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正真正銘の工場直送。鮮度抜群のホルモン。
「肉問屋直営 ホルモン焼・鍋 熱田 高田馬場店」
(東京・高田馬場/ホルモン焼・鍋)
第324回 2010年7月13日
外観。
「熱田」としては、2008年4月にオープンした埼玉県春日部市の春日部店、2009年9月にオープンした四ツ谷店に続く3号店である。
席数は50席。春日部店は38席、四ツ谷店は28席なのであって、高田馬場店は過去最大の箱だ。1階と2階で2層になっている。
元は焼肉店であった場所を居抜きで借りたが、物件が築四、五十年と古く、厨房も汚かったので、思ったより改装に手間と費用が掛かったという。
店内。
特に宣伝はしていないが、人通りの多い場所にあることもプラスに働いて、初月で売り上げ400万円には達する見込みと、集客は順調。
顧客層は20代〜40代の友人同士、カップル、家族、会社の同僚などを集めている。
客単価は3800円。食事を目的とする店で、居酒屋用途ではなく、お酒はビール、日本酒、焼酎、梅酒、フルーツ生搾りサワー(グレープフルーツ、レモン)などを揃えているが、それほどは出ないという。
この店の売りは、何と言っても本物の肉問屋が経営しているということ。経営母体の日本トップフーズは、昭和47年より埼玉で肉問屋を始め、岩槻の工場で肉の加工を行っている。仕入ルートは全国にあり、輸入物も扱っている。大手チェーンを含め、飲食店への卸売も行っている。
しかも内臓は元々得意な分野。肉問屋が工場で加工した新鮮な肉が、最適な温度管理でトラックにて運ばれ、店舗に保管されている。肉問屋のノウハウが生かされているから、旨いホルモン焼、ホルモン鍋が提供できるのだ。
店内の壁には日本トップフーズ岩槻工場写真があった。
店内の壁には鮮度の秘訣が掲げられている。
和牛のホルモンが安く出せるのは、一店単位で和牛の内臓セットを一頭買いしているからでもある。物流とパッケージの違いが自慢だ。
一番人気のメニューは、山形、九州から直送した和牛の小腸「コプチャン」(480円)。プリプリと脂が乗っており、しつこくなく、飽きの来ない味だ。
和牛の小腸「コプチャン」(480円)。
また、「和牛旨ハラミ」(1280円)は、都内の焼肉屋で2000円レベルの上級品が、肉問屋直営の強みで安く食せる。
鮮度管理、衛生管理の技術の高さを体験するなら、よほど新鮮でないと提供できない、豚のハツの刺身「こころさし」(580円)がお勧めだ。
豚のハツの刺身「こころさし」(580円)。
ホルモン鍋は、味噌味の「赤」と、塩味の「白」があり、2〜3人前1980円。新潟の蔵から取り寄せた醤油を使い、ダシも鰹と昆布より一から手づくりをしている。
ホルモン鍋「赤」。2〜3人前1980円。
シメには、「特選地鶏の卵かけご飯 自家製ぬか漬付き」(480円)。これも醤油は新潟の蔵から卵かけご飯専用を取り寄せ、ぬか漬は店で漬けたものを出している。
「ウチに食べに来た飲食店のオーナーが、肉を分けてほしいと申し出てくることもあるんです。会社のブランド力アップや本業活性化に役立ってくれています」と、熱田貴比古社長は「熱田」の出店効果に自信を深めている。
牛の内臓はBSE検査があるため、最短でも出回るのに2日かかる。つまり、朝びきの肉をお店で出せるわけないのだ。そういった、肉の流通に関する本当の姿も、「熱田」を通じて伝えていきたいと、熱田社長は意気込む。何より、顧客の声を直接聞くチャネルを持ったことが、肉問屋の営業に非常に大きなプラス作用を生み出しているという。
熱田社長によれば、当初から3店を立地条件の良い場所で展開する計画であったが、今後はホルモンの店が飽和状態にあるし、出店要請があれば考えるものの、これ以上急速に拡大する気持はないそうだ。むしろ別の業態なら出店する可能性がある。
左が熱田社長。右は店長。
「熱田」は、本業の肉問屋の年商が10億円ほどある中、3店でトータルして年間1億2000万円ほどを売り上げれば良しとする目標を立てている。「今年中に12億円は無理なくできる」(熱田社長)とのこと。この勢いなら目標達成は可能であろう。
【肉問屋直営 ホルモン焼・鍋 熱田 高田馬場店】
住所 | 東京都新宿区高田馬場2-2-1 |
電話番号 | 03-6273-9767 |
営業時間 | 17:00〜23:00(L.O.22:30) |
定休日 | 第3月曜日(祝日の場合は変更) |
客席数 | 38席 |
客単価 | 3,800円 |
目標月商 | 500万円 |
開店日 | 2010年6月24日 |
経営母体 | 株式会社日本トップフーズ |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年6月29日取材
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