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フードリンクレポート


女性に伝えたい、”白州森香るハイボール”。
サントリー酒類株式会社

2010.8.3
ハイボール人気とともに、ウイスキーを飲み始めたという女性が増えている。ウイスキーの中で、優しく爽やかな味わいのサントリー「白州」が今年1〜6月で前年比25%増と好調だ。その「白州」を使ったハイボールを、女性や若者などのウイスキーエントリー者向けの切り札としてサントリーは展開を始めた。レポートは安田正明。


”白州森香るハイボール”。「六本木農園」にて。

森の蒸溜所、白州

「白州」がつくられているのは、南アルプス甲斐駒ケ岳のふもと、山梨県北杜市にあるサントリー白州蒸溜所)。山崎蒸溜所の開設から50年目の1973年、新しいモルト原酒づくりを目指して白州蒸溜所は生まれた。

 日本の名水100選に選ばれた尾白川でも知られる名水の地であり、約26万坪、東京ドーム約64個分の南アルプスの広大な森に囲まれている。ウイスキーの本場、スコットランドにもない、世界でも珍しい森の蒸溜所だ。


南アルプス甲斐駒ケ岳のふもとにある、白州蒸溜所。

「白州」はその森の環境の影響を受けて育まれ、、味覚は「自然」「優しい」「女性的」「若葉の香り」などと表現される。「白州」には10年と12年、18年、25年がある。10年はキレがあってすっきりして飲みやすく、12年はスモーキーでクリーミー。

    
「白州」10年(左)、12年(右)。

 今まで「白州」は、「山崎」の販売量の約10分の1程度で、ウイスキー通好みのブランドと言われてきた。ところが、最近のハイボールブームで若い女性も「白州」に手を伸ばし始めた。その契機となったのが、ユニークなネーミングの”白州森香るハイボール”。


”白州森香るハイボール”で森林浴気分

”白州森香るハイボール”とは、「白州」10年や12年をソーダで、理想的には1:3で割る。そして、最後にミントの葉を添えることをおすすめしている。割る比率は、お好みで。ミントの葉を添える際に、ミントの葉をパンと両手にはさんで叩くと、若葉の香りが引き立つ。リラックスやリフレッシュでき、森林浴気分を味わえるドリンクだ。

 もともと「白州」は若葉の香りが立ち、ミントの葉との相性が良いことがサントリー社内では知られていた。昨年、まず、バーでお客様に提供してもらったところ好評で、さらに、白州蒸溜所の来場者に試したところ、特に女性やウイスキーが初めてのお客様に好評。そこで、昨年から大々的に”白州森香るハイボール”を広める活動をサントリーは始めた。

 先行して扱う「ディプント」(東京・銀座)では、女性客が多く、女性客のドリンクの4〜5割が”白州森香るハイボール”という。また、「NOS ORG(ノスオルグ)」(東京・渋谷)では4月にブロガーを集めたセミナーを行い、女性ブロガーに大好評だったという。

「飲んだ方からは、爽やかですっきりしていて飲みやすい、と言われました。森香るハイボールスタイルで飲用いただくと旧来のウイスキーのイメージではなく先入観を持たずに楽しんでいただけるようです。業務店様には森の蒸溜所のイメージを強化するため白州オリジナルの緑のうすはりグラスを開発したり、森林浴気分を味わっていただけるようビジュアルにはこだわってメニューへの掲載をお願いしています。お客様からは白ワインのように飲める、ともご意見いただいており、様々な料理とも楽しんでいただきたいと思っています。」と、マーケティングを担当する荒木由香氏(スピリッツ事業部 ウイスキー部)は語ってくれた。


荒木由香氏(サントリー酒類株式会社 スピリッツ事業部 ウイスキー部)。

 今後、”白州森香るハイボール”を扱ってくれる店舗を増やしていく計画だ。特に、森の蒸溜所という世界観が伝わるような、店内や料理の素材にナチュラルな空気感があったり、オープンエアの店にはピッタリの商材だ。女性やウイスキー初心者の多い店でも話題になるだろう。

 角瓶にトリスも加わり、ハイボールブームはまだまだ続きそう。ハイボールは深化するとともに、ウイスキーユーザーも増えている。ちなみに、「白州」の販売量の6割は家庭。家で「白州」をじっくり楽しむ女性も増えているそうだ。今後も、ウイスキーの動向に注目していきたい。


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年7月12日取材


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