フードリンクレポート


「nishiyama2480」外食経営者でNo.1のフォロワー数。
〜かつての「牛角」のように、突き抜ける業態で日本一の外食企業を目指す〜(5−1)
西山 知義氏  株式会社レインズインターナショナル 代表取締役社長CEO

2010.5.9
親会社レックス・ホールディングスが2007年4月、MBOにより上場廃止となり、しばらく表舞台に出なかった西山氏。最近、自社業態の告知目的でテレビ出演も始めるなどレインズの顔として存在感を高めようとしている。今年2月にはツイッターも始めた。西山氏は今や「外食事業に集中する」という。目指す、日本一の外食企業とは。西山氏が沈黙の3年を破って語る。5回シリーズの第1回目。


西山 知義氏。レインズインターナショナル本社にて。

「nishiyama2480」外食経営者でNo.1のフォロワー数

 西山氏は今年2月から友人の勧めでツイッターを始めている。1ヶ月半で、早くもフォロワー8千人を超えた。外食経営者の中ではナンバーワンの数。

「ツイッターは、たまたま友人が始めていて、ビジネスにも役立つと勧められて始めたんです。最初の1週間はフォロワー5人で寂しくて(笑)。楽天の三木谷さんや、元ライブドアの堀江さんなど友人に、どうやったらフォロワーが増えるのかを聞いたら、彼らが『西山さん要フォローです』と書いてくれて。その後、ドーッとフォロワーが増えました」と西山氏。人脈が広げてくれたフォロワー数は、その後も1日数百人のペースで増え続けている。

 始めて販促のつぶやきを書いたのが、3/23。最初は、何か面白いことができないかと呼びかけたことがきっかけ。フォロワーとのやりとりから、3/24に牛角 三軒茶屋店限定でお勧めの肉盛り合わせ「西山盛り」をフォロワーに無料で提供することが決まった。すると11組35名が来店。この日の同店の総客数は3月の平均客数の約1.5倍。給料日前の雨が降る中、週末並みの客数になったという。しかも、初めて三軒茶屋店に来た方や、数年ぶりに「牛角」に来たという方もおり、非常に良い成果となった。


「牛角」

「その後、しゃぶしゃぶ温野菜や土間土間でも同様の問いかけをフォロワーの方たちにした結果、その度にフォロワーが加速度的に増えてきたんです。牛角で西山盛りを実施したときに、牛角に来たことがない人が来てくださって、美味しいと喜んでくれました。私たちが狙っている、休眠層も含めた新規の方も来てくださっている。会社のアカウントでは販促ばかりになってしまって面白くない。見ている方は人間味を求めているのではないかと思います。」

「企業がやると定型文みたいになってしまい、人間味は出しづらいのではないかと思います。牛角や温野菜などのブランドもアカウントを持っていますが、経営者である自分の個人的なツイッターで興味をもっていただいて、販促などの企画を通してブランドのアカウントもフォローしていただいているようです。 ブログを1日5回書くとなると大変ですが、ツイッターは、つぶやくだけなので楽しんでやっています。」

「つぶやく内容は、フォロワーの方の立場にたって、自分に何を期待するかを考えました。例えば、私の話で洋服のことを期待する人はいない。期待されていることは、1つは経営者としての視点、もう1つは外食に関しての事、後は何か特典があったら喜んでもらえるのではないか。そういったことに、さらにプライベートなことも加えてルーティーンでつぶやいてみました。つぶやいているうちに、フォロワーの方の反応で、自分に期待されていることがだんだんとわかってきました。自分をフォローしていただくことで、前向きになって仕事や人生に気付きをもっていただいたり、特典を利用して楽しい時間を過ごしていただければ嬉しいです。」

「私が人生における指針としている言葉、名言などもツイッターで紹介しています。例えば、私の好きな小林一三さんの名言、『下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ』など。これは、私が不動産屋で働き出した当時、社長のベンツを毎日洗っていたときに、胸に留めていた言葉。こういった言葉に共感してくださる方がリツイートをしてくれる。皆さん朝礼とかで使ってくれているようです。ツイッターでのつぶやきで、西山個人に共感いただいたり、お店に対するアイデアや意見を言っていただけるのは、ビジネスにも役立つし、個人的にも楽しいですね。」


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年4月6日執筆