2001.2.3
今月の特集
水にこだわる!
天然水で繁盛する店から学ぶ
(1/3)面
『天然水の魅力とは?』
今月の特集キーワード
水のうまさと安全性追求の表れ消費量 の増大が続く
1面
水の特質を見極め用途に合わせたセレクトを
1面
和風・洋風によってもふさわしい水は異なってくる
2面
食材の力を引き出し、労力やコストを上回る歴然とした差が出る
2面
採水地と処理法も検討材料の一つ天然そのままの水の味を追求
3面
日本の水は風土や食文化に根ざした食材の一つ
3面
水のうまさと安全性追求の表れ消費量の増大が続く
日本のミネラルウォーターは、昭和30年代後半に、ウイスキーメーカーが水割り用の水として生産を始めたあたりから、市場が確立したといわれている。それ以前にも「ウヰルキンソン炭酸」や「三ツ矢平野水」などの炭酸入りの水は製造、販売されていたが、ごく一部の階級の人間にしか飲まれていなかった。日本人にとって、ミネラルウォーターといえば、バーやクラブで出される”水割り用の水“であり、飲用水を金で買うという認識は極めて薄かったのである。
「白龍」
東京都新宿区西新宿6-25-9
電話 03(3343)1077
営業 11:30〜15:00
17:00〜翌2:00
休日 年中無休
使用天然水:
埼玉 県名栗川の湧水(軟水)
仕入れルート:
週1回、ポリタンク(18L)20個分ほどを採水。
使用用途:
スープのみに使用。 ほかは浄水機の水。
台湾の大使館のコックをしていた母親が発案した「トマト湯麺」。 「日本人の食に対する固定観念を打ち破った」と村井オーナー。 スタッフのおすすめは「焼餃子」 焼餃子・600円 トマト湯麺・950円
料理以外にも色々な引き出しを持っており、系列店の白龍館にて独学で学んだピアノも披露してくれるオーナーの村井信吾さん
気取らずに食事を楽しめる雰囲気の店内
常連客やタクシーの運転手といった客が後を絶たない同店。
創業は昭和28年で開店当初は新宿界隈の深夜営業飲食店のハシリであった
その意識を大きく変えるきっかけとなったのが、昭和55年に食品メーカーから発売された家庭用ミネラルウォーターである。当初、違和感を持って見られていたこのミネラルウォーターは次第に売り上げを伸ばし、年を追うごとに新製品や輸入製品が続々と登場するようになる。平成に入ると、折りからの自然・健康ブームの追い風や水道水への不満・不安などから、前年比100%以上の順調な成長を遂げ、平成6年には消費量 100万キロリットルの大台を突破した。
日本ミネラルウォーター協会の調べによると、平成11年の総市場は過去最高の約113万キロリットルで、日本人一人あたりに換算すると、8・9リットルの消費量 。これは、10年前の10倍の伸び率であり、これだけ高い市場の伸びは多くの食品の中でも珍しいことで、今まで清涼飲料の一アイテムに過ぎなかった飲み物が、産業レベルの一つの市場にまで達したことを意味しているという。
水の特質を見極め用途に合わせたセレクトを
飲料メーカーのサントリーでは、ミネラルウォーターの購買状況を明らかにすることを目的に、平成3年より市場動向調査を行っている。その中の「今後どのようなことにミネラルウォーターを使用したいか」の質問には次のような結果 が得られた。
まず、「そのまま飲む」(75%)というシンプルな用途に続いて、「製氷用」(52・6%)、「日本茶・コーヒー・紅茶の水」(38・8%)、「濃縮飲料を薄める水」(38・4%)のほか、「ごはんを炊く水」(29・8%)、「味噌汁をつくる水」(21・6%)などの順になっており、飲用から食材へとミネラルウォーターの用途の広がりがはっきりと現れている。飲食店の中にはすでに、自然湧出している水や市販のミネラルウォーターを調理に使用している店舗もあるが、水を選ぶ場合にはあらかじめその特質を見極め、用途に合ったセレクトが肝心のようである。 おいしい水を表現するとき、日本人はよく「やわらかい水」という言葉を使う。これは、喉ごしのよさや飲み口が軽い軟水の特長を言い得たもので、火山国である日本の地下水は、火成岩の地層を透過してくるミネラル分の少ない軟水が多い。