元祖美唄（びばい）やきとりの店「福よし 銀座店」は北海道で80年余り伝統のある老舗、今回銀座に東京での第1号店をオープンさせた。コリドー街と外堀通りの間に位置し銀座、新橋、日比谷の各駅から行き易い好立地。

　同店を経営するのは有限会社エスパシオ（本社・北海道札幌市）。道内では「元祖美唄やきとりともつそばの店」を現在10店舗運営（直営5店舗/FC5店舗）している。物件が決まったのは７月で8月3日がプレオープン、26日にはグランドオープンというスピード出店。以前から構想にあった東京進出を実現させた。

　先日は新宿の京王百貨店での「大北海道展」にも出店するなど（9月1日〜８日で終了）店舗外での活動も積極的。催事の際は「美唄やきとり」の実演販売や空弁復刻版「美唄やきとりめし弁当」などの販売が話題となった。


店前。

　北海道美唄市は昔炭鉱街で炭鉱で働く人たちのスタミナ源として食べられたのが「美唄やきとり」の始まり。美唄市は「全国やきとり連絡協議会」による「全国７大やきとりの街」のひとつにもなっている。「美唄やきとり」は鶏肉・内臓肉・皮、各部位の間に玉葱をはさんで串で刺し、内臓肉は串ごとに素材が異なるという特徴的なもの。使用する内蔵肉の種類も店ごとにそれぞれでルールはない。「福よし」では「きんかん」「砂肝」「レバー」の中から１種類を串ごとに使用（１本180円）。その１種類はお客の側では選ぶことはできずお店にお任せというのが美唄やきとりのスタイル。東京では全く目新しい感じもするがそれもまた提供されるまでの楽しみとなる。

　鶏肉は北海道産の親鶏を使用し親鳥ならではの歯ごたえがたまらない。美唄の本店で串打ちし銀座に空輸している。それを店内の炭火で一本ずつ丁寧に焼きあげ、味付けは塩・コショウでシンプルに仕上げる。


美唄やきとり（3種）。

　やきとりと並んで看板メニューとなっているのが北海道産そば粉を使ったそば。太目で田舎そばのような味わいで鶏の出汁を使った濃い目の醤油味のつゆによく合う。人気はもつせいろそば750円、もつカレー南蛮そば680円。


鶏だしそば600円（焼とりなし）。

「福よし」では焼きとりをそばにのせて最後にいただくのが「福よし流」。最初はお客さま自身が残った焼きとりをそばにのせ、それにより「そばの味わいが変わって二度おいしい」と楽しんでいたものがいつしか、そばのために焼とりを残すようになり、それは食べ方のひとつとして定着した。


焼きとりをそばにのせていただく。

　モツは串で焼く以外にも「味噌ホルモンのワイン煮込み（680円）」や「特製コリコリメンチカツ（580円）」などでもいただける。「特製コリコリメンチカツ」は中にモツが鋳込まれその名の通りコリコリとした歯ごたえとさくさくとした挙げたての食感がどちらもたまらない。串だけでなく新鮮なモツを使用した幅広いオリジナルメニューラインナップはそれぞれ個性的で見逃せない。


特製コリコリメンチカツ　580円。

　飲み物でも北海道産のものが揃う。昆布焼酎「黄金譚」は北海道礼文島産の利尻昆布から作られたもの。じゃがいも焼酎「伍升譚」は北海道美瑛町のじゃがいもから作られ力強い味わい。既に有名となっているしそ焼酎の「鍛高譚」は北海道の白糠町産のしそを使用しその香りと爽やかな味が特徴。この３種は飲み比べセットとして680円でいただくことができる。ボトルでは各2800円（グラス各550円）。


北海道素材を使用した３種類の焼酎。

　デザートには北海道の名産品である果物を使用した「北海道産ハスカップソースのフルーツ白玉パフェ」や「夕張メロンづくしスィーツ」などもあり別腹で銀座のOLに好評。

　店前はガラス戸で、テーブル16席とカウンター6席がすぐに見渡せる。３つのボックス席は4-6名までで利用が可能。奥にはこあがりの6名卓と4名卓がある。こあがり部分はグループで半個室としてまとまって使うこともでき落ち着ける。


こあがり。


入口はいってすぐのテーブル席。


ボックス席。

　東京ではまだ馴染みのない「美唄やきとり」だが専門店のオープンにより焼とりの新しい食べ方と味わいを知ることができる。又「美唄」という地名もこれを機にさらに東京の人達に知られるきっかけとなるだろう。

【元祖北海道美唄やきとり 福よし 銀座店】

住所	東京都中央区銀座7-2-8　東建ビル1F
電話番号	03-3572-2944
営業時間	11:00〜14:00 17:00〜24:00（L.O.23:30）　＊金曜・祝前日は〜翌2:00（L.O.1:30）
定休日	日曜・祝日
客席数	50席
客単価	夜3,500円
目標月商	非公開
開店日	2010年8月26日
経営母体	有限会社エスパシオ