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次に流行るお店  *バックナンバー

ガンプラ30年の歴史を越えて進化
エンタメ×飲食は”写メしたくなる店”
「GANDAM Cafe(ガンダムカフェ)」
(東京・秋葉原/カフェ)

第315回 2010年5月11日

ガンプラ焼き。
 4月24日JR秋葉原駅前にガンダムのオフィシャルカフェ「GANDAM Cafe」がオープンした。運営するのは株式会社バンダイ(社長:上野和典、本社:東京都台東区)、同社からのニュースリリースが発信された4月14日はその直後から2時間でネットに300件以上もの書き込みがあったという。多くのファンから期待を集め、待たれたとも言えるカフェのオープン、初日はオープンの8時半前から始発で駆けつけたファンが列を作った。


オープン前の朝の行列(朝8時半グランドオープン)。

 店の入り口上にはガンダムの1/1スケール「Vアンテナ」が目印で付いている。入口の両脇にはLEDラインが光る。JRの高架下ですぐに目に付くファザードだ。最初の写メスポットはこの店前で、入店前にほとんどの人がここでこの「Vアンテナ」を撮る。入口で登場人物をイメージした制服着用のスタッフが出迎えてくれるタイミングもある。


入口


最初の写メスポット。

 入店すると正面に1/12スケール「RX-78-2ガンダム」の姿がある。宇宙をイメージした店内でビームサーベルを持ち天井に届きそうな位置に堂々と立っている。


店内に飾られた1/12スケール「RX-78−2ガンダム」。

 その下には100分の1スケールの「XXXG-01ウィングガンダム」がアクリルケースで展示されている。入店するとすぐに撮りたくなるスポットが立て続けである。

 今回のカフェのオープンはガンダムファンにはもちろん喜んでもらえるものでありたいが、それだけではなく今までガンダムやガンダム商品に興味のなかった消費者もターゲットとしている。「飲食」を掛け合わせることで自然とガンダムに触れる機会となり、ガンダムの認知度もあげたいというのが運営サイドの狙い。店内は着席できるカフェスペースと、お土産などの物販スペース、「ガンプラ焼き」販売の3エリアに分かれる。約60席のカフェではコーヒーなどのドリンクメニューと夜にはカクテルもなどアルコール飲料の提供もある。フードは朝のサンドイッチから、ランチ、ディナーメニューへと時間別に提供される。オープン初日の来店者数公式発表は2000人。


店内。


来店客の店内の様子。


ハロ柄のテーブルに出される「ジャブローコーヒー」。


一番人気「ハロラテ」。


 メニューがサーブされるとまた写メが続く。カフェで一番人気なのは劇中の「ハロ」をイメージした絵柄も楽しめるカフェラテ「ハロラテ(380円)」。コーヒーには南米ジャブローの地(ストーリー上の重要拠点)で収穫された最良のコーヒー豆を使用している。ジャブローのコーヒーはホットで1杯340円、お持ち帰り用の豆の販売もあり(200g・980円)一日200袋が売れる日もあるという。同様の価格帯のコーヒーショップとは比にならない驚異的な販売数である。


テイクアウト用ジャブローコーヒーの豆。

 フードメニューにも劇中の設定やキャラクターを活かした嗜好をこらした商品が並ぶ。メニューブックの表紙も分かる人には分かるストーリー中のシーンを思い出させるデザインが施されている。


フードメニューとドリンクメニューの表紙。


ランチの一番人気「シャアアズナブルのパイロットランチ」。


ディナーの一番人気「連邦の白いヤツ」。

 オープンして2週間、カフェメニューのヒット商品のひとつはランチのハンバーグに添えられた「ガーリックトースト」。香ばしく焼きたてのガーリックトーストはもちろん食欲をそそる逸品だが、単純にそれではない。メニューブックに赤く大きく書かれた「『+200円』でガーリックトーストを通常の3倍にできます」、これは俗に言うランチの大盛りオーダーだが劇中のストーリーと掛け合わせている。オーダー時に「通常の3倍で」とお客様には言っていただく仕掛け。しずる人にはクスっと笑ってしまうたまらないポイントのひとつ。実にオープン初日、ランチの出卓数3割近くの数がこの「通常の3倍ガーリックトースト」をオーダーしたという。


ランチメニューブック「通常の3倍」の赤文字。

 オープン初日、店頭の行列は3本に分かれた。ひとつがカフェの入店、ひとつがお土産物販の購入、もうひとつが「ガンプラ焼き」の列だ。「ガンプラ焼き」は1/144ガンダムのプラモデル型をした「たい焼き」だ。現在はあんこ(190円)とベーコンマヨネーズ(220円)の2種類がある。今年30周年を迎えるガンダムのプラモデル「ガンプラ」の歴史。この記念の年にちなんでガンプラ焼きを包む紙にはそのことも記されている。


初代ガンダム144分の1サイズの「ガンプラ焼き」。


ガンプラ焼き販売窓口。


ゴールデンウィーク中は「お土産(物販)」に行列。


お土産のひとつ「人形焼」6種の全て違う絵柄が入っている(「ザク」「旧ザク」「グフ」「ズゴック」「ドム」「アッガイ」)。

 お土産商品も「ガンダムカフェ人形焼き(6体入)(680円)」や、名セリフクッキー(8枚入り)(550円)」など。名セリフクッキーには「アムロ いきまーす」など吹き出し風のデザインで一枚ずつにセリフが書き込まれていて楽しめる。

 オープンから2週間、ゴールデンウィークも含め毎日雨の日も欠けることなく行列でにぎわった同店。これだけ待たれ楽しみにされてオープンを迎えられる店はこの時代にそう多くはない。行列をみていると「ガンダム」の持つブランド力の強さとその歴史を感じざるを得ない。このカフェでジャブローコーヒーを一杯飲んでガンダムのBGMを聴いて出勤できることはガンダム世代のコアなファンにとってたまらない至福の時間。既存のファンと又更なる新しい顧客層に向けカフェとしてのくつろげる空間作りと、常に新しさを感じられる情報や新メニューの開発と商品力が求められる店、今後も楽しみにしていきたい。


GUNDAM Cafe(ガンダムカフェ)
住所 東京都千代田区神田花岡町1-1(JR秋葉原駅 電気街口徒歩1分)
電話番号 03-3251-0078
営業時間 カフェタイム 平日10:00〜17:00、土日祝8:30〜17:00
バータイム 平日17:00〜23:00、土日祝]17:00〜23:00(日祝は21:30終了)
ガンプラ焼き 平日11:00〜21:00、土日祝10:00〜21:00
定休日 無休
客席数 60席
客単価 非公開
目標月商 初年度20万人集客
開店日 2010年4月24日
経営母体 株式会社バンダイ
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ) 2010年5月8日取材

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