2001.3.10 |
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今月の特集 これで客を呼ぶ!ネーミングにこだわる(1/3)面
『お客に愛されるネーミング』
成功した商品から学ぶ!
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消費者はネーミングにこだわる! ネーミングが商品の売れ行きを決めるといっても過言ではない。巧みなネーミングで新しい市場を開拓した商品、競合類似商品が多いなか、ユニークなネーミングで他社を圧倒した例。同じ商品でありながらネーミングを変更しただけでヒット商品に変身することさえある。
ネーミングで成功したヒット商品から、ヒットするには訳があるコツを紹介しながら、ネーミングのノウハウを紹介する。
「ウォークマン」、「プレステ(プレイステーション)」など、一般消費市場では、ネーミングが流行語として、商品から離れたところでも社会に浸透する場合がある。従来、ネーミングはあくまで商品の特性、差別
化を明確にすることが第一とされていた。
初めに商品ありき、商品が良ければ、特に宣伝しなくても、目立つ名前をつけなくても良いと考えられていたのである。
けれども情報が高度化、多様化するにつれ、インパクトのあるネーミングが売上に影響すると考えられるようになった。
そのひとつの手法として今まで商品名には使われることのなかった制作現場で使われている専門用語がそのまま使用され、一般
に浸透するという例もみられるようになった。
定番ビールとなったキリンビールの「一番搾り」(コラム参照)はもともと工場で使われていた用語。ロングセラーシャンプーの「メリット」はジンクピリオン配合という決め手を、CMを通
じて視聴者の耳に浸透させてしまった。
★ヒット商品からネーミングのコツを学ぼう!★
その1『一番搾り』 |
【横文字主流のビールに純和風の名前】 |
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キリンの「一番絞り」(1990年発売)は、アサヒの「スーパードライ」の独走を阻むべく開発されたビールだ。
それまでビールと言えば、横文字ネーミングが主流だった。そこに”一番”という消費者の心をくすぐる言葉と馴染みの薄かった”搾り”が合体した。純和風のネーミングの目新しさが受けてブームを呼んだ。
「一番搾り」とは、ビール生産の専門用語。ビールを造るときには、素材を搾って麦汁を得るのだが、一番最初に搾ったのが「一番搾り」、二番目が「二番搾り」。ふつうのビールはこの一番搾りと二番搾りをブレンドして造られるのだが、「一番搾り」はまさに”一番搾り”の麦汁だけで造られているのである。つまり新鮮な素材に一番近いビールというわけだ。
このネーミングがきっかけで、他の商品にも「一番搾り」が使われて。豆腐、ごま油、醤油そして日本酒まで・・・。
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品種改良よりネーミング
「秋田小町」に端を発し、「きらら392」、「ひとめぼれ」、「はえぬ
き」、「どまんなか」とネーミング合戦を繰り広げたコメ業界。
93年には「ゆとり専科」という名で、とがなくていい付加価値を付けた無洗米まで登場した。
それまでの作れば売れる時代とは違って、マーケティング戦略の善し悪しが、売上に大きく反映する昨今。それが、誰もが味に厳しい米にまで及んだ訳だ。
最近では、野菜にも奇抜なものが目立つ。「トレンディーの胡麻あえ」から、いんげんが想像できるだろうか? 「陽水おろし」は大根、「スカーレットオハラの千切り」はキャベツ。「プラチナのきんぴら」は、きんぴらからごぼうだろうとは想像できるが、何がプラチナなのか、全く分からない。他に、「巨人の星」(りんご)、「紫ずきん」(丹波産黒豆の枝豆)、「美男」(なすび)、「アインシュタイン」(ぶどう)、「あんみつ姫」(トマト、みかん)、「星むすめ」(さつまいも)、「レッドムーン」(じゃがいも)などがある。
流通が発達する現在、品質の良さや味よりも、とりあえず全国区になるためには、名前を知ってもらうことが先決。種苗業者にとっては、消費者の味覚にあった品種改良よりも、むしろネーミングに苦心するとのことだ。
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