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フードリンクレポート


発行部数1000万の情報誌で培ったノウハウとネットワークを活かす。ファミリー向けクーポン共同購入サイト「CooPa(クーパ)

2010.12.29
ここ最近急増している掲載料が無料のクーポン共同購入サイトだが、それぞれに特徴や強みがある。その強みを理解してこそ、クーポンを最大限に活用できるのではないだろうか。今回はそんなクーポン共同購入サイトの一つにスポットを当て、その強みと活用方法について探る。


株式会社CooPaの執行役員高柳氏。

 24年前「情報誌ぱど」を創刊し、フリーペーパー、ウェブサイトを多数展開。グルメやビューティー、スクール情報など生活に密着した便利で有益な情報を提供し続けている株式会社ぱど。今年の8月5日、新たにクーポン共同購入サイト「CooPa(クーパ)」をスタートさせた。


情報誌の発行部数は1000万部以上。

 クーパの最大の特徴は、リーズナブルな価格のクーポンが多いこと。ファミリー向け業態のクーポンも多い。ボリュームゾーンは、1000円台。コース料理のクーポンなら2500円程度が多い。株式会社ぱどの子会社でクーパの運営を行っている株式会社CooPaの執行役員高柳氏は、「身近な価格の店の方が、次の来店につながると考えています。一度来てもらってこそ、次に来てもらう仕掛けができます。新規の来客数が欲しい、これまでと違った層を取り込みたいなどのご要望にも適していると思います。」と話す。しかも、新規顧客の獲得だけではなく、クーパをきっかけにして来店してくれたお客様が再来店し固定客化する事例が増えているという。情報誌で培った集客経験を活かせるクーパだからこその強みと言える。


「CooPa」トップ。

 そして、クーパの営業ならではの強みは、1000万の発行部数を誇る情報誌ビジネスで培ったネットワークを活かした営業担当者による地域密着型のサポート。ぱどの営業担当者がクーパも扱っているため、まだクーポンサイトを使ったことのない店舗でも、どう使ったらいいのか?という基本的な質問から、安売りになってしまうのでは?という不安の解消まで、彼らが直接足を運んで、丁寧にフォローをしてくれる。クーポン内容の提案はもちろん、原稿作成もしっかりサポート。これまで情報誌で築いてきた関係性とノウハウが信頼につながっている。

 首都圏以外の都市での展開もクーパの特徴の一つ。現在、仙台、福岡、広島のサイトを立ち上げている。9月から開始した仙台も好調。ブッフェのクーポンが1500枚完売したり、ラーメンのクーポンが500枚売れるなど、場合によっては東京よりも売れるケースがあるという。しかも、仙台の中心部だけではなく、郊外の店舗でも売れ行きがいい。来年は、群馬、大阪エリアのサイトも立ち上がる予定とのこと。


1500枚を売り上げた仙台でのクーポン。

 郊外に関しては、首都圏の郊外でも活用事例が多い。例えば、埼玉の北戸田にある駅からも距離がある居酒屋のケース。店内のいけすで泳ぐ新鮮な海鮮を使ったコース4000円を1980円で販売したところ、予想以上の売れ行きを見せ、100枚近くが売れた。海鮮を贅沢に使ったという内容もさることながら、以前から店との信頼関係の厚い、ぱどの営業担当者が書いたおすすめコメントも功を奏したとみられる。各クーポンには、「クーパからのおすすめコーナー」というコメント欄があり、店のことをよく知る営業担当者がユーザーの視点も踏まえておすすめポイントを紹介しているのだ。これが、店からの情報に説得力を与え、クーポンを選ぶ立場としては参考になるのである。


北戸田の居酒屋で企画されたクーポン。


おすすめポイントには説得力あり。

 この事例からもわかるように、立地の良くない郊外の店舗でも、クーポンの内容に魅力があり、その良さがきちんと訴求できていれば、クーポンを使った集客が十分に可能なのである。しかも、一度来てくれたお客様が、再来店してくれることも多いとのことだから固定客の増加も期待できる。


「情報誌の時代から大切にしているのは、常にお客様により良い提案を行うことです。店舗とお客様のために、より効果の上がる集客支援を提案させて頂いています。クーパもそのツールの一つです。」と高柳氏。この徹底的な顧客視点と長年の間に培った高い信頼性がぱどグループの最大の魅力であり、強みなのだろう。来年以降、さらにパワーアップするクーパ。飲食店の強い味方になりそうである。

ファミリー向けクーポン共同購入サイト「CooPa(クーパ)」

【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)  2010年12月27日取材


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