フードリンクレポート


水着ガールやメイドの接客で男性リピーターが続々。
〜夏本番! ビアガーデン革命、全国で進行中〜(5−4)

2010.8.2
いよいよ梅雨が明けて夏本番。気温の上昇と共にビールの美味しい季節になった。夏の夜、屋外のビアガーデンで涼みながら飲むビールの味は格別だ。しかも、今年は料理や空間にこだわったビアガーデン、一味違うサービスを試みるビアガーデンが増え、従来のイメージを一新している。ビアガーデン革命の進展状況をレポートした。5回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


六本木ビアガーデン。六本木ヒルズを背景にビーチ気分でビールが飲める。

水着ガールやメイドの接客で男性リピーターが続々

 料理でビアガーデンを差別化していく動きに対して、女の子を売りにする動きもある。従来からバドガールが活躍する「バドワイザーカーニバル」のようなビアレストランがあったが、その派生形と見ればよいだろう。

 今年、六本木初の屋上ビアガーデンとしてロアビル5階にオープンした「六本木ビアガーデン」。母体は六本木のニューハーフショーレストラン「六本木 香和(かぐわ)」で、代表が元々ビアガーデンの経験者であったことから、4年ほど前から六本木で立地を探していたという。たまたまロアビルの5階のテラスが使われずにあることを知り、交渉の上この好立地にオープンにいたった。


六本木ビアガーデン エントランス。


ライトアップされた東京タワーが望める。

 6月17日にオープンしたが、水着の女性スタッフが接客することが、ツイッターなどネットで話題になっており、特に水、木、金曜あたりは満席になる。梅雨の期間中は厳しかったが、梅雨が明ける2週間くらい前から8月の予約も埋まってきているほど、日々上り調子にあるという。席数は130席。テーブルチャージが500円かかる。

「疲れたサラリーマンに癒しを」がコンセプトで、顧客も男性サラリーマンが主流。

 ビルの5階と低層なのであるが、夜はライトアップされた六本木ヒルズと東京タワーを同時に見れるので、現代の東京の夜景を見ながらビールが飲めるのが、水着の女の子と並ぶもう一つの売りだ。

 ドリンクはサントリーと契約しており、モルツ(中ジョッキ700円)、プレミアムモルツ(中ジョッキ800円)、カールスバーグ(中ジョッキ750円)と3種類の生ビールが飲める。そのほか、カクテル、ウィスキー、焼酎、サワー、ソフトドリンクなども揃っている。


ドリンクコーナー。

 フードは枝豆、サラダ、若鶏の唐揚げ、オニオンリングなどビアガーデンの王道メニューが多い。客単価は3500円、定休日は日曜となっている。

 一方で、メイドが接客することで人気を博しているのは、福岡市中央区天神の西日本新聞屋上で営業している「天空五風」。運営は西洋フードコンパスグループで、席数は400席。料金は男性3800円、女性3500円で、食べ放題・飲み放題となっている。


幕末とメイドをコラボさせた福岡のビアガーデン。


メイド目当ての男性顧客が急増。

 西洋フード・コンパスグループではビアガーデンの顧客の高齢化、客離れが顕著化していたので、最近5、6年は毎年テーマを決めて若い人の集客を狙っているという。たとえば一昨年はホラーをテーマに、恐いメイクのスタッフが接客した。昨年、メイドをテーマにしたところ、メイド喫茶のような感じで若い男性顧客が急増した。

 そこで今年もメイドを継続することにしたが、全く変わらないのもつまらないので、「幕末メイド伝」と銘打ち、女性スタッフはメイド服、男性スタッフは坂本龍馬や新選組の衣装で接客にあたっている。

 男女ペアーで客席をまわり、来店した人全員とジャンケンを行い、顧客が5回先に勝てば龍馬グッズをプレゼントするなどのサービスを行っている。また、メイドは一回200円でチェキ撮影が可能である。十枚、二十枚と撮っていく人も多いそうだ。

 料理はバイキングになっており、ローストビーフ、ホルモン、焼きそば、唐揚げ、バンバンジーなどが人気。

 ドリンクはアサヒ、キリン、サッポロ、サントリーと4社のビールが飲み放題。それだけでも嬉しいのに、メイドとの交流も付いているお得感で金、土は予約で満席なのだという。


【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年7月26日執筆