フードリンクレポート


なぜ元気が無くなったのか?
〜スタッフの自立を求めて模索中。熱くなった次に必要なものとは?〜(5−3)
黒須 優氏 株式会社エーチーム 取締役店舗統括

2010.3.31
「ハートフルホーム」をスローガンに掲げるエーチーム。コンビニや惣菜店を100店近く展開する企業の新事業部門として設立され、2000年4月に飲食事業がスタート。現在、韓国料理「五湯道(おたんどん)」、高級焼肉店「梨の家(なしのや)」など8店を直営。業績が厳しかった2006年、黒須氏は再建人として入社、3年半の軌跡を聞いた。5回シリーズの第3回目。


再建人の黒須優氏。

なぜ元気が無くなったのか?

「なぜ元気がなくなったんだろう。どうやったら元気になれる。私は何をやったらいいと考えました。要は、生きがい。自分の存在価値を知ることです。グローバルダイニングで教えてもらったことを教えました。お客様に対して自負がでてくるように、こんなことをやろう。そして、お客様を喜ばせることを教えました。」


「エーチームバリュー」

「1年目は、自分達が冷めているということを認識させて、そして、点火してそれに乗って来る子を少しでも多くしようとしました。3ヶ月間、いろんなメニューを試した。冷めたお湯がいいんだと言う子が辞めていった。実はそれがスタートラインになりました。」

「1年目は売上自体は変わらなかったが、原価が一定になってきました。原価率を何%にしようと皆で話し合って決めたからです。今までは、目標に向かっていくことがなかったからデコボコしていたんです。」

 黒須氏が何かを決めるときの方針は、皆を巻き込み自分たちで決めさせる。自分で決めたルールや目標にはやる気をもって取り組むから。

「時給の基準を明確にしたり、売上・人件費・原価の3つの予算をクリアしたときに一定額を店長と料理長に分配するインセンティブ制度を導入したのもこの頃です。」


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき)  2010年2月15日取材