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フードリンクレポート


”泡”で広がるメニューバリエーション。
「エスプーマベース」の活用が話題に。

2010.7.29
エスプーマとはスペイン語で「泡」の意味、スペインにある有名レストランでこの空気のように軽い泡を料理に使ったことは世界中に驚きを与え話題となった。その後この調理法は様々なレストラン、多くのシェフに取り入れられ新しい味の世界を作り出してきた。キユーピー株式会社(本社・東京都渋谷区)が開発した「エスプーマベース」はこの「泡」を自社独自の技術を活かした製法で、そのまま冷凍状態に仕上げたソースベースである。これを活用すれば特別な調理技術がなくても簡単に新しい食感のメニューを開発できるという。「エスプーマベース」を上手に活用しお客様満足度アップにつなげているという飲食店にその取り組みと現況について伺った。レポートは国井直子。


ふわふわ汐留焼き「鉄板デ焼ク酒場 汐留バル7」。

手軽さがウリの魚串専門店

 神楽坂の「魚串 さくらさく」(運営:株式会社アントレスト(本社・東京都新宿区))は日本初の魚串専門店として昨年5月にオープンした。鮮度抜群の魚を1本1本串打ちし、一本からでもお一人様からでも気軽に立ち寄ることができる。

「お通し代もないので、一杯で仕事帰りにちょっと立ち寄られる方も多いですし、その手軽さをお店の一番のウリにしています。その中で『エスプーマベース』は調理する我々にとっても扱いやすく、勿論オーダーするお客様にとっても手軽な一品として喜ばれています」と語るのはスタッフの田邊勝輝さん。


「魚串 さくらさく」店前。


店内。


「エスプーマベース」を使用したメニュー3品をポップで紹介。


具入りが可能なソースベース

 「魚串 さくらさく」の「エスプーマベース」活用メニューの中でも一番のオススメが「おつまみ枝豆のエスプーマ風(399円)」。

 枝豆をやわらかめに煮てフードプロセッサーにかけ、枝豆の形が少し残った状態で「エスプーマベース」と混ぜあわせる。全体に味付けをした後、クラッカーにディップとしてのせて提供しているという。調理方法も簡単でフレッシュな豆の香りはそのまま口の中に広がり「エスプーマベース」と混ぜ合わせたことで食感もふわふわ。塩茹での枝豆は単品としても既にメニューにあるものの、同じ提供価格で新しいメニューの幅をもたせることが出来たのは「エスプーマベース」があったから。

 グラスワインは550円から各種用意がありワイン片手につまみを楽しむ女性客などには、枝豆そのままよりもこのディップスタイルの新メニューがとても好評だという。


おつまみ枝豆のエスプーマ風「魚串さくらさく神楽坂店」。


高い泡の保持力「エスプーマベース」

「エスプーマベース」は卵白を主原料にした泡のソースベース。泡の保形力が高く既存のメニューにそのままプラスするだけでも新しい食感を提供することができる。 

「魚串 さくらさく」ではハイボール人気にあやかり各種ハイボールをグランドメニューとして既に用意しているがそれにプラスして「トマト柑橘エスプーマ風ハイボール(471円)」を考案。

「エスプーマベース」の泡の保持力を上手に利用しグラスの中に層を作って提供、お客様には混ぜてもらってお召し上がりいただくスタイル。シークアーサー果汁とトマトジュースを角ハイボールにブレンド、トッピングされた赤いプチトマトも夏らしくかわいらしい演出。


トマト柑橘エスプーマ風ハイボール「魚串さくらさく神楽坂店」。


全面ガラス張りの光降るカフェ

 霞ヶ関ビルにある「Sign 霞が関」(運営:株式会社トランジットジェネラルオフィス(本社・東京都目黒区))は全面ガラス張りの光あふれるカフェ。メニューや内装の色使いもポップでかわいらしく空間全体は明るい雰囲気、女子会などでも評判のよいカフェバー。カフェやデザートメニューは元々バリエーションが多くありお客様に喜ばれている要因のひとつだが、これに加え「エスプーマベース」を使用したメニューが6月から新たに登場した。


「Sign 霞が関」 外観。


入口。


店内。


天井が高く、解放感がある。


既存メニューの幅を手軽に広げられる「エスプーマベース」

 パスタメニューの定番「カルボナーラ」は既にグランドメニューにある人気の逸品だがこれに「エスプーマベース」を活用し新メニューを開発した。カルボナーラ本来のコッテリとしたボリューム感の中にオレンジの香りをプラス、その名も「ふわふわカルボナーラ 〜オレンジエスプーマ仕立て〜(980円)」。「エスプーマベース」にオレンジピールを混ぜ合わせカルボナーラにトッピングすることで軽さと爽やかさを演出し夏らしいカルボナーラとしている。

