・「一茶一坐」は、カジュアルな茶芸館。
上海で28店展開している、現代的で、ファッショナブルで、カジュアルなカフェです。元々は台湾で生まれ、伝統的な茶芸館でしたが、2002年に上海で生まれ変わりました。クラシックなものを現代風にアレンジ。
客層は、キャリアウーマン、カップル、ファミリーと幅広い。年令も25〜40才。手の届くおしゃれな空間として人気です。
席数は130〜150席。最大の店は500席もあります。食事、会議、ラウンジなど様々なタイプの席を用意しています。
店内俯瞰
・「一茶一坐」との出会いは、縁でした。
「ニューズ・デリ」のプロデュースを担っておりました頃、中国で食器を作ろうとしていました。その際に相談していた中国人女性のお兄さんのご紹介により、上海で活躍していたトモ・リン氏の「一茶一坐」社長と知り合いとなり4年間のお付き合いとなりました。
そのトモ・リン氏が社長を務める「上海一茶一坐食飲有限公司」は中国の頂新グループが大株主です。頂新グループは、男兄弟4人で運営しています。長男はインスタントラーメン事業、次男はスーパーマーケット事業、三男は飲料事業、四男は飲食事業をそれぞれ担当しています。「一茶一坐」は次男の担当です。ハートランド(むつみ屋)さんも業務提携されていますが、そちらは四男の担当です。
昨年、日本でのライセンスを私が取得できました。
たまたま上海の新天地に誕生した1号店で日本人の女性が活躍していました。それが、中級茶芸師の国家資格を持つ間瀬由美子さんです。一緒に日本で「一茶一坐」を展開しましょうと、日本に帰ってきてもらいました。
左から、青島氏、間瀬氏、リン氏(渋谷開店に向けメニュー調整中)
・茶芸師は国家資格。
実技、知識、態度の3項目で試験されます。実技は、お茶の種類ごとに適した入れ方ができるか、きれいな動作でおいしく入れられるか。知識は、歴史や成分についてで、どういう時にどんなお茶を飲むと体に良いか、現代にクラシックなお茶をどう合わせるか。態度は、お茶に対する思い入れです。1週間〜10日間合宿し、最終日に試験があります。
高級、中級、初級の3つのランクがあります。高級は、茶芸館をどうやって経営するか、がポイントです。日本人の資格者は、高級で約10人、中級で約30人、初級は約50人います。
「茶芸員」という簡単な資格もあります。3日間の合宿で取得できます。但し、これは国家資格ではありません。
・「一茶一坐」の日本1号店は、8月に渋谷ロフト内に誕生。
「一茶一坐」では手間のかかる中国茶を簡単に手早く飲めるのが特徴です。従来の中国ではお茶をゆっくり時間をかけて楽しみますが、最近の上海ではカジュアルに飲むことがウケています。日本人にもぴったりです。
また、お茶の種類に合わせた茶器を使います。ウーロン茶は土色の陶器、プーアール茶は色の濃い陶器、紅茶は白い陶器。紅茶は元々、中国のものなんですよ。
作法はありません。しかし、優雅な動作で入れると楽しいです。
茶器。左から、紅茶用、プーアール茶用、ウーロン茶用
・ジャスミン茶とレモンティーのブレンドも。
お茶は15〜20種を用意。茶葉だけの販売も行います。お茶をブレンドしたドリンクも用意しています。茶葉を使ったアイスクリームもあります。
中国茶カクテルも美味しいですよ。プーアール茶&紹興酒、ウーロン茶&桂花陳酒なんかも用意します。お馴染みのウーロンハイも、凍頂ウーロン茶を使います。
一点紅(ジャスミン茶)
左からアイスライチティー、アイス愛玉ライムティー、アイスライムティー、アイスハイビスカスティー
・フードは「蒸す」がテーマ。
「上海カレー 野菜セイロ蒸し添え」、「一茶一坐カレー 海鮮のセイロ蒸し添え」など。蒸した野菜や、蒸したシーフードをカレーに付けて食べていただきます。健康志向に訴えます。ロンジン茶を使ったチャーハンも人気になりそうです。
「バオ」という小ぶりの鍋のような陶器を使います。下から固形燃料で温めます。1人鍋スタイル「バオ」として、新しいフードファッションを広めます。
蟹たっぷりの白い麻婆豆腐BAO
上海カレー 海鮮の蒸篭蒸し添え
豆腐花(黄=マンゴー、白=白桃、赤=イチゴ)ソース
・茶器や茶葉の販売も。
中国茶の文化から発想した、スタイリッシュでモダンで、見た目にかわいいオリジナル茶器も販売します。茶葉の種類は、上海よりも多めです。日本人に馴染みのあるウーロン茶を増やしました。
スタッフは日本人が中心ですが、中国人も2〜3人加える予定です。ユニフォームも現代風でカワイイですよ。
皆さん、是非、期待しててくださいね。
青島 邦彰(あおしま くにあき)
1970年4月
2003年9月に独立し、飲食店をプロデュースする株式会社クーニーズ・アソシエを設立。プロデュースに飽き足らず、2005年6月に「一茶一坐」の日本ライセンシーとなる会社、株式会社タスメイトを設立、2006年8月を皮切りに多店舗展開させる。
「一茶一坐」 http://www.chatea.cn/
取材 安田正明 2006年6月15日