スナップショット


<東麻布ではたらく食器屋さんが特別寄稿>
不景気でも頑張るシンガポール! 「A971CAFE」は東京の繁華街名メニューで集客。

2009.3.11
「世界的な不景気」。ここシンガポールでも地元の人や日本人駐在員の人たちも同様の声が聞こえた。儲かっているのは、欧米の金融関係駐在員が多数シンガポールから出国、置き去りにされた高級外車を破格で売りさばくディーラーぐらいじゃないか?と世相話しをしていたが、そんな不景気を感じさせない大規模な開発事業に伴う工事が宿泊したホテルの向かい側で、盛んに行われていた。ラスベカスのカジノリゾートグループ「サンズ」が今年中にオープンを予定している「マリーナベイ・サンズ」の大がかりな工事。セントーサ島にもファミリーをメインターゲットにした「リゾートワールド・セントーサ」が来春にもオープン予定。ユニバーサル・スタジオやハードロックカフェホテルなどもテナントとして名を連ねている。これらの大規模なリゾート施設の成功が、シンガポールの景気回復のカギだろう。

 リバーサイドに数多く飲食店舗などが軒を連ねるクラークキーにある日系のレストランを中心に訪問。本来クラークキーは夜の繁華街で有名なリバーサイドだが、最近は複合施設の「セントラル」などができ、ファミリーや女性同士なども多く見受けられる。ちなみにこの「セントラル」の運営委託・プロデュースは日本のパルコ。その影響か「吉野家」「らーめん山頭火」「若鯱家」などの日系飲食企業も多数、テナント入居している。そんな日系飲食店舗は、基本的にはどこも盛況。中には日本人経営ではなく、日本人のスタッフも全くいないローカル経営の和食店舗にも行列ができている。そのセントラルの「TONTON」という黒豚しゃぶしゃぶを売りにしている店も盛況だ。お酒も「利き酒メニュー」もあり、しっかりお酒と料理が楽しめる。

 その後に、同じくクラークキーに昨年の12月、カフェ・カンパニーがオープンさせた「A971CAFE」に移動。昼に散策していた時には、リバーサイドの通り自体が閑散としていたが、さすがのクラークキー、金曜日の夜ということもあり、10時過ぎに訪れた時には、すでに満席状態。隣のBeerBar「BREWERKZ」や「JANBO」も同様に満席。何とか席が空き、オーダー。「CONTEMPORARY TOKYO CUISINE」ということで、料理もドリンクメニューも東京を意識したメニュー。

 ここ数年の急成長で元気の象徴でもあったシンガポールでも、世界的不景気の波にのまれているとはいえ、前述の大きなプロジェクトが頓挫している訳でもなく、ホテル・リゾート施設そして大型ショッピングセンターの建設も続いている。そうなるとテナントで入居する日系企業や日本料理店も、まだまだ、このシンガポールから目を離せない。

レポーター:辻 武博(つじ たけひろ)
業務用テーブルウェア・キッチンウェアのローヤル物産社長
「東麻布ではたらく食器屋さんのブログ」



ホテルの先に見えるのが今年開業予定の複合カジノリゾート「マリーナベイ・サンズ」。


シンガポールのメインストリートであるオーチャードロードにも、近日オープン予定である商業施設、「オーチャード・ION(アイオン)」の工事が進まれている。


クラークキー


パルコがプロデュースした商業施設「セントラル」。


「TONTON」の黒豚しゃぶしゃぶ。


「TONTON」の利き酒メニュー。


「A971CAFE」 外観。


「A971CAFE」 カウンター。


「A971CAFE」 SAKEをベースにした「六本木スリング」


「A971CAFE」 料理の盛り合わせも酒桝などを使い演出。


「A971CAFE」 味噌を使った「ミソ渋谷ナチョス」。