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次に流行るお店

ポストカフェ世代を満足させる店が渋谷に登場
「dogenzaka #202」

第131回 2006年2月17日
202

渋谷駅ハチ公前、Qフロントビル8階にある居酒屋「ぷん楽」が、1月25日同じく渋谷にダイニング「dogenzaka #202」(以下、#202)をオープンさせた。経営する株式会社ぷん楽にとっては2店目。料理は和をコンセプトとするが、インテリアは白を基調としたシンプルなカフェ風にまとめられており、1号店と同じく渋谷にあってアッパー層をターゲットとしている。

Qフロントビルという好立地にある「ぷん楽」は、TSUTAYAを運営する株式会社シー・シー・シーのグループ会社として6年前に誕生した。居酒屋「ぷん楽」はオープン6年経った現在でも常にウェイティングが出る店として安定した人気がある。立地によるものも大きいが、料理のクォリティーと丁寧なサービスが20代半ばからの若者に支持される要因である。

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「支持をいただく一方で、できるだけ多くのお客様にお楽しみいただくための2時間制やテーブル間が比較的狭いことなどへの改善の声が届くようになりました。もっと落ち着いてゆっくりと楽しみたいという要望です」と、店長の長瀬氏は話す。

2号店の計画は以前よりあったが、渋谷の高価な家賃では繁盛店は作れても同じようなクレームが発生することになるとして、物件取得が難航した。#202は道玄坂中ほどに位置するが、小さなサインがあるだけで一見客はまったく見込めない正に隠れ家である。駅からも近いが小さな路地を入っただけで、相場からは安い家賃設定だったために同社のビジネスモデルと合致した。4000円前後の客単価で、20代半ばからの女性客が週に1〜2度使える店。居酒屋ではなく、カフェとレストランの中間に位置する業態が#202である。

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「渋谷にいらっしゃる女性は、情報がとにかく早い。年末からのプレオープン時にはすでにブログで紹介していただき、その後はパーティーの予約が入るようになりました。狙った訳ではありませんが、若い男性スタッフばかりということも喜ばれるているのかも知れません(笑)。女性のお客様が男性を連れてきていただくような形で口コミで評判が広がっているように感じます」

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写真上・「佐賀牛のタタキ・サラダ仕立て」(1200円) 。
写真下・「湯葉巻きベジタブルロール」(950円)、「ドラゴンロール」(950円) 。

店長の長瀬氏は、寿司職人の父を持つ若干25歳の料理人である。ホテル内の和食店で修行を積み、「ぷん楽」では料理長としての経験を積んだ実力派。同店の料理も実にしっかりとした安定感を持ち、創作和食というチープな冠はいらない。
料理と経営の両立は難しくはないのだろうかという問いには、「大切な考え方は同じだと思います。私のかばんには、料理の本と日経ビジネスが入ってるんですよ」と笑顔で答える。

同社のチーフディレクター寺田氏はこう話す。
「弊社は6年間渋谷でしっかりと地固めをして、やっと第2タームへと入ったばかり。急激に拡大するのではなく、社員全員が経営者という感覚で一歩一歩進めて行くのが私たち流です。お客様の声をしっかり聞き、支持される店作りを続けます」

今までにありそうでなかったスタイルを提供する「dogenzaka #202」は、ポストカフェとしてコアな客層に愛されていくだろう。渋谷大人化は2006年になりやっと動き出し始めた。

【dogenzaka #202】
住所 東京都渋谷区道玄坂2-28-11ナルセビル 202号室
電話番号 03-5457-1202
営業時間

17:30〜24:00

定休日 無休
客席数 50席
客単価 4000円
目標月商 -
経営母体 株式会社ぷん楽
Web Site dogenzaka #202
横田茂(本誌編集部)2006年2月17日

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