10月1日秋葉原駅徒歩３分の立地、ビルの2階にオープンしたのは「なでしこ寿司」。女子が握る本格江戸前寿司として話題になっている。

　カウンターで食べる江戸前寿司といえば、職人と対面で一部の店は更に値段も分からず板長のオススメをいただく高級店がイメージできる。一方で回転寿司の低価格化もすすみその二極化は激しい。同店はすし屋ならではの緊張感や本格感も残しつつ、なごやかで肩肘張らず楽しめる店として「コンセプト」を作りこんだ革新的な江戸前寿司の新店だ。

　店内は木目の高級感あふれる雰囲気。運営継続を考えハードの作りこみはしっかり行ったという。清潔感あるカウンターは17席。又壁にかけられたオススメの「ネタ札」には価格表記はない。


店内カウンター席


ネタ札。

　同店を運営するプロフィティ株式会社（本社・神奈川県鎌倉市）。執行役員の高木智彦氏は「値段の表記がしていないのも戦略のひとつです。こういう店は一般的に入りにくいという敷居の高さがありますが、それをあえて女性スタッフをカウンターに立たせることで緊張感を緩和させつつ、新鮮で「よい寿司」が食べれる本格感、この双方を自然に感じていただければと思っています」と語る。テーブル上には分かり易い価格の載ったメニュー表も置かれている。


卓上メニュー

　握るのは女子だがキッチンをまとまるのは経験を積んだ寿司職人。毎日築地で鮮度のいい食材を仕入れ、仕込みの手順から握りのレクチャーまで全体をまとめる。現在3000円のセットメニューがメインの一本になっているが、食べていただければ納得してもらえるはずと商品力には絶対的な自信をみせる。


店内カウンター。

　この日は特に千葉県からは銚子沖産のかんぱちや館山産のあじ、北海道からは根室産のさんまがオススメ。鮮度のいい食材は全国各地からのものが幅広く取り揃えられている。

　3000円の基本コースでいただけるのは握り10貫とデコ巻き、たまご、茶碗蒸し、野菜スープ、フルーツ盛合せとなっている。（追加で単品の注文も可）　単品換算だと4000円以上の商品が基本のセットコースで約1000円前後も安く提供されてい。


セットメニューにはデコ巻きも。（食材はその日の入荷状況で変わる）

　スタッフの中には寿司といえば「回転寿司」でカウンター席は経験がないという者もいる。オープンから間もないが、お客様の特徴をつかんで対面接客から自分の客にしていくというコミュニケーション技術の習得はスタッフにとっても新鮮で楽しみながら取り組めているよう。ユニフォームは最初黒または白の男性もよく寿司店で着用するタイプのものが候補になっていたという。最終的には「活き」と「明るさ」のイメージがある「はっぴ」に決まった。外国からの観光客も秋葉原は多い場所だ。「海外の方は日本に対し、祭りやはっぴというイメージは既に持っておりそこをくすぐる部分でもこれがいいだろう」とこれに至ったという。


炙りメニューも。

　秋葉原は情報と文化の発信地のひとつであり「女性の寿司職人」という新たな取り組み、今後が楽しみだ。

【なでしこ寿司】

住所	東京都千代田区外神田3-12-15　チチブ電機ビル2階
電話番号	03-3254-6661
営業時間	11:00〜22:00 (LO 21:30)
定休日	年中無休（不定休）
客席数	17席
客単価	4,000円
目標月商	非公開
開店日	2010年10月1日
経営母体	プロフィティ株式会社