美味しい肉料理が。

　1月末、株式会社ゴールデンマジックが「BISTRO Ushibenkei」をオープンさせた。A4、Ａ5ランクの国産黒毛和牛を使った肉料理が自慢。高級そうにも聞こえるが、この店ではそれをボリュームたっぷりに格安で提供する。最近の新橋はビストロ激戦区だが、そのなかでも今最も注目されている店の一つだ。


店内。テーブル席。


赤を基調としたインテリアで、温かみがあり陽気な雰囲気。

　安さの秘密は、店の２階、３階にある同社の牛鍋店「肉割烹　牛弁慶」とのセット業態だから。同じ仕入れで、牛鍋店で出た肉の端材をうまく活用し、ビストロの料理に使っている。肉質は高いまま、安く提供できるというわけだ。


1階が「BISTRO Ushibenkei」、2・3階が「肉割烹　牛弁慶」


「肉割烹　牛弁慶」では、黒毛和牛Ａ５〜Ａ４ランクを使った牛鍋を提供。

　「BISTRO Ushibenkei」の人気No.1は、肩ロース、タン、ハツ、レバーを使った「４種のお肉のカルパッチョ」（690円）、レバーもたっぷりと使った「パテ・ド・カンパーニュ」（480円）、「KUROタンシチュー」（880円）などはどれもかなりのボリュームでこの価格は驚きだ。「黒毛和牛のタルタル」（690円）などは、通常なら4000円位になるであろう、質と量の肉の端材を使っている。


「４種のお肉のカルパッチョ」（690円）


「パテ・ド・カンパーニュ」（480円）


「KUROタンシチュー」（880円）


「肉のメリメロ焼き」（780円）そびえるポテトに度肝を抜かれる。

「この内容だったら他で食べたら倍以上の値段もあり得ると思います。お客様がビストロに求めるのは安くてボリュームのある料理。メインの肉料理は、原価率80％という料理もある位、安さとボリュームにこだわっています。」と語るのは代表の山本勇太氏。

「通常のうちの店舗より、原価率は5〜10％高くなっています。単体なら赤字です。でも、上の業態で売り上げれば相殺できるわけで、上下セットで初めて成り立つ業態です。席数と単価のバランスがポイントです。」



オープンキッチンとカウンター。


立ち飲みスペース。


トマト缶がランプシェードに。


立ち飲みスペース。


ボトルを手で取って見て選部ことができる。

　ベンチマークは、新橋で最も有名で、新橋ビストロブームの火付け役でもある「びすとろUOKIN」。山本氏がUOKINのファンで、いつか追いつき追い越したいという強い思いがある。だからこそ、ボリュームや美味しさ、安さは負けたくない。UOKINの魚に対抗して肉で勝負し同じ、もしくはそれ以上のパフォーマンスを出したいと思っているのだ。

「メインの肉料理は、当初の想定以上によく出ています。他のビストロなどをいろいろリサーチした結果、メインが出るのは半分くらいのテーブルだろうと想定していましたが、蓋を開けてみれば、ほとんどのテーブルで注文があります。」つまみのオーダーが多い業態でも、美味しい肉ならガッツリ食べたいのである。


入り口前の看板。

　ワインももちろん、安く豊富に揃う。ボトルで50種類、1900円〜。2000〜3000円台がほとんどだが、5000円台のワインも結構空いているそうだ。嬉しいのはグラスで常時10種類あり、赤、白、スパークリング、ロゼまで、それぞれ２〜３種類から選べること。スパークリングがグラスで3種類楽しめる店はなかなか無い。価格も290円からなので、飲み比べも楽しめる。そして、1杯145mｌ入っているのも太っ腹である。


フードメニュー。

ワインメニュー。

　ブームのビストロと牛鍋のセット業態。同社での新しい必勝モデルになるかもしれない。


代表山本勇太氏。