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ソムリエセレクトのワインに合わせるのは
LYB豚の150円串と、水餃子。
「馬場バル」
(東京・高田馬場/ワイン居酒屋)
第326回 2010年7月27日
塊モモ肉炭火焼き(780円)。
外観。
使用する豚肉はランドレース種(L)と中ヨークシャー種(Y)を交配し、バークシャー種(B)を掛け合わせた豚で通称「LYB豚(ルイビブタ・ルイビトン)」とよばれる静岡産のもの。筋肉質が細くモモでもステーキで美味しく食べられ、又脂肪の融点が32度と他の豚肉に比べて低いのも特徴。まずはこれを150 円均一の9種の串焼きとして提供する。仕入れは養豚場から直接、1頭または半頭で仕入れそれによりコストをコントロール、どの部位も余すところなく楽しんでもらえるようにメニュー構成で工夫をしている。入店してすぐのカウンターには炭の焼き台がありここで一本ずつ焼かれる。
LYB豚の串のメニュー。
炭の焼き台。
他にもLYB豚を塊で豪快にいただける「塊モモ肉炭火焼き(780円)」や「厚切りロース(880円)」等がある。ブロックのまま炭火で焼き上げシンプルに塩とレモンで食べるスタイル。
又もうひとつのウリメニューが水餃子。廣根氏はホテルの中華料理レストランの経験もあり、そこでは旧正月になるとスタッフが水餃子を沢山作り食べていたという。ワインに合わせるのに「「水餃子」というのも新しさがありいいかな」と、そこからヒントを得て看板メニューとしたもの。1皿350円から5種類の味の水餃子がある。具材にある程度の味をつけていて、食べるタイミングでお客はそれぞれのテーブルにセットされた「七味」「柚子胡椒」「特製辛味噌」「マスタード」の4種で好みに合わせて最後にアレンジする。「ワイン好きは自分で調味するのが結構好きなので、そこをくすぐる仕掛けでもあります」と廣根氏。ひとつずつ手作りされる水餃子は熱々でどこかホッとする一品だ。
店内で手作りされる水餃子。
水餃子(350円)。
各テーブルにセット、餃子用の4種調味料。
廣根氏は飲食経営を学ぶ「スクーリング・パッド(東京都・世田谷区)」の卒業生でもある。学校を卒業後、株式会社 LSダイニングの常務を経て独立した。LSダイニング時代には表参道の「haruno」などに関わり「料理屋に近い発想」で店作りをしていたという。定番のポテトサラダやアンチョビガーリック味のポテトフライ(380円)などの即菜もオリジナル性が感じられるのはこの頃の経験からでもあるかもしれない。デザートでは「大人の今川焼き(450円)」が人気、黒豆を蜜で煮て包み込みアイスクリームを添えている。
ワインは廣根氏が自ら10社以上のインポーターと会って決めていった。ボトルは1,800円から、白と赤がそれぞれ20種前後でスパークリングが10種前後、選りすぐりのラインナップが幅広く揃う。珍しいところではインド産で同じ作り手の「スパークリング」「白」「赤」がそれぞれある辺り。特にお勧めの並べてくれた3本は左がインド産のスパークリング「ブリュット・メトッド・シャンプノワーズ(3000円)」、中央が有機野菜のミネラル分とワインにミネラル分を合わせて美味しくいただけるという白ワイン「ミュスカデ セブール・エ・メーヌ(2,400円)」。右は日本の赤ワイン「グレイス・ルージュ・茅ヶ岳(3000円)」。「日本のワインも色々あってお勧めしています」国産は7種類の用意がある。
オススメワイン3本。
グラスやデキャンタスタイルでの提供もありおひとりさまや少人数でも色々な味を楽しみやすい。ワイン以外では「鉄腕ハイボール(450円)」などネーミングが目を引く一品も気になるところ。
ハード面でも工夫が多い。通りに面した入口は、天気のいい日に折りたたんでオープンにできるガラス戸。店前通行人が自然と足を止める。そこから広々したカウンター席(11席)とカウンター内で食材を焼く炭台の様子がすぐにみることができる。
入口。
カウンター席。
カウンター奥にはベンチシートを壁側に作りテーブルを配したスペースがある。最大で15名ほどの宴席に利用できる。をまとまったスペースで設けることができる。
店舗奥のテーブル席。
高田馬場はオーナーが目白のホテルに勤めていた時代から10年程暮らしていたゆかりの地。この地で物件を得て念願の1店舗目をオープンさせた。高田馬場では今まであまりなかったワインと食事をリーズナブルにいただける、毎日でも寄りたくなる一軒になりそうだ。
【馬場バル】
住所 | 東京都新宿区高田馬場2-9-1斉川ビル1階 |
電話番号 | 03-3200-6020 |
営業時間 | 17:00〜翌1:00 |
定休日 | 月曜 |
客席数 | 35席 |
客単価 | 2,600円 |
目標月商 | 500万円 |
開店日 | 2010年7月6日 |
経営母体 | 株式会社KITS |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ) 2010年7月25日執筆
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