フードリンクレポート


3千人の巨大ビアホール「ホフブロイハウス」。
〜ドイツは、ビールとソーセージだけじゃない〜(3−1)

2010.5.12
外食企業経営者と共に、毎年4月に海外視察を重ねて今年で4年目。過去は、ニューヨーク、イタリア、フランス。今年はスペイン・ポルトガルの予定であったが、アイスランドの火山噴火により欧州の空港が閉鎖され、最初の到着地ドイツ・ミュンヘンから航路での移動が困難に。幸いにも列車で移動できたドイツ国内の外食事情をレポートする。3回シリーズの第1回目。


成田から出発。ここまでは順調だった。後列右から、安田久氏(HYシステム)、井戸実氏(エムグラントフードサービス)、柴泰宏氏(柴田屋)。中列は松村厚久氏(ダイヤモンドダイニング)、米山久氏(APカンパニー)、横山淳司氏(セクションエイト)。前列は、渡邉仁氏(東京レストランツファクトリー)、安田正明(フードリンク)。

3千人の巨大ビアホール「ホフブロイハウス」

 ミュンヘンと言えば、ビール。ドイツ国内に1200あるビール醸造所の内、最も多く集まっているのがミュンヘン。中でも人気なのが、1589年設立の「ホフブロイハウス」。貴族が旧王室の建物を買い取って醸造を始めた。作りたてのビールが飲める3千人収容のビアホールを併設しており、ドイツ人だけでなく世界中の観光客が集まる。かつて、ドイツ労働者党の集会場として使われ、ヒットラーが演説したことでも有名。


外観。3階建て。中庭があり、ビアガーデンとして使われている。


1階だけで1,200名を収容。天井が高い。


中庭。


定期的に民族音楽の演奏が始まる。もちろんビールを飲みながら演奏。


楽しいメニュー表紙。

 ビールは、デュンケル(濃色)、オリジナル(淡色)が1Lジョッキで6.9ユーロ(約900円)。りんごで作られたアルコール入りサイダー「ラドラーRadler」も1Lジョッキで同じく6.9ユーロ。食事は毎朝4時から店内で作られるソーセージが人気。訪問した週末は、地元の方と観光客で溢れかえっていた。


次から次への1Lジョッキに出来たてのビールが注がれる。男性サーバーは白シャツ、黒ベストのきっちりした服装。女性は、ドイツの民族衣装。


1Lジョッキ。泡の量が多め。英国や米国と異なり、日本と同様に泡の割合が多い。


ソーセージ。どれも5〜8ユーロ。残念ながら名物の白ソーセージは売り切れ。


日本でもお馴染みのアイスバイン。2〜3キロもある大きな豚のすね肉。9.8ユーロ。


シュバイネハクセ。豚のすね肉をロースト。付け合わせはジャガイモそのものではなく、ジャガイモで作られた団子「クネーデル」。もちもちしたニョッキのような食感。

 人気の「ホフブロイハウス」だが、ドイツでは若者のビール離れが起きているという。ビールに酔うのは年配者と観光客。若者はビールよりさらに低アルコール志向という。日本での日本酒と似たような関係で、英国のスコッチ、フランスのワインもそうで、世界的に若者は伝統酒から離れる傾向にあるようだ。


「ベックス・グリーンレモン」(缶左)。ビールをレモネードで割ったアルコール飲料。度数はビールの半分の2%。若者向けで、駅売店で販売されている。


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年5月6日執筆