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フードリンクレポート


「立地×ターゲット=機能」の入川流マーケティングとは?
〜独自の手法で人気のカフェを次々とプロデュースし、「カフェを通した街づくり」を実践する〜(5−2)
入川秀人氏 入川スタイル&ホールディングス株式会社 代表取締役

2010.8.26
カフェブームの先駆けとなるキャットストリートのWIRED CAFEを始め、これまで数多くのカフェを創造するとともに、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」やユニクロの新業態である「UT STORE HARAJUKU」の店舗プロデュース、東急電鉄沿線の街づくりの他、業態開発や店鋪開発から企業ブランディングまで、幅広い分野のプロデュースを手掛ける入川氏。新たにオープンし話題となっている、豊洲の「CAFE;HAUS」、六本木一丁目の「ARK HiLLS CAFE」を例に、カフェを通してコミュニティを創造し、街を変える、そのプロデュースの手法とカフェづくりに対する思いを聞いた。5回シリーズ。レポートは村田麻未。


「ARK HiLLS CAFE」テラスより。立地とターゲットが重要なファクター。

「立地×ターゲット=機能」の入川流マーケティングとは?

 ニューヨークのカフェで目の当たりにした、カフェがあることで街が良くなっていく状況を日本でも再現するきっかけとなったのは、渋谷のキャットストリート。今でこそ、お洒落なアパレルショップやインテリアショップが立ち並び人通りも多いキャットストリートだが、1990年代前半までは雰囲気は全く違い、明治通りの閑散とした裏通りで認知されない道だった。

 しかし、そこにはアパレルデザイナーやアーティストの卵たちがいた。そこで、入川氏らは、彼らの活動をサポートするような場をカフェとして作ったのである。これが、「WIRED CAFE」一号店である。

「WIRED CAFE一号店では、カフェは1階。2階は、ファッションを表現できる場所としてアパレルショップにし、店内にはポスター広告を掲示するなど、カフェをメディアとして機能させるようにしました。」ターゲットが明確なカフェとショップをメディアとして機能させ、掲載料などそこでの報酬も得てビジネスにする。テストマーケティングの場でもあったという。

 次第にカフェはアーティストや若者に注目される存在となり、情報交換の場、打ち合わせの場として使われるようになり、コミュニティが生まれ、ビジネスが生まれた。その結果、彼らのキャットストリートへの出店を促し、街の賑わいを創出。ファッショナブルな人気のエリアとなっていったのである。


店内にカフェを設置した「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」。
★続く

【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ) 2010年7月23日取材

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