フードリンクレポート
女性がウイスキーを飲まない理由。男と女とウイスキー。
ウイスキー人気はホンモノか?現場潜入レポート Day 12
女性はなぜウイスキーを飲まない?
・女性がウイスキーを飲まない理由。男と女とウイスキー
今日も昨日に引き続き、「女性はウイスキーを飲んでいるのか?」について探ってみたいと思います。
この日、私が友人のゆかりさんと訪れたのは、丸の内ブリックスクエアにある「ANTHEMBLE by My Humble House(アンセンブル バイ マイ ハンブル ハウス)」このお店は、女性でもウイスキーを気軽に楽しめる「Splitz'Aoyama(スプリッツ アオヤマ)」を運営している株式会社ミュープランニングアンドオペレーターズがプロデュースした店。30〜40代の男性がメインターゲットで“「響12年」をスタイリッシュかつゆったりと楽しめるパブラウンジ”というコンセプトだそう。ウイスキーは「響」だけでなく、「白州」や「山崎」、スコッチなども揃えていて、「山崎」はボトルキープも可能だとか。
落ち着いたインテリアと、窓からは丸の内の夜景が広がる、居心地の良い店内。この日は木曜の夜。8時過ぎには満席に。
まずメニューを開けると出てくる「響12年」のメニュー。「硬派な夜に」オーセンティックスタイル/「いつもとは違う夜に」カジュアルスタイルという2パターンの気分で選べる「響」のドリンクメニュー。前者は、ロックやハイボールで、後者は、カクテル系。
フードは、幅広い料理に合う「響」の特徴を活かして、エスニック料理。
「彩り野菜のアジアンラタトゥイユ」(550円)タパス形式で、ちょっとずつつまめるのが女性には嬉しい。
ロックやハーフロックは、丸い氷で本格的に。シングルモルトでも、750円〜となかなかお手頃。
これまでは、ウイスキーはあまり飲まなかったけれど、最近美味しさを再認識して飲み始めたというゆかりさん。ウイスキーの思い出を聞いてみると、「最初にウイスキーを飲んだのは、社会人3年目くらいに苦手な上司と。会員制のラウンジで、無理に飲んだ記憶があり、トラウマになってしまった。」とのこと。
一人でBarに行くこともしばしばというゆかりさん(31歳)。でも、そこではウイスキーは頼まない。
「そもそも、女の人がウイスキーを飲むシチュエーションは少ないと思う。アルコールが強過ぎるっていうのはもちろんだけど、男の人と飲みに行って、ウイスキーを頼むのはちょっと引かれてしまうし、女一人でウイスキーなんて、やり過ぎな感じ。」
ウイスキーを飲む女性は、パワーのある“肉食系女子”のイメージというKさんは、「男の人にとってウイスキーはウンチクを語りたいお酒だから、語らせてあげたい。だから、女の人がウイスキーに詳しかったら可愛くないよね。もし、仮に詳しかったら、誰に教えてもらったんだ?みたいに思われるし。」とも。なるほど。男と女とウイスキーの関係、なかなか奥が深いです。
でも、ウイスキー自体の香りや味は好きだというゆかりさんと共に2軒目に向かったのは、銀座コリドー街の向かい側にあるBar「黒猫」。ベテランマスター山岸さんにいろいろ教わりながら、ウイスキーを飲ませてもらいました。
マスターの山岸さん。全部で約200種類のお酒を置いているそうですが、その半分以上がウイスキーだとか。
もう生産されていないウイスキーやプライベートブランドの物など、珍しいウイスキーをたくさん見せて頂きました。
山岸さんによれば、「以前より、女性のお客様が多くなりました。特に一人でいらっしゃる方が増えましたね。一人で来る女性の方がウイスキーをよく飲まれます。ウイスキーを飲まれる女性はどちらかと言うと若い方、20〜30代くらいの方が多くて、シングルモルトをロックで召し上がります。」と、ちょっと驚きのコメントが。やっぱり、どうせ飲むなら一人の方が気兼ね無く飲めるんだと確証。
最後は、山岸さんがお気に入りのスコッチ「Dewar's」(ブレンドウイスキー)の年代別飲み比べをさせて頂きました!
左から、現行物、10年程前に発売された物、6年程前の物。現行物以外は、通常手に入らないとのこと。
作られた年によって、ブレンドの割合、つまりモルトの割合が違ったり、アルコール度数が違い(現在に近づくに連れ低くなる)、飲み比べるとその違いがよく分かります。ウイスキーはまだ全然わからないと話していたゆかりさんも、説明を聞きながら、実際に違いを味わい、とても楽しそう。
普段は自分からウイスキーについてはあまり語らないという山岸さんですが、質問には丁寧に答えてくださいました。
ウイスキーそれぞれが持つストーリーを聞きながら、実際に味わう。男性や周りの目を気にしてではなく、純粋に楽しむ。これがウイスキーを好きになるきっかけであるし、楽しさだと思います。
そんな機会が女性にももっとあれば、ウイスキーファンが増えるのにと思う今日この頃です。