらせないぞ」と決意。

 

・焼鳥屋を選んだ。

理由は3つ。1つ目は、時間を気にせず、夢中になれる仕事。2つ目は、早く成功を手に入れられる仕事。3つ目は、日銭の入る仕事。千葉の焼鳥屋で2年間修行しました。

 

・女性や家族連れの来てくれる焼鳥屋を作った。

オーナーさんが支店を任せると言ってくれ、店長として働きました。サービスを変えて、今までの焼鳥屋にはいなかった女性や家族連れで繁盛するようになりました。誕生日にポラロイド撮影などもしました。何よりも、先を見通してお客の要望に気付くことが大切ですね。店で寝泊りし、1年3ヶ月で独立資金8百万円を貯めました。

 

くふ楽 銀座店

・デザイナーズ居酒屋で、1999年独立。

千葉・本八幡で「くふ楽」オープン。立地は悪いと人からは言われましたが、自信がありました。「サイゼリア」さんの発祥の地でもあり、縁起がいいんです。初月から予想通りの売上を達成しました。2ヶ月目から、既に2号店の店探しを始めてましたね。当時は、デザイナーズ居酒屋ブームの出始めの時期で、デザイナーにも恵まれ繁盛しました。

 

・仲間の夢を実現させてやりたい。

私の仲間になってくれる人々には、彼らの夢を実現させてやりたいです。うちのスタッフの1人は独立し、今や2店目を出店しています。今から思えば、「くふ楽」にいるともっと大きな夢を見られるという環境を作れてなかったんですね。今は2人目の独立候補者が準備中です。

 

・学習塾も2店経営。

人生で成功するための条件を書き記したスティーブン・コヴィー博士「7つの習慣」に共感しています。この考え方を子供の教育に取り入れている「ITTO個別指導学院」の加盟店として2店経営しています。子供が引き起こした殺人事件を見て、子供のころからの教育の大切さを実感し、始めました。

 

・上場より、将来の幸せを求めたい。

外食ならどこに出店しても勝てる自信があります。昨年までは年に2〜3店のペースで出店して来ましたが、今年の前半はストップしています。今のスタッフが自立してくれるための研修期間です。今後は、人の成長や幸せにかかわるビジネスをやりたい。

 

・大切なのは、心の自立=「心の大富豪」

「店を持つことが夢です」と人はよく言います。本当でしょうか?金儲けのためや、自分が好き勝手できそうだからではないでしょうか。しかし、自分のやりたいようにやっていればスタッフは付いては来ません。また、スキルだけ与えればスタッフは伸びる訳ではありません。心の部分が自立していないとだめなんです。社内スタッフが光輝いてもらうことが、自分の喜びです。

 

<安田の感想>

外食の経営者に多い、自分が先頭に立って旗を振ってスタッフを引っ張っていくというタイプではありません。新鮮でした。私もスタッフに自立してもらいたいと常々考えていますが、正直言って、上手くは行ってません。「同じ時間を共有する」ことが信頼関係を築き自立に繋がるとの福原さんの指摘。私もトライしてみます。

 

福原裕一(ふくはら ゆういち)


1965年神奈川県横浜市生まれ。
首都圏にて外食・教育事業を経営。株式会社くふ楽、バリューホスピタリティーズ(カナダ)、有限会社ハッピー&サンクス代表。人財育成に関する独自の取り組みが評価され、外食に限らず、セミナーや経営相談を開催中。20063月にゴマブックスから『「心の大富豪」になれば夢は叶う』を出版。

株式会社くふ楽グループ http://www.kuuraku.co.jp/
社長ブログ http://ameblo.jp/kuuraku/

インタビュー 安田正明 2006年3月24日