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フードリンクレポート


<ライジングシェフ・シリーズ 10>
母親に料理を作った時の緊張感を語り続けたい。
内山 昭氏
株式会社ゼットン 取締役 総料理長 兼 営業副本部長

2008.7.16
外食業界の兄貴、稲本健一氏の率いるゼットン。6月に開店させた東京・日本橋で「ニホンバシイチノイチノイチ」で本格和食に挑戦するなど料理の話題も次々に発信している。そのキッチンを預かる総料理長、内山 昭氏は熱いハートでチームを引っ張る。


「銀座ロビー」最上階のテストキッチンで取材に応じてくれた、内山昭氏(ゼットン 取締役 総料理長)

飲食店は1人ではできない

 内山氏は横浜で生まれ、小学校の頃から母親の料理の手伝いが好きだった。もともと、物を作ることが好きで、バイクにも興味があったが、料理の道を選ぶ。将来は自分の店を持ちたいと思い続けていた。ちなみに1才上の兄が先にバイク店を始めたため、反発心から料理になったそうでもある。

 神奈川の高校生時代から、飲食店の厨房でアルバイトを重ね、そのままバイト先に就職した。様々な業態・客単価のレストラン、結婚式場など約30店を展開していた企業。料理人だけで200人もいた。27歳までの9年間、この外食企業に勤めた。

 そして、23才である店のシェフを任される。しかし、「どんどんスタッフが辞めていき、気がついたら僕1人だけ。3ヶ月間休み無し。人を使えないと料理が出来てもだめ。おいしい料理は当然として、それよりも人間性の方が大事だと気付いたんです」と内山氏。

「チーム作りを体で覚えました。部下を気持ちよくさせたり叱責しながら、部下が働くことが楽しいと思えるチームを試行錯誤しながら作れるようになった。料理も独学ですが、部下に何かを伝えるのも、自分で失敗しているからリアルに説明できたんです」

「29才の時に子供が出来ました。子供への愛情は無償ですよね。子供への愛情を部下にも向けたらもっと伝わるんじゃないかなと思いました。大切なのは1つ。ハートが伝わるか、伝わらないか。自分が間違っていたら部下にも素直に謝る。これまで温かいハートを持っていれば飲食はできると漠然と思って来ましたが、40才の今思うとそれは間違っていなかったな、と思います」


ALOHA TABLEより「ハムステーキwithパイナップルビーンズ」

全文(有料会員専用)の見出し
母親に料理を作った時の緊張感
38才で独立すると宣言してゼットン入社
死ぬ時にいい人生だったと思いたい
(写真全7点)

■内山 昭(うちやま あきら)
株式会社ゼットン 取締役 総料理長 兼 営業副本部長。神奈川県出身。1968年生まれ。横浜の外食企業に9年間勤めた後、2001年にゼットン入社。東京地区の出店に携わる。2008年5月に取締役に就任。

株式会社ゼットン http://www.zetton.co.jp/

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年7月1日取材

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