フードリンクレポート
「再生」がキーワード。
〜ちょうちん、すだれ・・どこか懐かしい路地裏の横丁。横丁文化の歴史と進化を追う。〜(7−5)
2010.8.20
「横丁」という言葉と文化は韓国のソウルで発達したともいわれソウルにはその名残が多い。古くからの食文化を守り続けている店も少なくないこの街で、伝統ある飲食店は表通りから一本奥に入った路地裏に集まっている。大通りを貴族が馬で通っていた頃(朝鮮王朝時代)、庶民だけが気兼ねなく通れる細い路地が大通りを避けて作られ、そこに「庶民の憩いの場」として飲食店が軒を連ね人が集まり横丁は出来上がっていった。東京都内にも50年以上の時を経てそのままの形で残る横丁がいくつかあり今も賑わいをみせる。一方で近年、商店街再生事業をひとつの目的とした「横丁ブランド」と称される「プロデュース型横丁」もオープンラッシュが続く。「横丁」のもつ「魅力」と「味わい」は何なのか、そして人はなぜ横丁に集まるのか。7回シリーズ。レポートは国井直子。
「恵比寿横丁」 外観。
・「再生」がキーワード
その後浜倉氏は2008年5月に「恵比寿横丁」をプロデュースしオープンさせる。ここはかつて「山下ショッピングセンター商店街」が栄えた場所でありその「再生」がテーマとなった。48坪の敷地に13店舗13業態の大衆的な居酒屋が集まり長いこと閉ざされたいたシャッター通りが「再生」されている。全体としては大衆的な雰囲気がむんむんする中、店内には恵比寿の若者が多く集まり活気にあふれている。
「恵比寿横丁」 内観。
2009年に入ると5月に「肉の殿堂 総合商店」と称し「神田ミートセンター」(神田駅徒歩3分・80坪・約223席)、12月に魚貝をテーマに「品川魚貝センター」(JR品川駅高輪口徒歩1分・31.2 坪・約136席)をオープンさせた。どちらも素材をテーマにしていることはタイトルからもわかり易く、更に「横丁」ではなく「センター」と呼称を変えそれを強調している。
★続く
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