 ドリンクのカフェメニューでは「ココア」をバージョンアップ。通常の「ココア」という商品は勿論あるが、それに「エスプーマベース」とコアントローをブレンドしたメニュー「ふわふわオレンジのビターショコラ(650円)」だ。「大人のココア」として「ココア」を選ばれた方には特に「こんなのもありますよ」とオススメしているという。

 カフェで期待するのがやはりデザート、同店ではデザートにも「エスプーマベース」を活用している。カクテルの「グラスホッパー」にヒントを得たという、その新メニューは「ふわふわカカオプディング 〜ふわふわミントソース〜(ノンアルコール)」。カカオベースのプリンの上にミントシロップでうすいグリーンに色づけした「エスプーマベース」をかけている。色も爽やかで涼しげ。「エスプーマベース」は冷凍で仕入れ必要なときにすぐ解凍でき、簡単に色や香りや味がつけられる。


エスプーマベースを利用したメニュー。


ふわふわカルボナーラ 〜オレンジエスプーマ仕立て〜「Sign霞ヶ関」。


ふわふわオレンジのビターショコラ「Sign霞ヶ関」。


ふわふわカカオプディング 〜ふわふわミントソース〜「Sign霞ヶ関」。


深夜帯、食事も充実で使えるバル

「鉄板デ焼ク酒場 汐留バル7」(運営:株式会社ワイズクルー・コーポレーション(本社・東京都新宿区))は新橋駅近く汐留寄りに位置する1〜2階のバル。通りに面した1階はガラス張りで中の様子が通りからも見え開放感がある。鉄板でしづる感あふれる料理を深夜帯までしっかり楽しめるので近隣の商社やテレビ局などのサラリーマンを中心に遅い時間もにぎわっている。

 フードメニューではロースカツや若鶏の香草焼きなどを豪快に鉄板で焼き上げてそのままテーブルに提供するなどボリューム満点のものも豊富。特に「バル7焼き(924円)」は7種の具材が入ったオリジナルのお好み焼きで一番の人気のメニュー。


「鉄板デ焼ク酒場 汐留バル7」2階。


1階。


お好み焼きのソースに「エスプーマベース」

 今回この「バル7焼き」をベースに、お好み焼きの地を変え更に「エスプーマベース」を活用した新しいソースをかけた「ふわふわ汐留焼き(924円)」を開発した。生地にはじゃがいもを使用していた部分を山芋に変更、ヘルシーなそれとなった。上にかけるソースは「エスプーマベース」にからしとマヨネーズをあえたことでふわふわの軽い食感のソースとし、最後に白いソースの上に角切りのトマトをトッピング。

「エスプーマベース」は「耐冷耐熱性」で熱々のお好み焼きにかけてもその「泡」を失わない。見た目にもよくなり、他のテーブルに運ばれる様子をみている他のお客様がつかさずオーダーされ芋づる式に出数は倍増、定番の「バル7焼き」をぬいてしまったという。


ふわふわ汐留焼き「鉄板デ焼ク酒場 汐留バル7」。

 他にも同店の人気ナンバーワンメニューに「エスプーマベース」が使われている。カマンベールチーズを丸ごと一個使用した「カマンベールチーズ フワフワステーキ(1260円)」がそれだ。カマンベールチーズとトマトをそれぞれ鉄板で焼いてサンドにしている。バゲットを添え、とけたチーズをつけていただく。ボリュームがあって満足できるがチーズだけでは飽きてしまうだろうと添えられたのが蜂蜜と「エスプーマベース」を混ぜたふわふわの甘いソース。元々チーズと蜂蜜は相性がよく好まれる組み合わせだが、これに「エスプーマベース」を活用することで重すぎないソースを作りだし同メニューが最後まで楽しんでもらえるように工夫されている。


カマンベールチーズふわふわステーキ「鉄板デ焼ク酒場 汐留バル7」。


エスプーマベースを使用したメニュー。

「ふわふわ食感があらゆるメニューを革新させる」と銘打って開発されデビューした「エスプーマベース」。冷凍で在庫面でも調理面でも現場にとっては取り扱いやすく、また耐冷耐熱性で何を混ぜ込んでもそのふわふわ感を演出できるというすぐれもの。よく考えられた同品は「フード」「デザート」「ドリンク」のどれにおいても、新感覚を与え続けてくれそうだ。


【取材・執筆】 国井 直子(くにい なおこ) 2010年7月19日執筆


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