フードリンクレポート
ダイヤモンドダイニングが目標の折り返し点「50店舗50業態」を達成
50店目、「あくとり代官鍋之進」の前に立つ松村社長
・50店目は初の鍋専門店を飲食施設「渋谷SEDE」にオープン
ダイヤモンドダイニングが50店目としてオープンした「あくとり代官 鍋之進」のスタートは、「100店舗100業態」を目標とする同社の折り返し点にふさわしく、たいへん華やかなものとなった。
「あくとり代官 鍋之進」は10月19日、渋谷マークシティ横の渋谷中央街側にオープンした「渋谷SEDE(セーデ)」という商業施設内3階にある、同社としては初の鍋専門店。
「渋谷SEDE(セーデ)」には地下1階から5階まで飲食店が1店ずつ入居しており、「あくとり代官 鍋之進」以外も、地下1階にダイニングバー「渋谷BEE8」の2号店「クリスタル・ビー・ハウス」、1階に地中海のリゾートであるサルディーニャ島をテーマにしたイタリアン「タロス」、2階に宮崎地鶏炭火焼「車」、4階にDJも入る酒場食堂「インソムニア」、5階にアイリッシュパブ&レストラン「フォルチェ」となかなかの力作ぞろいで、渋谷でも昭和の雰囲気が色濃く残る南口界隈を活性化する起爆剤になりそうな施設である。
事業主は楠本商店という地場の質屋であるが、オープンに先立って17日夜に行われたレセプションでは、よくあるプレス・関係者限定ではなく、1000円の入場料を払えば一般の人も入場できて全店食べ放題の形式を取った。事業主としても初めて手がけた商業施設であり、地元の人にも楽しんでもらえるようにとの配慮だったわけだが、案の定顧客が押し寄せ、一時は入場までに1時間待ちの大行列ができたほどだ。
「あくとり代官鍋之進」店内、代官屋敷をイメージした。
「あくとり代官鍋之進」店内、代官屋敷をイメージした。
当然、どの店も人があふれかえって大盛況だったわけだが、「あくとり代官 鍋之進」においても自慢の鍋のうちの6種類を用意し、スタッフ一同てんてこ舞いの忙しさで鍋をつくり続けた。
さて、この「あくとり代官 鍋之進」は定番鍋を7種類、旬のお勧め鍋を3種類以上食べられるという、これからの宴会シーズンに活躍しそうな店である。
値段は一人前1480円から2800円までとなっており、顧客単価は4500円を想定している。席数は7つの個室を含んだ86席。
定番鍋は、水炊き、塩ちゃんこ、豚シャブシャブ、雪見鍋、チゲ鍋、カレー鍋、すき焼きというラインナップ。一方、現状の旬のお勧め鍋は、猪豚味噌鍋、知覧鶏つくねと山菜の田舎鍋、かきしゃぶ、鴨南蛮鍋、鱈のカマ鍋(1日限定2食)といった5種類がメニュー化されている。
ただ、種類が多いだけでなく、たとえば鍋は美濃焼のオリジナルで焼いておりメニューの種類によって変えている。味の決め手となるダシも、メニューによって1つ1つ変えるといった、手の込んだことを行っている。
全文(有料会員専用)の見出し
・多彩な鍋メニューを1つ1つじっくりとつくり込んで提供
・学生時代のアルバイトと就職したディスコで飲食を学ぶ
・6年の準備を経た渾身の第1号店「ヴァンパイアカフェ」
・ドラキュラ伯爵の館をイメージしたレストランが大成功
・居抜きを再生した「黒提灯」のヒットで業態開発に自信
・ラゾーナ川崎プラザ「パトラッシュ」で商業施設に進出
・増収減益の中間決算は目標に対して未達の印象を残した
・社員に権限を委譲し、企画を考えさせて人材を育てる
・北京五輪後に起こるであろう景気後退にいかに対処するか
【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2007年11月1日
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