フードリンクレポート
猫と遊べる癒しスポット「猫カフェ」が人気急上昇!
「カールアップカフェ」 かわいい猫を見ていると心がなごんでくる
・ルーツは台湾、日本の1号店は2004年大阪で誕生した
猫カフェの源流は台湾にあり、喫茶店でお茶を飲みながら、猫を見たり触ったりしてくつろぐというコンセプトでオープンし、日本人の猫好きの間で話題になっていた。
特に1998年にオープンした台北市内の「猫花園」は十数匹の猫を飼い、顧客が自分の好きな猫を選べるので反響を呼び、日本からも観光客が訪れる名物店となった。現在、台北とその近郊に猫カフェは10軒ほどある。
また、日本では95年にオープンした世田谷・二子玉川の「ねこたま」が、2006年再開発のため閉園するまで、併設の「いぬたま」とともに、ペットと触れ合える猫専門動物園として人気を博した。現在は台場にある猫のテーマパーク「ねこたまキャッツリビン」が、後継となって盛業中である。
そうした前史を踏まえて、日本で最初にオープンした猫カフェが、04年大阪に誕生した「猫の時間」。当初はコンセプトが理解されず苦戦したが、天神橋筋の関西テレビのすぐ前にある立地が功を奏し、テレビの取材が入ったことで一躍、人気店となった。
「猫の時間」は家のリビングのようなくつろげる環境、1時間単位の時間料金制の導入によって、基本的に通常の喫茶店に猫がいるだけの台湾の猫カフェとは異なる、日本の猫カフェのスタイルをつくりだした。
翌05年には、関東初の猫カフェ、町田の「ねこのみせ」もほぼ同じ考え方で店づくりを行ったため、このスタイルが以降、定着することになる。
周知のように、喫茶店は単価の低い業態であり、ワンドリンクで長時間粘られると顧客が入って賑わっていても採算的に厳しい。実際、台湾では02〜03年頃、一時猫カフェがブームとなったが、採算が取れないので撤退した店も多いという。
そこで「猫の時間」や「ねこのみせ」は、顧客にとって第二の自分の家のような付加価値の高い店内環境を整えて、時間単位で料金を取る、ビジネスとして持続可能なシステムを考案した。
そして、07年3月にオープンした吉祥寺「きゃりこ」が、東京の住みたい街1位とされる吉祥寺にあったことでメディアへの露出が多く、この店が火付け役となって、猫カフェの知名度がアップ。08年1月オープンの秋葉原「ねこ・JaLaLa」オープンは、東京都心部初の店であり、秋葉原で活動するブロガーを通じて、猫カフェ流行の決定打になった。
では、具体的に猫カフェを訪問して、どのように営業しているのか、見ていくことにしよう。
「猫のまほう」 厚切りトースト チョコバージョン(600円)
全文(有料会員専用)の見出し
・託児所のような雰囲気を持った、猫カフェのパイオニア
・猫と過ごせるリビング風の休憩所を目指した2号店
・オタク文化を味方につけて秋葉原から猫カフェ発信
・全国に猫好きを増やすのを目標にFCチェーンを目指す
・キャットショー上位入賞の優美な猫とふれあえる店
・猫を愛する気持ちがなければ、やってはいけない業態
(写真全33点)
【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2008年6月27日執筆