10月16日に高田馬場駅西口より徒歩3分、早稲田通り沿いにオープンしたのが、「おでんと馬肉　馬場よしお」。あまり前例のないおでんと馬肉の両方を売りにした居酒屋だ。

「最初はモツ鍋中心の店を考えたのですが、もうあちこちにいっぱいあるからつまらない。悩んでいたところ、良い馬肉屋さんと知り合いました。ただ、馬肉専門の居酒屋はちょっとしんどいかなと思ったので、厨房の設備や原材料費も考えて、おじさんに受けそうなのにたくさんありそうであまりない、おでん業態を組み合わせました」と、経営するヨシムラ飲食事業部・角英治部長は、出店の背景を語る。

　ヨシムラは仙台市内に本社を持つ経営コンサルティングの会社で、飲食店は今回が初出店。4月には千葉市内に惣菜店「まいど商店　みつわ台店」をオープンしている。

「おでんと馬肉　馬場よしお」は物件が先に決まっていて、ダイニング居酒屋を居抜きで業態変更の改装をして出店したものである。


外看板。


キャラクターが映える入口。


店内。

“馬場よしお”というユニークな店名は、もちろん店舗が所在する高田馬場に由来するが、「馬」の字が入っていて売りの馬肉もアピールしている。インパクトのある店名なので一度聞いたら忘れられない。

　馬肉は千葉から仕入れており、馬刺しが中心。「極上下降り馬刺し」（980円）、「赤身馬刺し」（580円）、「コウネ刺し（タテガミ）」（580円）、「ふたえご（バラ肉）馬刺し」（780円）など。これらの「四品盛」（1480円）もある。特に「ふたえご」は馬肉通好みの希少部位だ。


「四品盛」（1480円）。

　ユッケやタンスモークのほか、焼肉では「馬肉カルビのにんにく焼き」（580円）が味わえる。今後はさくら鍋や馬肉のコースの投入を予定している。

　おでんは透明に近いダシの京風おでんで、具材は18種類ほどもある。1つ1つの具材は100円〜250円で、スポットでトマトなど、変り種のおでんも提供される。よく出るのは、「よしおのオススメ六点」（500円）、「よしおのオススメ十点」（780円）といった盛り合わせだ。


名物おでん「よしおのオススメ十点」（780円）。

　モツ鍋（2人前より980円）もメニューにあって、醤油、塩、カレーと3つの味が楽しめる。そのほか基本的な居酒屋メニューを各種揃えているので、デイリーにちょっと一杯やっていくには使い勝っての良い店になっている。

　食事も「昭和のナポリタン」（480円）、「おでん出汁茶漬け」（480円）のような特徴あるメニューがある。

　お酒は、第3のビール「麦とホップ」樽詰中ジョッキを250円で出しておりお得感がある。「麦とホップ　男前ジョッキ」（１リットル、730円）は、中ジョッキの3倍以上の分量。オーダーがはいると、ホールの女性スタッフが「○○さん、男前！」と掛け声を出すのでお店が盛り上がる。


麦とホップポスターが大きく目立つ。


「麦とホップ　男前ジョッキ」（１リットル、730円）。


男前ジョッキグラス比較。


男前ジョッキスタンプカード。

　焼酎は一升瓶を豪快にボトルキープするサービスを行っていて、これもこの店ならではのサービスだ。価格は3500円〜4300円で、グラスは350円。

　そのほか、ホッピー、地酒、サワー、カクテル、お茶割り、梅酒、洋酒、マッコリ、ソフトドリンクと各種ドリンクが揃っている。

　顧客は30代、40代のサラリーマンが多く、裏手に点在する中小企業に勤める人たちが特に多いという。客単価は2500〜3000円。

　馬刺し、京風おでん、「麦とホップ」樽詰、焼酎一升瓶ボトルキープと、料理にもお酒にも売りがあって、安易な流行に乗らずに長く地域に根差した店作りを狙っていると見受けられる。店名の面白さ、男前ジョッキといったエンターテインメント性も備えており、日本の居酒屋もまだまだ業態開発の余地があることを、再認識させられた。　


男前ジョッキを注文すると、女性スタッフが「○○さん、男前！」と掛け声。

【おでんと馬肉　馬場よしお】

住所	東京都新宿区4-13-12 柳月ビル2F
電話番号	03-5332-3878
営業時間	17：00〜24：00（L.O.23：30）
定休日	日曜、祝日
客席数	44席
客単価	2800円
目標月商	450万円
開店日	2009年10月16日
経営母体	株式会社ヨシムラ