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フードリンクレポート


旨味3倍のオリジナルチーズ「芳醇ゴーダ」。
ユーザー目線で質と味にこだわる商品開発力と提案力。

2010.5.31
チーズ、バター、マーガリンは全て国内トップシェアを誇る雪印乳業株式会社。創業大正14年という伝統やトップシェアに奢ることなく、常にユーザー視点に立ち、新しい商品を生み出してきた。レポートは村田麻未。


「雪印北海道100 粉チーズ芳醇」 独自の技術と厳選された素材で作られる種類豊富なチーズ。

一店舗のチーズメニューの開発もユーザーと一緒に考える

 雪印は2004年より、業務用チーズのユーザーに対するコミュニケーションの一つとして、「チーズ開発センター」を運営している。登録無料の同センターウェブサイトでは、メニュープランナーが常駐しており、飲食店などのチーズを使ったメニューに関して、メールレベルでの相談から具体的な商品開発、メニュー提案まで幅広く対応している。他のチーズメーカーでは見られない試みだ。

「チーズを使った新しいメニューを作りたい。」というざっくりとしたイメージでも、「ミルフィーユカツを作るために適したチーズを探している。」、「ハンバーグの上に乗せたチーズが程よく溶けないが何故か?」という具体的な内容でも、チーズに関することなら、何でも気軽に相談できるサイトだ。

「メニューに悩んでいる飲食店の方は多いと思います。不況の中、メニュー開発に力を入れるお店も増えてきました。そんな方々のために、一緒にチーズを使ったメニューを考えています。1店舗からのご相談も大歓迎です。」と森氏。最近の傾向としては、ハンバーグ人気の影響で、ハンバーグに入れるチーズ、上に乗せるチーズの相談や提案も増えているという。

 
「ベイクドソフトゴーダC」 ソフトチーズは耐熱性のあるタイプとソースタイプがありある。

 ニーズに合わせて、ソフトチーズが適しているのか、シュレッドか、スライスかという形状と共に、パルメザンやゴーダ、モザレラといった種類も様々。ケースごとに具体的な提案をしてくれる。


「雪印北海道100 とろ〜りモッツァレラ北海道シュレッド」 モッツァレラ70%とゴーダ30%のシュレッドタイプ。

クライアントと一緒に考え、メニュー開発を行うというスタンス。小規模店舗の開発にも協力してくれるというのが心強い。チーズは仕入れていても、仕入先の問屋は中身の提案まではなかなかできないもの。問屋ができないことを、老舗メーカーとしての多くの経験とノウハウ、豊富な商品ラインナップでサポートしてくれる。ロットにもよるが、オリジナルチーズの開発も可能だ。

→「チーズ開発センター


質と味にこだわった高い商品開発力

 同社は、新商品の開発にも積極的に取り組み続けている。中でも「雪印北海道100 芳醇ゴーダ」は、旨みが強く存在感のある味と共に、ダマになりにくいので使い勝手が良く好評だ。独自に開発し特許を取得した乳酸菌、ヘルベ菌を使い、なんと旨み成分は通常チーズの約3倍(同社比)。独自の製法で熟成期間も短縮できたため、価格も抑えられた。

“芳醇”というだけあって、通常のゴーダとは全く違うその旨みたっぷりの味わいは、用途も広い。クラッシュタイプ(5mm角程度のダイス状)と粉チーズタイプがあり、前者は存在感を活かして生のままサラダのトッピングに使ったり、加熱しピザ用チーズとしても利用できる。


「こだわりゴーダチーズクラッシュ」 芳醇ゴーダ100%のクラッシュタイプ。

 料理だけでなく、デザートにも使えるチーズの品揃えも豊富。今春から発売になった「雪印北海道100 クリームチーズ リッチ」は、同社専属のパティシエがフレッシュ感とコクにこだわって開発したこだわりの一品。選りすぐりの乳酸菌を使用し、スッキリとした「さわやかな酸味」でフレッシュ感を出し、生クリームを添加することでこれまでのクリームチーズにはなかった贅沢なコクを出している。この風味を活かして、レアやスフレのチーズケーキはもちろんこと、パンのトッピングや練りこみにも使えて汎用性が高そうだ。


「雪印北海道100 クリームチーズリッチ」 今春から発売の新商品。

 両商品の頭に付いている、「雪印北海道100」の文字。これは、北海道産100%の生乳で作られたという証拠。食の安全性が叫ばれる昨今、消費者の国産志向はますます高まりを見せている。そして、資源価格高騰の影響を受け、輸入原料の価格変動も激しい。そんな中で、同社は国産100%の原料を使い、消費者ニーズにも対応した、安心安全で価格の安定した商品を作り出しているのだ。

 ユーザー視点に立った提案、開発を実践する同社の今後の新たな展開に注目したい。


雪印乳業株式会社

【取材・執筆】  村田 麻未 (むらた あさみ) 2010年5月19日執筆


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