フードリンクレポート

S1サーバー・グランプリを皮切りに外食元気策を続々提案!

フードビジネスボランティア団体「繁盛店への道」理事長
株式会社 柴田屋酒店 代表取締役社長
柴 泰宏

07.21
 第2回S1サーバー・グランプリの実施を決めた「繁盛店への道」柴理事長は、夢あふれる、兄弟思いの酒屋の社長でもある。元気で誇れる外食業界にするため、次々にユニークな提案を仕掛けようとしている。


柴 泰宏氏

「第1回S1サーバー・グランプリ」ご支援ありがとうございました。

 我々「繁盛店への道」は、昨年9月に発足したばかりなんですが、大きなことをやってみたいという思いだけで素人集団ながら突貫工事でやって来ました。

 本年4月19日に500人の方々に集まっていただき、決勝大会を迎えることができました。ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 外食業界の方々が同じように、サービスマンの地位向上を考えていらっしゃったと思います。たまたま、我々が具体的に行動を起こすことができました。

 優勝した佐々木尚美さんが働くタスコシステムさんでは、社内・社外で大々的に取り上げていただき、社員の士気が高まったと感謝され、本当に実行して良かったと感激しています。

 1ヶ月前に開催された「居酒屋甲子園」ともども、外食業界を元気にするイベントとして定着していけると良いです。



第2回は、大阪も巻き込みます。

 S1から外食のスターを発掘して、その周りから元気が広がっていく、エネルギーが日本中に広がるようにしたいです。

 第2回は、大阪の方々にも多数の参加をお願いしたいと思っています。7月24日の東京でのキックオフセミナーに加えて、28日には大阪でもセミナーを開催します。

 エントリーは1回目と同じく定員200名です。8月31日まで「繁盛店への道」ホームページで募集しています。お早めにエントリーして下さい。


 

「繁盛店への道」は、年6種の活動を目指す。

 S1を第一弾の活動として、本年は第2弾「フードスター誕生」という活動を行います。飲食店を開業したい方々からアイデアを集め、優勝者にはそのアイデアで実際に店を作ってもらおうという企画です。9月に具体的に発表の予定です。ご期待下さい。

 毎年1つずつ活動を増やして、1年間に6種の活動が出来るようにしたいです。2ヶ月に1度、全国規模の活動を続けていくことになります。東京だけでなく、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡などなど地方都市の方々も参加できるようにしたいです。活動の種類と、エリアの2つのベクトルを拡大します。

 大企業やベテランの方々だけでなく、個人経営や新人の方々、様々な人が外食業界を通じて元気になって欲しい。外食で働くことに誇りを持って欲しい。

 2店くらい持って、こじんまりとまとまる。「家も買ったし、これぐらいでいいかな」というような、あきらめと開き直りは寂しいです。志を高くし、可能性を広げて欲しい。やりようによってはチャンスがいっぱいある業界にしたいです。



 

日本一の酒屋になりたい。

 本業の柴田屋酒店は、東京・中野にある業務用酒販店です。ワインと輸入ビールが売り。

 大学卒業時に、酒屋を継ぐことを決めました。私で3代目になります。どうせ酒屋をやるなら日本一になりたい。そこで、当時日本一だった大阪の幸田という酒屋で働きたいと思い、門をたたきましたが断られ続け、ダメもとで社長に「日本一の酒屋になりたい。修行させて欲しい」と直談判し、ようやく働かせてもらいました。

 幸田さんは、北海道から九州まで支店を持ち、全国制覇していました。現在、大きな酒屋はありますが、全国制覇したところはありません。そこで3年間飲食店向けの営業として働きました。

 柴田屋酒店には13年前に入りました。当時、売上高7億5千万円、取引飲食店250店でした。現在は、売上高23億円、取引飲食店2000店に成長しました。

 飲食店が酒屋を決める時、約3社から見積りを取ります。ということは、東京で上位3社の酒屋にならないと見積りも出せない。さらに、3社の中に残れても、内1社しか勝てないわけです。このままではヤバイと思いましたね。

 東京で一番目立つ酒屋にならなければ勝ち目は無い、と気付きました。売上で勝つことは難しいんで、取り合えず、目立つことです。

 オンリーワンになりたい。売上ではありません。なんでこの世に生まれて来たのか、自分しかできないことは何か、を常に考えています。



「4・8の日」「こだわり通信」を始めました。

 柴田屋と取引すれば行列ができる店になると言われたい。そこで、飲食店を応援するための活動を3年前に始めました。

 「4・8(シバ)の日」は、毎月4日に試飲会、毎月8日に勉強会を行っています。既に各々36回実施しました。6月8日には、地ビール工場を訪問し、手作りビール体験を行いました。取引していない飲食店さんの参加も大歓迎です。

 「こだわり通信」は、飲食店の方々のためになる情報を集めて、手作りで冊子にして飲食店に配っています。毎月1回発行です。

 他の酒屋さんも飲食店を応援する活動を行ってらっしゃいます。しかし、毎月実行しているのは、日本で唯一と自負しています。

 情報に敏感で、すぐに取り入れたり、変化できる飲食店が生き残ります。その生き残りのための情報をどんどん提供します。




男ばかり3人兄弟で酒屋を継いでます。

長男の私が酒屋で修行し、次男はビール会社、三男が外食企業でそれぞれ修行させていただきました。3人とも同じ業界ながら、異なるチャネルで働いたわけです。

 3才ずつ違うんですが、仲良くやってます。言いたいことを言い合うのが、秘訣ですね。目標は柴田屋を日本一にすることで結束しています。

 目標は3年後に輸入ビールで日本一になり、5年後にワインで日本一になることです。10年後には、柴田屋を弟に渡し、私は世界から日本に新しい酒を紹介したり、日本酒を世界に紹介したりする仕事をしたいと思っています。

 私が先頭を切ってパイオニアになって、弟たちのために仕事を作っていく。それが私の役割だと思っています。


 

柴 泰宏(しば やすひろ)

1967年12月10日生まれ。大学卒業後、幸田で3年間修行。柴田屋酒店に戻り、2005年9月に代表取締役に就任。同、フードビジネスボランティア団体「繁盛店への道」理事長に就任。

柴田屋酒店 http://www.shibataya.co.jp/
「繁盛店への道」 http://www.hanjyoten.jp/index.html


取材 安田正明 2006年7月20日


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