今月の特集『立地に負けない店作りを目指す』(3/3)面
-●悪条件に負けない4店にみる繁盛の法則-
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商店街の立地を生かし、住民に愛される新感覚のファミリーレストランに
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CASE4 |
COVARE三宿グリル |
東京都世田谷区三軒茶屋1-5-16
電 話:03(5481)0911
営 業:昼/11時〜2時(L.O)
夜/17時〜22時30分(L.O)
休 日:年中無休 |
『COVARE三宿グリル』は、スーパーや小売店が並ぶ三軒茶屋商店街を通りぬけ、住宅街に限りなく近いバス通り沿いにある。玄関左脇に掲げられているのはイタリアの三色旗を模した看板。生活色が色濃い周辺の景色の中で、お洒落な外観は一層鮮やかに目に入る。「三色旗を掲げたのはちょっと失敗だったかなと思っているんですよ。イタリア一色のレストランを想像して来店されるお客様を裏切ることになりますからね」と、オーナーの小林孝和さんは苦笑する。
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周辺の景色の中で鮮やかに目を引くコパレ |
昨年9月にオープンした同店は、腕利きのシェフを抱える正統派のイタリアンレストランだが、そのメニュー構成は極めてユニークだ。ピザ、スパゲッティ、ラザニアなどのポピュラーなものから、生ハムとパルジャミーノ、仔羊のバルサミコといった本格イタリアン、さらにはお刺身の盛り合わせ、ほたるいかの沖漬けなどの完全和食系と幅広い。約30種類のグランドメニューに加えて、本日のおすすめも約30種類。合わせて60種類以上の料理を用意している。
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オーナーの小林孝和さん |
「大通りから当店までのアプローチは地元密着の商店街。周辺には下馬の高級住宅街や団地が控えています。この条件を生かすためには、ターゲットを年代別で絞り込むのはかえってマイナス。ファミリーで訪れても全員が満足するように、メニュー構成も幅広く厚いものにしました」
例えば、何かのお祝いに一家で外食する場合、子供からお年寄までが楽しめる飲食店となると意外に少ない。かといってファミリーレストランでは、ハレの日の感覚が希薄になる。この微妙なボーダーにあるニーズを満たすのが同店だが、その特長を小林さんは、「主婦がいつもより明るめのルージュを引き、サンダルを靴に履き替えてカジュアルに利用できる店」と表現する。
しました。開放的でありながら、プライベートな空間を保つことができたと思
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店内は3つの空間に分け、さりげなくプラバシーが保てるようになっている |
店内のインテリアはイタリア様式をあえて避け、「バリ島の高級リゾートホテルのダイニング」をテーマに整えた。中央はオーソドックスなテーブル席、段差と引き戸が設けられた左右のフロアは、竹材料と土壁を使ってそれぞれの表情に変化をつけている。
「お子様連れやグループの宴会も多いので、お互いの妨げにならないよう設計に配慮います」
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