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フードリンクレポート


まだまだ広がる奥深いウイスキーの世界。
ウイスキー人気はホンモノか?現場潜入レポート Day 17

2010.4.23
ウイスキービギナーのレポーター村田麻未が、毎日ウイスキーを飲みながら「ウイスキーのある風景」を体当たりレポート。レポート開始から早3週間。ウイスキーの奥深さも、美味しさも、分かってきました。ウイスキー人気の実態をさらに探ると共に、ウイスキーの持つ魅力と可能性も併せてお伝えします! 毎日連載。全21回。


ここでしか飲めないウイスキーが多数。「ブレンダーズ・バー」。

まだまだ広がる奥深いウイスキーの世界

 青山のニッカウヰスキー本社ビルの地下にあるバー、「ブレンダーズバー」。ウイスキーの美味しさをもっとたくさんの人に知ってもらいたいと、ニッカウヰスキーが始めたバーです。


「ブレンダーズ・バー」店内。

 ここでは、年代や原料の違うウイスキーを楽しめるのはもちろん、他のお店では飲めないウイスキーも多数揃えていて、ウイスキーの奥深さを体感することができます。これまで、ウイスキーについていろいろ勉強してきたつもりの私ですが、ここでまた新たなウイスキーの世界に出会いました。

 最初に頼んだのは、ピュアモルトウイスキー。“ピュアモルト”というのは、ニッカウイスキーが独自に呼んでいる名前だそうですが、複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーをブレンドしたもの。ニッカウイスキーの代表的な蒸留所は北海道の余市と仙台の宮城峡ですが、それら蒸留所のブレンドの割合によって、微妙な変化が楽しめます。


「ピュアモルト レッド」(600円)宮城峡で作られたモルトが主体のブレンドで、軽くてバニラのような甘い味わい。


ピュアモルトウイスキー。シンプルな瓶がかわいいです。ネット販売のみなので、飲食店ではこのお店でしか味わえません。

 続いて、キーモルト。“キーモルト”とは、ウイスキーを構成する特徴的な香りと味わいを持ったウイスキーのこと。このキーモルトウイスキーをブレンドすることで、ウイスキーの複雑さが生まれます。最終形になる前のウイスキーなので、これもここでしか味わえません。

“Sherry&Sweet”(シェリー香と甘さ)、“Peaty&Salty”(ピート香と塩)、“Fruity&Rich”(フルーティさとリッチさ)など、樽や熟成方法によって見事に味の特徴が異なります。


「キーモルト&カフェグレーン テイスティングセット」(3000円)

 驚いたのは、ニッカウヰスキーのブレンダーの名前が付いたウイスキー「ブレンダーズ・ウイスキー」。ブレンダーそれぞれがキーモルトウイスキーをコンセプトに基づいてブレンドしたウイスキーで、“ハニー&スイート”、“エレガント&スイート ハーモニー”などというコンセプトに沿った味に仕上がっています。ワインと違って作り手が前に出てこないウイスキーの世界だけに、面白い試みです。


11種類ある「ブレンダーズ・ウイスキー」のメニュー。どんな割合で何をブレンドしたのか、レシピも付いていてまるでカクテル。

 最後に支配人の平野さんが作ってくれたのは、カフェ式蒸溜機で作られたカフェグレインウイスキーを使ったハイボール。ここでは、ハイボールでもウイスキー自体の味を十分に楽しんでもらえるよう、ウイスキーの割合を高めに(水:ウイスキー=1:2〜2.5くらい)しているとのこと。トニックも少量加えられたこのハイボールは、これまで飲んできたハイボールとは全く別物。確かに、ウイスキーの香りや味わいをしっかり楽しめます。


カフェグレインウイスキーを使ったハイボール。

 最近は、“ハイボール”という飲み物が一人歩きしている感がありますが、ハイボールもウイスキーの飲み方の一つ。作り方一つで、ウイスキーをしっかり味わえるということをあらためて実感しました。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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