次に流行るお店 *バックナンバー
フレッシュで美味しい生牡蠣を、さらに美味しく
「FISH HOUSE OYSTER BAR(フィッシュハウス オイスターバー)」
(東京・恵比寿/オイスターバー)
第301回 2010年1月26日
冷製牡蠣の盛りあわせ。
オーナーはシェフも務める松下敏宏氏(株式会社カスケード)。広尾から恵比寿のエリアには以前より由縁があり、今回この地でオープンに至った。エコール 辻 東京にて調理を学び、その後ホテルニューオータニ、JALの本社内ラウンジなどを経て、カナダへ単身3年半程渡る。「日本が島国ですから大陸続きの土地で生活してみたいとカナダを選びました」と松下氏。カナダでも出会いに恵まれ、リゾートホテルでの仕事を得て多くの食材やその土地ならではの様々な料理に触れる機会を得る。語学も堪能で伸びやかな発想とフットワークのよさが感じられるシェフ。その持ち前の明るさと空気感はそのまま店内にも漂う。
オーナーシェフ松下敏宏氏 中央:林泰宇マネージャー左スタッフの田尻博文氏。
入口からすぐのカウンターには世界と日本の各地から集められた牡蠣がずらっと並べられている。常に10種類ほど揃えているという。看板やロゴも青色であるように、オススメメニューが書かれるボードも鮮やかなスカイブルー。店内の壁にアクセントで飾られた小さなタイルも青。このタイルの上にはシェフ自らがデザインしたという貝殻もデコレートされてかわいらしい。テーブルや椅子はカジュアルであたたかみのある木製で、店内は全体が地中海を望むレストランを彷彿とさせる雰囲気。
フレッシュな牡蠣が並ぶカウンター。
オススメメニューのボード。
店内。
メニューのウリはもちろん牡蠣。「食べる機会もそれまでにもちろんあった牡蠣ですが、料理人としてあらためてその食材に出会った時、素材の持つ味わいの深さ、又調理の手法によって更に幅が広がることを再認識しました。昔から日本人に人気もありますし、今回日本に帰り一店舗目をオープンするにあたって牡蠣を主軸としオリジナルメニューの豊富な店をコンセプトとしました」と松下氏はその背景を語る。
牡蠣は季節や潮の流れ、プランクトンの量などによって味も様々。淡白なものから濃厚なものへ順に召し上がっていただくとより味わいも深いとシェフ。新鮮な牡蠣をレモンやカクテルソースでそのままいただく、生牡蠣の各種盛りあわせはもちろん人気だが、同店では更に「焼き牡蠣の盛り合せ」や「冷製の牡蠣の盛りあわせ」等オリジナルのプラスオンを施したメニューが色も鮮やかで目を引く逸品。個々の牡蠣の特性にあわせ調理をするという
生牡蠣盛りあわせ(1P 280円〜(季節により変動あり))
仕入れに際しては宮城や兵庫などの漁港にシェフ自ら足を運び、自身が美味しいと思ったものを選りすぐったという。今後も季節やお客様の声にもあわせ、品揃えは幅広く対応していく。
焼き牡蠣の盛り合わせ。
温製の盛り合せでだされる焼き牡蠣のメニューはシンプルな「牡蠣のナンプラー焼き(2P・740円)」から、「エンジェルズ オン ホースバック 牡蠣をベーコンで巻き上げた炙り焼き(2P・940円)」・「ロックフェラー ほうれん草とニンニクのピューレをのせた焼き牡蠣(2P・940円)」など6種類ほど。「エンジェルズ オン ホースバック」や「ロックフェラー」という面白いネーミングは“焼き牡蠣”のメニューとしてはアメリカではとてもポピュラーなもので昔から人気があるという。
その他の牡蠣料理としても「牡蠣と季節野菜のキッシュ(840円)」や「牡蠣とほうれん草のホワイトソースグラタン(1260円)」「牡蠣とジャガイモのクリームコロッケ(1050円)」と幅広い。パスタやリゾットはその日のオススメがボードに書かれる。又フォカッチャも自家製で毎日店内で焼き上げるという。牡蠣がNGのお客様にはパテ(本日の魚のテリーヌ(980円))が人気。元々フレンチ出身のシェフだからこその、本格的な味。パエリアもボリュームがあって見た目も面白い。「分かり易いのがいい」というシェフの基本嗜好で魚のフィレが丸のまま、野菜類も形をそのままにダイナミックな盛り付け。野菜は鎌倉野菜を直接鎌倉へ出向いて仕入れ、使用している。
魚介のパエリア(写真はSmallサイズ(S 1750円/L 2500円))
料理が最初にテーブルに提供されたとき、お客様にシンプルに食べる前のしづる感を伝えたいという。魚をほぐしながら米と混ぜ食べ合わせるのが美味でこちらも好評。客層は30代〜60代くらいまで年齢は幅広く、平日は会社帰りのグループ遣い、週末はカップルも多いという。
ハウスワイン 白「FISH HOUSE(ボトル4900円・グラス900円)」、赤「STEAK HOUSE(ボトル5400円・グラス・1000円)」。
牡蠣とマリアージュするオススメのワインは店名と同じ「フィッシュ ハウス」。アメリカオレゴン州のチャールズ・スミス氏によって作られたワインで、先日の来日の折には店舗にも立ち寄られたという。元々こちらのワインは、シェフがお気に入りで日頃から飲んでいたもの。
「ワインメニューはワイン通の方へ向けた特別なものも用意はありますが、同店では半分以上をオレゴン州から入れています。温暖化の影響もあり昼と夜の寒暖の差が激しいオレゴンの地は、フランスに劣らない上質なワインが作れるのです。飲みなれない人が飲んでも味がはっきり分かり易い点が特徴的です」と、ホールマネージャーを務める林 泰宇(はやしたいう)氏。
ワインはグラスでの提供も白が4種類ほど、又赤とスパークリングも1種類、700円から日替わりで用意、ボトルは2800円から常時20種類ほど。カクテルも蠣に合わせ各種テイストを揃えている。
通りに面し、窓ガラスが広く配され入りやすく、カジュアルで親しみ易い雰囲気はカキの味わいだけでなく、パスタやリゾット目当てでも気軽に立ち寄れる恵比寿の一軒になりそうだ。
通りに面した店前。
【FISH HOUSE OYSTER BAR(フィッシュハウス オイスターバー)】
住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-3-11 Belle 恵比寿M1F |
電話番号 | 03-6416-1391 |
営業時間 | 17:00〜23:00(L.O.) |
定休日 | 月曜 |
客席数 | 30席 |
客単価 | 6000円 |
目標月商 | 450万円 |
開店日 | 2010年1月4日 |
経営母体 | 株式会社カスケード |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ) 2010年1月17日取材
【関連記事】
次に流行るお店「グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン」(2004年5月1日)
煌めき揺らめくクラゲが作り出す非日常空間は、まさに大人の社交場「MEDUSA」(イタリア/恵比寿)(2008年1月15日)
アイルランド産生カキ、輸入解禁。3/14発売。(2008年3月5日)