フードリンクレポート
コンセプトは要らない、お客さんがコンセプト。
〜独自の手法で人気のカフェを次々とプロデュースし、「カフェを通した街づくり」を実践する〜(5−4)
入川秀人氏 入川スタイル&ホールディングス株式会社 代表取締役
2010.8.30
カフェブームの先駆けとなるキャットストリートのWIRED CAFEを始め、これまで数多くのカフェを創造するとともに、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」やユニクロの新業態である「UT STORE HARAJUKU」の店舗プロデュース、東急電鉄沿線の街づくりの他、業態開発や店鋪開発から企業ブランディングまで、幅広い分野のプロデュースを手掛ける入川氏。新たにオープンし話題となっている、豊洲の「CAFE;HAUS」、六本木一丁目の「ARK HiLLS CAFE」を例に、カフェを通してコミュニティを創造し、街を変える、そのプロデュースの手法とカフェづくりに対する思いを聞いた。5回シリーズ。レポートは村田麻未。
古材などの質感を活かした「ARK HiLLS CAFE」店内。
・コンセプトは要らない、お客さんがコンセプト
昨年9月に六本木一丁目のアークヒルズにオープンした「ARK HiLLS CAFE(アークヒルズカフェ)」。このカフェも、日常のちょっとした喜びを得られる“自分らしくいられる場所”を目指した、サードプレイス創造の代表的なケースである。
「アークヒルズ周辺の住民は、“日本一の住民”だと思うんです。世界中を渡り歩いている人、お金や時間にゆとりがある人、そんな人たち。事実、周辺1km圏内に住む住民で年収が一千万円以上の人が85%を占めています。また30%近くが外国人の方で、その割合は、東京23区の平均である4%をはるかに上回っています。」と入川氏。
この店をプロデュースする際もフィールドワークを行い、周辺住民の着ている服や持ち物などから、そのスタイルを徹底的に分析した。
「ARK HiLLS CAFE」のテラス。近隣に住む外国人の姿も多い。
★続く
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