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男性6500円は高すぎると言われたが。
~福島“福コン”に学ぶ。巨大合コンは地域活性化の切り札。~(3-2)

2011.7.27
宇都宮の“宮コン”に始まった、男女が飲食店を巡回してお目当ての異性を探す巨大合コン。今年は群馬・前橋、横浜・関内などでも開催されちょっとしたブームだ。それが、震災や原発問題に悩む福島でも、自分たちの力で観光客を誘致しようと7/17(日)に開催された。3回シリーズ。レポートは安田正明。


閑散とした市内商店街、遅くまで福コン参加者で賑わった。

男性6500円は高すぎると言われたが

「5月末に有志でやろうと実施日ありきで決めました」と福地氏。7/17(日)の仏滅を選んだ。3連休の中日ということで観光客も見込める。但し、店側からはイベントを行わなくても集客できる日なので参加を見送る店も多かった。また、仏滅ということでウェディング関連の宴会の無い日。福島市内の人気ウェディング会場、「サンパレス福島」も参加して、料理も奮発して婚礼のPRに務め、外れた場所ながら女性の人気を集めていた。


「サンパレス福島」は外れにもかかわらず、女性に人気だった。

「チケットの価格、男性6500円については、外食経営者からは高すぎて売れる訳ないだろうという声ありました。失敗するだろうと参加しない店舗もありました。私は目的が飲食じゃなくて合コンなので買ってくれると自信がありました。安い会費の合コンには安い男しか来ない、と女性は知っていますから(笑)」と福地氏。

 事前には女性の方が多くなると予想していたが、実際には女性の参加者が最初は多かったが、徐々に男性が増え、最終的には男女比6:4と男性が多くなった。今後、続けるためには男女比を5:5にすることを考えなければならないだろう。チケット金額もあって20代前半の若者は少なく、大人の男女が集ったようだ。

 チケットは参加店舗での常連客への販売と、HPでのネット予約。告知は6月下旬からスタート。専用HPを立ち上げ、副委員長の高野氏が地元TV局に出演してPR。それをユーチューブにアップ。6月中は思うようにチケットが動かなかったが、ネットニュースサイト「J-CASTニュース」に取り上げられ、そこから毎日新聞が取材。すると、事務局の電話が鳴りやまなかったという。さらには、ツイッターで情報を流し続けた。他府県からの予約申込が500名になった。

 実際に「御気楽食堂」では、男女合わせてわずか25枚が店売り。1店舗目はチケット購入店と指定される。ネット予約分は事務局でチケット販売が弱い店から順に割り振られる。同店には店売り客25名と、ネット予約客120名、当日客55名、合わせて200名が1店舗目として押し寄せた。ネット予約客は当日店舗でチケット代を支払う。店内はビュッフェスタイルの飲み食べ放題ということもあり、大賑わいとなった。大部屋で出会った男女が、気に入れば個室に移って語り合うシーンが見られた。


参加者は1店舗目で、予約したチケットと現金を交換する。


1店舗目で和ませるのがキーポイント。

 1店舗目は酒も入らず、お互いに遠慮しがち。店側で盛り上げて上げる必要がある。「御気楽食堂」では、終始、高野氏がマイクを使って盛り上げていた。合コンに不慣れな店の為に、盛り上げ隊を組織し店に送り込んだ。


「ふくしま屋台村 こらんしょ横丁」。

 参加店舗集めで核となったのは、実行委員長の福地氏が管理する「ふくしま屋台村 こらんしょ横丁」と商業ビル、パセナカ・ミッセで13店舗が参加したこと。これに副委員長の森山氏と高野氏が経営する店舗が加わった。合わせて20社、38店舗が福コンに賛同した。


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき)  2011年7月22日執筆