メディカル・レストラン

メディカル・レストラン

第9回「きだんち」

2007.1.26
現役の医師が、健康になれるグルメ情報をお伝えします
 
 あけましておめでとうございまーす。 本年も「美味しい物が食べたーい!」と言う百八つどころか1年では1日3回×365=1095個の煩悩をキッチリと科学して皆様の健康に貢献出来ます様、頑張る所存でございます!(ラボ所長は食いしん坊なので1日に5回ほど煩悩が訪れるので本当はずっと多いんですけどね、笑)

 さて、百八つの除夜の鐘を聞きながらの初詣、おせち料理に朝シャン(朝からシャンパン、笑)、そして七草粥もとうの昔に終わりをつげました。その後は。。。そうで〜す。良い子は豆まきでちゅよね〜〜って!・・違うでしょう!!その前に良い歳したオトナは新年会の季節でしょー!!

 その新年会。ワイワイとくだらない話などしながら食べるのは楽しいですが、幹事さんはワイワイする場所の設定に際し皆さんの懐具合を考えつつお腹も満足させないといけないので大変ですよね。。。

 そうなると幹事長さんの頭に浮かぶのは「〜民」系チェーン店でしょうか。確かにCP的には優れているので私も幹事の時はついついその方向に走りがちでした。勿論、私は「〜民」系の店舗を否定する者ではありませんが・・毎回となりますと「今年も?!芸がないよなぁ〜。。。」とみんなにぼやかれてしまいますね。

 そこで今晩のお店は如何でしょう?新年会にも使える所の紹介なのですが・・なんと鉄板焼き!鉄板焼きは鉄板焼きでも、良くある全員カウンターの前で白い前掛けさせられて(幼稚園じゃあるまいし)一見バブリーで美味そうなのですが味はイマイチならぬイマサンのお店とは「木だんち」は『だんちがい!爆』に違うのであります。

 今回ラボスタッフ達とはカウンターで頂戴しましたが、テーブル席もありますので新年会で人数が集まってもCPの良く美味しい鉄板料理が食べれます。場所はテレ朝通り。入り口は見過ごしてしまいそうな幅で食後はお腹がつかえて通れないかも?(笑)そこを通り2階にどーぞ。大黒様といいますか。。。ピーターパンの海賊の1人に木田さんにそっくりなのがいるんですが。。。とにかくステキな笑顔でお出迎えしてくれるはずでーす。


「きだんち」

(住所)東京都港区西麻布3-3-3 2F
(電話)03-3403-8989
(営業時間)月〜土 18:00〜27:00(L.O.26:00)
        日祝 18:00〜23:00(L.O.22:00)
(定休)火曜日

 
さて、席に着きましょう。今夜の所長の夕食は、

1、付きだし
2、海鮮盛り(鉄板焼)
3、ミニサラダ
4、大山(ダイセン)高原の鶏のモモ焼き(鉄板焼)
5、キムチ盛り合わせ
6、豚ホルモンキムチ(鉄板焼)
7、特選コロコロ焼き(鉄板焼)
8、豚玉(鉄板焼)
9、豚キムチ丼
10、大葉シャーベット

 いやーーー。。よく食べましたわぁ。いかんいかん反省です。所長が「おまかせ」で頼んだので木田さんが男のラボスタッフの体格を見て大盛りにしてくれましたが・・・ちょっと食べすぎちゃいました。1品多かった気がします。しかしご覧のように海鮮盛り以外は一品一品の量もおさえてあり、鉄板焼の合間にサラダやキムチのツナギを入れて単調にさせない気遣いが嬉しいです。


海鮮盛りの鉄板焼

 まずは海鮮盛り(アナゴ、紋甲イカ、カジキ鮪、牡蠣、マテ貝)の鉄板焼が美味い!みんな表面はカリッと微妙に火を入れ焦げみが香ばしく、中はほぼレアの状態で程よく水分が抜けて旨みが濃縮されています!どれもこれもスターターにして今晩の素晴らしきコースの全作品を予感させる焼き物でした。そして、その中に我々はノロウイルスが真っ盛りの本年の冬にあえて牡蠣も入れてもらいました。
 今回のノロウイルスの大流行!私のクリニックでも大勢の患者さんがノロにやられて点滴されましたが、牡蠣を食べて発病した人なんて1人もいりゃーしません。牡蠣に罪はないですよ!(牡蠣業者の方々の多大なる損害はかわいそうです)美味しい牡蠣が食する事なく沢山捨てられたことでしょう。牡蠣を弔うためにもあえて注文!とっても大ぶりで美味しい牡蠣でした。そしてラボスタッフ全員私も含めぜ〜んぜん下痢などしないし問題なかったです。


