「上等肉酒場　バンザイミート！」は、1月26日に武蔵浦和駅近くにオープンした、和牛A4ランク以上の上質な肉を提供する焼肉店。

　普通の焼肉店では顧客がセルフで肉を焼くが、この店は違う。全ての肉を最良の状態で食べてもらうために、スタッフが顧客の目の前で肉を焼くのが特徴の店だ。

「和牛ではA5が最高のランクのお肉ですが、いくらA5でもお客様が焦がしてしまえばおいしくないですよね。A4でも焼き具合が最高なら、A5にも負けないほどおいしく召し上がっていただけます」と語るのは、同店の運営会社であるロットCOOの鈴木健史氏。

　スタッフが手馴れた手つきでサッと肉を炙ってくれるが、その時に店員と顧客の間でコミュニケーションが取れる効果もある。

　ロットはさいたま市の南隣の戸田市内で8年前に創業し、埼京線沿線の戸田公園に3店、戸田に1店、北戸田に2店を展開。都内には板橋に1店がある。

　武蔵浦和では同じビルの1階にある「鮮魚浜焼　田子商店」に次ぐ2店目となるが、「鮮魚浜焼　田子商店」が系列店でもトップクラスの売り上げを誇る繁盛店に育っているので、「上等肉酒場　バンザイミート！」にも大きな期待がかけられている。

「武蔵浦和は僕の地元でもありますが、人口に対して明らかな飲食店不足の街です。これからさらに発展が見込まれますから、地域密着で頑張りたいです」と、鈴木氏はやる気を見せている。


バンザイミート！外観、同じビルの１階も系列店。


看板。

　埼京線と武蔵野線の乗換駅でもある武蔵浦和はJR東日本の調べでは1日の乗降客数が約8万8000人と推定され、年々増加しており、西武鉄道の主要駅である所沢にも迫るほどである。そのわりには飲食店の数が、街を歩いていても少ないと感じる。その発展しつつある街に基盤を置いて、街づくりの一端を担いたいと鈴木氏は目を輝かせる。

　顧客層は男性サラリーマンが中心だが、休日はカップルやファミリーも多く幅広く地域の住民を集客している。顧客単価は4000円ほど。宣伝らしきものはしていないが、1階に系列の繁盛店を有している効果もあって、月商目標の800万円は楽に越えそうな勢いだという。

　メニューの売りは、刺身でもいただける赤身の「バンザイ!!ロース」（880円）、カルビ4枚の「バンザイ!カルビ」（670円）、ホルモン5種の盛り合わせ「バンザイ!ホルモン」（塩ダレまたは味噌ダレ 790円）。


「バンザイ!!ロース」。


特上！和牛カルビ（手前）、バンザイ！ホルモン（奥）

　和牛が安く出せるのは、牛肉の問屋と直接取引しているからで、この店の最大の強みになっている。

　また、おつまみ類も充実しており、「名物!和牛すじ煮込み」（350円）、「名物にしたい!揚げチヂミ」（190円）などが人気だ。

　お酒は、ビール、チューハイ、焼酎、日本酒、ワイン、マッコリなどがそろっているが、オリジナルのハイボールとホッピーのカクテル、変わりハイボール、変わりホッピーがあるのが面白い。

　たとえば「コーラハイボール」（420円）はコーラ割り、「稲妻」（440円）は電気ブランのハイボールだ。ホッピーもカシス入りの「カシスホッピー」、マッコリ入りの「マッコリッピー」（ともに490円）などがある。


名物にしたい！揚げチヂミと、電気ブランストレート。


マッコリッピー。

　昭和を感じさせる内装は、系列の内装の会社の設計・施工で、この面でもコストカットを実現している。鈴木氏は「スクーリング・パッド」のレストランビジネスデザイン学部と農業ビジネスデザイン学部の卒業生でもあり、前者ではお店のつくり方、後者では食べ物を大切にする考え方を学んだという。


店内。


カウンター席。


座敷席。

「上等肉酒場　バンザイミート！」には、新開地で人口が増えているにもかかわらず、商業、飲食業が未発達な武蔵浦和にあって、食の豊かさを発信する一つの拠点となっていくことを期待したい。


スタッフの皆さん。

【上等肉酒場　バンザイミート！】

住所	埼玉県さいたま市南区沼影1-6-19霜田ビル3F
電話番号	048-865-1000
営業時間	月〜木・日・祝　17：00〜翌1：00 金・土・祝前日　17：00〜翌3：00
定休日	無休
客席数	116席
客単価	4,000円
目標月商	800万円
開店日	2010年1月26日
経営母体	株式会社ロット