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フードリンクレポート


上場のメリット、デメリットを徹底的に考えた末の決断。
〜上場廃止という選択。既成事実に縛られない経営体制で再スタート。〜(5−1)
林 祥隆氏 株式会社ワンダーテーブル 代表取締役社長

2010.8.8
現在20業態、63店舗を国内外に展開する、業界大手の株式会社ワンダーテーブル。東証二部上場企業として事業を展開してきたが、今年4月、上場廃止の決断を下した。廃止に至った理由とその後の反応、そして、現在の業態展開や海外進出について、代表取締役社長の林氏に聞いた。5回シリーズ。レポートは村田麻未。


林 祥隆氏(株式会社ワンダーテーブル 代表取締役社長)。

上場のメリット、デメリットを徹底的に考えた末の決断

「モーモーパラダイス」や「東京ベリーニカフェ」などで知られ、「バルバッコア」や「ユニオン スクエア トウキョウ」など海外ブランドの国内展開でも有名な株式会社ワンダーテーブル(以下、ワンダーテーブル)が今年4月、上場を廃止した。上場したくても、上場できない飲食業界の企業が多い中、同社がこのタイミングで上場を廃止した理由は何だったのか?

「何のための上場か?上場していることのメリットとデメリットを全て洗い出し比較して考えたとき、上場をやめるという結論に至りました。」と語るのは、同社代表取締役社長の林祥隆氏。


「ユニオン スクエア トウキョウ」の店内。

「上場の意味を考えたとき、会社にとってのメリットは資金調達がしやすくなり、上場企業というステータスにより、良い人材も集まりやすいという点です。しかし、資金面では、上場し続けることもそれだけでコストが年間数千万単位でかかります。法的な報告義務や手続きがあるためです。そして、株主には配当を支払わなければなりません。仮に上場していなかったとして、銀行から資金を借りることを考えたとき、その利子が上場コスト+配当より少なかったら資金面でのメリットはなくなります。今は、お金の集め方もいろいろです。上場していなくてもできると思いました。」
★続く

【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ) 2010年7月23日取材

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