フードリンクレポート
なぜ、飲まなくなったのか?上司が教えていたカクテルの楽しみ方。
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day11
誰にカクテルの頼み方、飲み方を教わりましたか?
・なぜ、飲まなくなったのか?上司が教えていたカクテルの楽しみ方
カクテルの連載を始めてから、いろいろな人にカクテルを飲みますか?と尋ねていますが、大半の人から「昔はよく飲んでいたけどね。今は飲まなくなったなぁ。」という返事が返ってきます。昔とは、大体10年近く前。皆さん結構ご無沙汰のご様子。
どんなシチュエーションで飲んでいたかについては、場所はバーが多数で、「仕事仲間と一対一でゆっくり話をしたい時」、「男性と食事をして2軒目に連れて行ってもらった」など。重要な話をしたり、大切な相手と語り合う、そんな時はカクテルなんですね。そんな場面は今でもありそうなものですが、バーには行かなくなったようです。
最近のカクテル離れには、不味い居酒屋カクテルの影響や不況で財布の紐が固くなったという影響も大きいのでしょうが、違う理由もありそうです。今回はなぜカクテルを飲まない人が増えたのか、ちょっと違う角度から探ってみました。
とあるバーのバーテンダーさんから興味深い話を聞きました。「昔は、課長や部長さんが若い部下を連れて来てカウンターに座り、カクテルを奢る姿をよく見ました。そこで仕事の話をするのはもちろん、お酒の注文の仕方を知り、マスターや他の常連客との会話で社会を知る、そんな場でした。そして、彼らが出世すると部下を同じように連れて来る。そのサイクルがありました。」と10年程前まで、バーでよく見られた光景を語ってくれました。
かつては上司が部下を連れて来て、部下にとっては勉強の場だった。
「今は若い部下を連れてきても、彼らはお酒をあまり飲みたがらなかったり、彼らが、『何でこれ(上司が頼んでくれたカクテル)が1杯1500円もするんですか?』と感謝もなく否定されたりするんです。これじゃあ、上司の方も連れて来る気が失せますよね。」
どうやら、かつて上司に連れてきてもらい、カクテルの楽しみ方を教わった人たちは、今でもバーに来るそうですが、同年代の人や一人で来る人が多いそう。確かに、最近訪れている美味しいカクテルを飲ませてくれるバーで客層を見ていると40代〜50代が多い印象。寂しいですね。
バーの使われ方もこの数年間で変化が。
何事もきっかけ。行ったことがなければバーにも行けないし、頼み方を知らなければカクテルも頼めない。女性を連れても行けませんよね。バー離れ、カクテル離れの背景には、こんな“会社文化の変化”もあるようです。
部下を持つ上司の皆さん、たまには美味しいカクテルで若手とゆっくり話をしてみては?若手の皆さん、面倒くさがらずに上司と飲みに行ってみては??