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ソムリエはiPad。
料理も空間もシンプルイズベストが合言葉。
「シンプルキッチン南青山」
(東京・南青山/ビストロBAR)

第327回 2010年8月3日

iPadがワインメニュー。一本ずつにオススメするスタッフの顔写真とそのコメント。
 今年5月にオープンした「シンプルキッチン南青山」は表参道駅から徒歩8分、骨董通り沿いの地下一階に位置する。「気取らない」「飾らない」を基軸コンセプトに料理も空間もシンプルにまとめ、おひとりさまでも仲間とでも気軽に毎日でも立ち寄りたくなるビストロバーだ。


入口。ビルの一階を進むと黒板で地下に誘導される。


カウンター席。


テーブル席。

 まず最初にワインをオーダーしようとワインリストをお願いすると登場したのがiPad。一本ずつにオススメするスタッフの顔写真とそのコメントが載っていて、iPadをめくりながらワインを選ぶスタイル。目新しさもあり会話に花をさかせてくれる。「ソムリエが逆にいらないかなと思うくらいです。入り込み過ぎずお客様のペースで楽しみながらワインを選んでいただくのに、このiPadが一役かってくれています。お店のコンセプトにもこれがとてもマッチしていると感じています」と同店スタッフの渡部良之さん。ワインはグラス490円から、ボトルは2200円から30種類ほど用意している。

 お料理の方では看板メニューが「バケツ一杯のムール貝」。フルサイズが1980円、ハーフサイズ1000円もある。愛媛から取り寄せた新鮮な活ムール貝を白ワインで蒸し、バケツ一杯(フルサイズで20個前後盛られる)で提供している。プリプリの食感がたまらなく、ベルギーで本場を味わったことのある人も食べて絶賛したという。同品目当てのハードリピーターの人も多い。


バケツ一杯のムール貝 1980円(フルサイズ)。
 
 専門専化型の店が多くなる傾向もあるが、同店はあえて料理ジャンルには強くこだわらない。ネットの検索で多く見てもらえるように「色々やってみる」という考え。イタリアン、フレンチを中心にヨーロッパ系の料理は幅広く揃えていくという。ムール貝以外にも「サーモンとアボガドのカルパッチョ」は層に盛り付けられた食材の色合いが食欲をそそり最初の冷製オードブルにオススメ。又ル・クルーゼ鍋で提供される「牛スジ肉のトマト煮込み」は熱々でほっとする味。ボリュームも満点、同店の一番人気メニューだ。そしてどちらも500円という価格にまた驚き。何品か食べて飲んでも平均客単価3000円前後で充分満足できるというコストパフォーマンスのよさ。


サーモンとアボガドのカルパッチョ 500円。


牛スジ肉のトマト煮込み 500円。

 ランチは平均客単価700円。「31種のスパイスをつかった自家製キーマカレー(590円)」や「コトコト煮込んだ牛スジトマトDON(690円)」などパスタやご飯ものなど全6種類から選べる。テイクアウトも可能で、近隣のイベント会場や会議室などからの大量注文には配達も積極的に行っている。

 店内はテーブル席とカウンター席、ひとりカウンターで飲むもよし、又着席で40名まで仕切りもなく全体が見渡せるので団体利用でも使い勝手がよい。客層は20歳代から60歳代まで幅広く、女性の方が男性よりやや多いという。
 
 店舗スタッフは、飲食業界の経験にプラスして大手企業の営業や企業コンサルを個人事業で営むなど様々な経験を積んだ者が集まる。その力を結集し日々のオペレーションにあたっている。オープンから早2ヶ月が経過、「食べログ」でも注目のレストランで3位にランクイン、「KAUPON」などを利用したネット集客も上手い。これらを継続し確実に認知度をあげ、固定客を増やしている注目店だ。


スタッフの方々。


the simple kitchen(シンプルキッチン)
住所 東京都港区南青山6-2-9 KSビルB1F
電話番号 03-6427-4919
営業時間 11:30〜深夜
定休日 無休
客席数 40席
客単価 ランチ700円、ディナー2800円
目標月商 300万円
開店日 2010年5月20日
経営母体 株式会社ダイニングキッチン
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ) 2010年8月1日執筆

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