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鶏肉卸直営、ラー油味噌タレ「三八焼き鉄」が看板メニュー。
「(卸)鶏肉専門卸問屋 博多三八」
(東京・小伝馬町/鶏料理専門店)

第332回 2010年9月7日

三八焼き鉄(1人前980円) でき上がり。
 8月4日に、東京メトロ日比谷線小伝馬町駅とJR総武本線新日本橋駅に近いオフィス街のビル1階にオープンした「(卸)鶏肉専門卸問屋 博多三八」。

 文字通り福岡市博多区に本社がある鶏肉専門卸問屋、トリゼンフーズが経営する鶏料理専門店だ。


大きな暖簾が目立つ外観。


店内。


座敷席。

 同社が経営する「博多 華膳」からリニューアルした新業態で、店内の壁にはトリゼンフーズの業務を物語るモノクロ写真のパネルが多数掲げられる、内装の演出がなされている。

 生産から加工、流通、そして通販、飲食店まで、一貫した垂直統合体制が敷かれているのが同社の特徴。60種類余りの海藻、野菜、果物、ハーブなどのエキスを米糖、大豆粕などに混ぜて長期発酵させたこだわりの専用飼料で飼育した、ブランド鶏「博多華味鳥」を売りにしている。


福岡市東区のトリゼンフーズ箱崎配送センター。


卸問屋の出荷風景。

 リニューアル後顧客単価は約4300円から約2700円に下がったが、これは意図して下げたもの。鈴木宏幸店長によれば「華膳はおいしいけど敷居が高い」との顧客の声が多く、要望にこたえての業態転換であった。

 顧客層はオフィス街の立地だけに近所の会社に勤めるサラリーマン、OLが多く、男女比は7:3で男性が優勢である。

 看板料理として売っているのは「三八焼き鉄」(1人前980円)。これはラー油と味噌をベースに使った斬新な鶏肉と野菜を鉄板で焼いて蒸す創作料理で、仕上げにチーズをかけてコクを出す。和洋中の味がミックスしたような甘辛の暑い夏場でも食欲をそそる料理だ。


三八焼き鉄 テーブルに運ばれてきた調理前。


調理風景。スタッフが席でコミュニケーションを取りながら焼いてくれる。


仕上げにチーズ。


でき上がり。

 鶏肉は「博多華味鳥」のセセリとモモ、牛の小腸、野菜はキャベツ、タマネギ、シシトウが入っている。辛さは、ノーマル、未遂、殺人級と3段階から選べる。シメはチャンポン麺か、雑炊にしていただく。コースメニューもある。

 元々「博多 華膳」には「博多水たき」、「博多もつ鍋」といった圧倒的な人気メニューがあり、「(卸)鶏肉専門卸問屋 博多三八」でも前面に打ち出してはいるが、特に水たきはどうしても冬場に需要が偏りがちなので、夏場にメインとなり得るメニュー開発として試行錯誤した末、生み出されたのが「三八焼き鉄」なのである。

「食べた人は必ずといっていいほど具材を追加オーダーしますから、味には自信を持っています」(鈴木店長)とのことなので、期待のほどがうかがえる。


博多三八のスタッフ。左が鈴木宏幸店長。

 なお、同店の「博多水たき」は1日1万7000羽の鶏をさばく、専門卸問屋でなければなかなか実現できない、鶏のモモの骨だけを4時間半煮込んだ、臭みのない極上のスープが特徴。根強いファンを持っている。

 そのほか、骨付きで皮がパリっとした、ビッグサイズの「ひな鶏の半身揚げ」(980円)も人気の高いメニュー。サラダ、辛子明太子、デザートのパフェなどもメニューにあり、居酒屋需要が満たせる構成。


「ひな鶏の半身揚げ」(980円)。

 ドリンクは生ビール、焼酎、ハイボール、ワイン、梅酒など大半のメニューが380円とリーズナブルで均一的な価格設定。店名の「三八」の由来となっている。

 ランチも営業しており、700〜1000円で唐揚げ、水たき、鉄板焼などのお膳がある。

 同店は鶏の専門卸が経営している、安くて安心して食べられる店であることを、顧客にアピールして行く方針。「三八焼き鉄」が小伝馬町界隈の名物料理として浸透すれば、長く愛される店となっていくだろう。


(卸)鶏肉専門卸問屋 博多三八
住所 東京都中央区日本橋本町4-15-9 曽田ビルB1F
電話番号 03-5643-7120
営業時間 月〜金 ランチ  11:30〜13:30
月〜金 ディナー 17:00〜23:00 (L.O. 22:00)
定休日 土・日・祝、盆、年末年始
客席数 85席
客単価 2700円
目標月商 800万円
開店日 2010年8月3日
経営母体 トリゼンフーズ株式会社
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年8月27日取材

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