モモ焼


黒毛和牛のコロコロ焼き

 モモ焼はプリプリしてて柚子胡椒と一緒に食べると「華味鳥」にも負けぬ美味しさです。A5(コピーのサイズではありません。特選の肉のランクの事です、笑)の黒毛和牛のコロコロ焼きも量も抑え目でヘルシーです。そしてどの品も細ネギがタップリと振りかけてあるのが嬉しい〜♪関西のお好み焼き屋さんでは定番の豚玉はご存知でしょうか?豚肉をお好み焼きで巻いたものです。さすが木田さん!一時の関西ブームで乱立したお店の味とは一線を画しております。

豚玉


ブタキムチ丼

 そして最後のトリはトリキムチ丼じゃなかったブタキムチ丼〜笑。実はこれは賄い(マカナイ)料理なんです。以前所長がこれを作っている木田さんを目撃!「オイオイ。その美味そうな物どこいくんだよー。裏に持ってくって事は賄いかい?!」「えっへっへっ。。」「えへへじゃないよ。俺にもくれよー!!自分だけ美味しい物食べるなーーー!!」「ちょちょちょっと・・そんな大きな声出さないで下さいよ〜作りますから。。」「ムフフ。。」で、ゲ〜〜ット! その美味い事!「なんでこれメニューに載せないの?」「。。。だって。。そしたら皆これだけ食べて帰っちゃうからですよ。。」「ナルヘソね。。」てな事でこの丼だけの飲食は禁止です。そしていつも作ってくれるとは限りません。顔を覚えてもらうまで根気よく通いましょ〜♪。木田さんは記憶力いいからすぐに覚えてくれますよ〜笑。

木田さん

所長のコメント:
 今回の見をあらためる「鉄板焼き」のメニュー構成をご覧下さい。お判りになりましたでしょうか?そう。。魚介類にはじまり、鶏、豚、牛と続きます。そしてその合間にお野菜なども組み込んでおります。蛋白の含有量に優れた豚肉の比率が多いのも特徴で、本当にバランスが完璧な献立になってますよね。素晴らしいと思いませんか?
 そして一品一品を改めて検証しますと・・主たる肉やら魚やら玉子の中や横や下に野菜がなんとなく。。。それでいてしっかりとあちらこちらに存在しております。「うん!このモモ焼美味いがな。」とか思いつつ一緒にお野菜が口に入り、「ほ〜。コロコロしてるけどこの肉ちゃんと主張してるじゃん」とか思いつつ一緒にお野菜も食べている自分がそこにあります。

 これです!一皿一皿にお野菜を毎回添えて各々違う風味で少量づつ食す!

 1皿にサラダをドンと盛って出せば良いって物ではありません!1発で決めるホームランもいいですが後が続かないと勝てません。バンドとヒットでコツコツと点を取る方が確実に点が稼げる事もあります。右のフック1発で仕留めるのはボクサーとしてカッコいいけど難しい。鋭いジャブが毎ラウンドに当たっていれば判定で勝利する確率は高いですよね。

 チリも積もれば山となる。野菜も積もればゴミになる・・じゃない健康になります!!

・・と言う事で、遅くなりました!今回の『健康×美食ラボ』からの提案は、


「プチ野菜を摂取する!!」


 皆様は馴染みのお店の料理はどんな物がお皿に乗ってくるか判ってますよね。「プチ野菜の入っている献立を選んで自分なりのメニューを作る事」=「健康に良いコース」を作り上げる事になります。

 アラカルトなんて言ってますが、良く考えてみればお店のコースに頼らず自分でその日の食べたいコースを作成するわけです。美味しく、それでいて身体に良い物が選択できるのですから・・後の責任はご自身にある事になりますよね。

 イタリアンやフレンチのプリフィクススタイルなどでもお店の人から説明を聞けばそのお料理の想像がつきますし・・本当のお馴染みさんにでもなれば贅沢を言ってプチ野菜をアレンジしてもらい全ての献立に入れてもらう事も可能なのではないでしょうか。

 これはご家庭でも実行できるワザですね。火を通せが生より量も多く食べれますので食物繊維としての量も十分摂取できることになります(今回かなり鯨飲馬食をしてしまい、「大失敗!」と思ったのですが帰宅後早くもお腹が苦しくなくなったのはプチ野菜の量が多かったからかもしれません、笑)。

 お子様に野菜を食べさせるのは一苦労です。繊細で味の濃くない野菜はどうしても魅力的でないらしく子供達からは敬遠されがちです。昔から「ハスの天ぷらを好きになったら大人になった証拠」。。なんていいますがレンコンの味はまず子供には理解困難ですもんね〜。そんな子供達も肉や魚と同時に野菜をお口に入れれば味も濃くなり気がつかないうちに食べてくれるのではないでしょうか。

 地道な作戦も場合によっては偉大なる作戦になることがあります。それも1日3回として年間1095回もある食事です。毎回のプチ野菜の蓄積は生半可な量ではありません。健康を目指してコツコツとプチ野菜作戦を今から実行いたしましょう。

 さて、話は変わりまして最近「血管年齢」って単語が巷で度々聞かれますね。患者さんからも「先生、血管年齢を測定して下さーい。」てな事を言われることもあります。そこで、「血管年齢を測る意義を知ってますか?」と問いただしてみますと、「血管が硬くなってくるからそのボロボロ度がわかるんじゃないの?つまり〜。。動脈硬化で血管がつまって脳血栓や心筋梗塞になる確率がわかるんじゃない?」てな返事が返ってきます。

 実は「血管年齢」なる言葉は日本独特で海外ではあまり用いられる事はありません。ところが日本では、患者さんの手足の動脈の脈波速度を測定したり脈波の形をを解析して年齢にあてはめて「あなたの血管年齢はXX歳ですよ。」なんて言う事があちらこちらで行われております。

 ところがこの「血管年齢」は動脈硬化は動脈硬化でも脳卒中や心筋梗塞などをおこす引き起こす血管の一番内側に生じる粥状動脈硬化の診断をしているわけではないのをご存知でしょうか。

 動脈硬化と言いましても実は色々あるのです。そして、もっとも問題になるのは心臓や脳の血管がつまってしまう粥状動脈硬化です。その病態は血管の一番内側の内膜の細胞が様々な病因により障害をうけたり、処理しきれないコレステロールなどが内膜に沈着する事で生じます。粥状動脈硬化をなるべく軽い程度に抑えたいがために、内科医は病因になる高血圧や高脂血症や糖尿病を治療し、禁煙やストレスを減らす指導を患者さんにおこなっているわけです。

 ところが「血管年齢」として脈波計で手足の血管の硬さを測定してわかることは、動脈の内膜の狭くなってる程度を診るのでなく内膜の1枚外側にある中膜の硬さを診ているのです。中膜の動脈硬化で血管の弾力はなくなりますが直接に脳卒中や心筋梗塞などは引き起こしません。この事実は医師でも知らない人が多いと思います(笑)。勿論中膜と内膜の動脈硬化は平行して進行するかとは思いますがけっして血管年齢が悪いからと言ってガッカリする必要はないのです。

 問題は怪しいコトバのトリックです。紛らわしい単語を作り、症例の少ない怪しい実験結果(街頭で10名ぐらいの人に実験して何がわかると言うのでしょう!)で変な結論に持って行き、大衆を操る企業とマスコミに注意しましょう。先日も「納豆ダイエット」と言う造語とその捏造問題が発生しましたよね。皆の飛びつきそうな話題を提供して煽るマスコミ気質!(ま〜飛びつく方も飛びつくほうなんですけどね。。。笑)。

 今日情報は無限大に様々な所から入ってきます。特に面白い話題ほど即刻乗らないでバイアスをかけずに自分で検討し実行する賢いオトナになりましょう。


■所長の独り言

「テーブルではなく、カウンターで食べるべき料理が存在する」こういう食文化は日本独特です。そしてその白眉は寿司と天ぷらでしょう。秒単位で味の変化が生じますので目の前に出されましたら、隣とダベッてなどしないで時を移さず電光石火で口に入れて下さい。食べる側の心意気が通じれば出す側だって頑張ります。料理のレベルが絶対に上がるはず。両者に温度差があったなら出す方だって「ま〜この御仁にはこんなもんでええやろ。。」と思ってしまうはず。

 料理と関係なくカウンターに座る特権もあります。木田さんの所に新年会で訪れた後、少人数で再訪しカウンターでの鉄板焼も味わってみましょう。鉄板の上に立ち昇る湯気越しに孤軍奮闘の木田さんとのボケとツッコミができますよ。彼は身体は養殖並みなのに天然なんでしょう。。。何回も大笑いをさせてくれること請け合いです。

『職人さん達との楽しい会話と耳学問』・・それはまったくフリーで消費税さえ掛かりません。笑う事で料理の味も倍増し、医学的には唾液の分泌も高まり血液中の免疫細胞の機能も改善してくれます。こんなオイシイ話を逃す手はありませんよね〜♪

執筆 『健康×美食ラボ』所長:医学博士 岡野喜久夫 2007年1月24日

『健康×美食ラボ』所長
医学博士 岡野喜久夫

岡野内科診療所院長
東京都港区新橋1-18-14 三洋堂本館ビル8F
03-3502-8060